地区連銀製造業景況指数は4月も好調
更新日:2021年04月16日(金)
15日に発表された米経済指標は軒並み好調。景気回復加速を裏付ける結果が続出。
週間新規失業保険申請件数は3週ぶりに減少してコロナ後最少、1年1ヵ月ぶり低水準となる50万件台へと急減。3月の小売売上高は前月比+9.8%。コロナ後の反動高で急騰した昨年5月(+18.3%)以来、10ヵ月ぶりの高い伸び。自動車を除く数値も前月比+8.4%の急騰。寒波の影響もあった2月からの反動とワクチン効果、感染拡大の減速、行動規制解除と経済活動再開の好影響が一気に表面化したような格好にも。
地区連銀製造業景況指数では、3月に続いて4月もさらに一段と好調が続く状況を示しています。
4月のNY連銀製造業景況指数は26.3。市場予想の20.0を上回って3月の17.4からも急騰。3ヵ月続伸で2017年10月(26.6)以来、3年半ぶりの高水準。
構成指数では、新規受注(26.9)が2009年10月(28.6)以来11年半ぶり、出荷(25.0)は2018年8月(26.2)以来2年8ヵ月ぶりの高水準。受注残(21.2)に至っては2001年9月(36.5)以来、19年7ヵ月ぶりの高水準。
また、仕入価格(74.7)は2008年7月(77.9)以来12年9ヵ月ぶりの高水準、販売価格(34.9)は2001年以降のデータで過去最高。仕入価格見通しも2011年3月以来10年1ヵ月ぶり、販売価格見通しも2008年8月以来12年8ヵ月ぶりの高水準となり、インフレの少なくとも一時的な上振れと今後のインフレ上昇の可能性を示す結果に。
なお、雇用(13.9)も12月以来4ヵ月ぶり高水準ながら、2019年以降では2番めの高水準と好調を示し、雇用見通し(40.1)については過去最高となって今後の雇用回復基調加速の可能性を示唆。
4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も50.2。市場予想の41.5を上回り、3月の44.5からも急騰。1973年4月(53.6)以来、実に48年ぶりの高水準。
受注残(27.2)が1973年3月(45.1)以来、48年1ヵ月ぶりの高水準となった他、
仕入価格(69.1)は前月の72.6から小幅低下も2008年8月以降では2番めの高水準、販売価格(34.5)も3ヵ月ぶり高水準ながら、2018年8月以降では2番めの高水準。
仕入価格見通し(71.5)は1989年2月以来32年2ヵ月ぶり、販売価格見通し(63.6)は1984年3月以来37年1ヵ月ぶりの高水準。こちらもインフレ上昇の可能性を示唆。
また、雇用(30.8)は1968年以降のデータで過去最高、雇用見通し(55.7)も過去最高。やはり雇用回復基調加速を後押し。
期待指数(66.6)も1991年10月以来、29年半ぶり高水準となって今後の見通しの明るさを明示。
今回は、FRBのデュアル・マンデート達成に向けた明るい見通しを示す結果が揃いました。
15日のNY金相場は+30.5ドル、1.76%の大幅反発。上げ幅としては今年の絶対値平均14.1ドルの2.2倍、今年3番めの急騰で2月25日(1775.4)以来、2ヵ月弱ぶりの高値水準に。時間外は前日終値水準1730ドル台半ばが安値となり、20日移動平均線(1733.6)にも下値を支えられてゆるやかな反発基調、ロンドン時間までに前日下落分を取り戻して1740ドル台へと小幅に上昇。NY市場では一連の米経済指標が軒並み好結果となったにもかかわらず、1.6%台前半で下げ渋っていた米10年債利回りが1ヵ月ぶりとなる1.6%割れへと急落した流れを受けて急騰、NY午前のうちに一時1770ドルまで上昇。経済指標の好結果をインフレと同様に一時的な可能性と見ての慎重姿勢か、あるいは米国のロシアへの制裁発動による米ロ対立リスクへの警戒感なども影響したか、いずれにしても長期金利上昇トレンドには変化の兆し。重石が外れて1750ドルの節目を上抜けたNY金はもう一段上値を試す可能性も、短期上値目標は今年高値から今年安値までの38.2%戻し(1783.8)、1780ドル近辺。ダブルボトム完成後の上値トライ再開と見れば最大では1800ドルの大台を試しに行く可能性も。
NYプラチナは+22.8ドル、1.94%の続伸で4月9日(1209.3)以来、4日ぶり高値となって1200ドルの大台を回復。時間外の1770ドル台から金の堅調推移と株価急騰にも連れてロンドン市場で1190ドル、NY市場では1200ドルへとコンスタントに上昇。ただし、金の上昇値幅の3分の2程度にとどまり、ノルマとも言える2月の今年高値から3月安値までの38.2%戻し(1201.0)をなんとか達成しただけ。それでも抵抗線となり得た20日移動平均線(1193.5)も上抜け、上値トライ再開に向けた入り口に到達したような状況に。ここから先は1240ドルの抵抗水準トライへと向かうか、1150ドル台の下値サポート方向へと反落か、方向感見極めフェーズにも。
ドル円は21銭のドル安円高、0.19%安で4日続落。3月24日(108.74)以来、3週間ぶりのドル安円高水準でゆっくりと下値トライの流れが進行。東京朝の高値では109円に届かず、108円90銭台を何度か試して失速、軟調推移の展開へ。108円70銭台へと水準を切り下げたNY市場では、米指標好結果を受けての米10年債利回り急低下に小幅に乱高下の反応。売り買い交錯状態で微妙に水準を切り下げる展開も108円60銭近辺では底堅さも。今朝の東京市場では円安の流れが強まって一時108円90銭台まで反発も、109円が抵抗水準となりつつある様子も。目先、109円台を回復できれば流れも変わり、下値トライ中断への可能性も。戻り売りポイントになるようなら108円近辺を目指す下値トライ継続へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/15終値とチャート
16日の国内金価格は+80円、1.21%の反発。上げ幅では今年の絶対値平均44円のほぼ倍、今年3番めの急騰で2月25日(6718)以来、2ヵ月弱ぶりの高値。短期下値目安6600円の大台前後を目指した流れは巻き戻され、21日、9日線とともに90日移動平均線(6692)も4日ぶりに上抜け。収束した3本の移動平均線を上から下へ、下から上へと乱高下状態でレンジを拡大する逆三角保ち合いを形成する不安定な状態に。目先は6730円前後が短期上値目標、ただし切り返す展開となって6630円台の下限を割れるようなら6560円近辺まで、レンジ下方拡大の展開にも。
週間ベースではわずかに+2円、0.03%高となって3週続伸。3週続伸は今年初、昨年12月以来4ヵ月ぶり。
プラチナ価格は+77円、1.72%の続伸。昨年11月来の中期上昇トレンド崩れからの急回復も、サポートライン回復には至らず。それでも下げ止まりつつある21日移動平均線(4550)を上抜けて短期的な地合いは回復方向へ。もう一段の回復に向けては4月7日高値から14日までの5日続落で306円下落の半値戻しとなる4581円の早期回復を目指したいところ。
週間ベースでは-118円、2.52%安で3週ぶりの反落。
※参考:
金プラチナ国内価格4/16とチャート
2021年04月16日(金)時点の相場
国内金:6,718 円 4/16(金)
▲80(
1.21%)
国内プラチナ:4,559 円 4/16(金)
▲77(
1.72%)
NY金:1,766.8 ドル 4/15(木)
▲30.5(
1.76%)
NYプラチナ:1,200.2 ドル 4/15(木)
▲22.8(
1.94%)
ドル円:108.75 円 4/15(木)
▼0.21(
0.19%)
4/15(木)のその他主要マーケット指標
高騰する市場のインフレ見通し、3-4月は一段と加速 04/17(土)輸入物価指数も3月は急騰、4月はPPI、CPIをさらに押し上げへ 04/15(木)米3月CPI一時的な上振れに長期金利急低下、ドル急落で反応 04/14(水)ドル高の巻き戻し、ユーロも金も23.6%戻しで一服 04/13(火)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン