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★金プラチナ短期相場観★

生産者物価も一時的上振れ、コアPPIも全て前年比過去最高
更新日:2021年05月14日(金)
生産者物価指数(PPI)2021年4月前日発表された消費者物価(CPI)に続いて、生産者物価(PPI)も予想以上の上振れとなりました。しかし、前日の過剰反応の反動もあってか、市場は静かな反応。
米労働省が発表した4月の生産者物価指数(PPI)は前年比+6.17%。市場予想の+5.8%を上回って3月の+4.23%からも急騰、4ヵ月続伸で2011年9月(4.51)を超えて過去最高を更新。
食品とエネルギーを除いたコア指数は前年比+4.15%。これも市場予想の+3.8%を上回り、3月の+3.12%からも上昇、4ヵ月続伸となって2ヵ月連続の過去最高。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数は前年比+4.62%。これも3月の+3.14%から一段と上昇し、11ヵ月続伸で2ヵ月連続の過去最高。

PPIでは昨年4月から8月までが前年割れとなっていた為、今年4月から前年比では急騰局面入りとなっています。
2年前との比較では、今回の4月は+4.56%。3月は+4.59%となっていました。コアPPIでも2年前との比較では3月が+4.27%で4月は+4.50%と小幅上昇にとどまっています。

この日、ウォラーFRB理事は4月の雇用統計と消費者物価(CPI)はサプライズだったことを認め、雇用統計については4月が異常値であったことを確認するために5-6月分を確認する必要があるとの発言。インフレについては2%を上回るのは一時的としつつも、2022年いっぱい続く可能性もあるとの見方も。と同時にCPIが4%以上の状態が何ヵ月も続くようなら非常に懸念される、との発言も。
早ければ、今年夏には緩和縮小についての協議がスタートする可能性はありそうです。

NY金・日足チャート 2021/4/9 - 5/1313日のNY金相場は+1.2ドル、0.07%の小幅高で3日ぶりの反発。4日連続1840ドル台の上ヒゲを残して団子天井形成後に、インフレ懸念に伴う緩和縮小前倒しへの若干の警戒感からの下落基調はこの日のロンドン時間まで継続。1820ドル台からの戻り売りで一時1810ドルを割り込んだところで下げ渋り、NY朝の米4月PPIの上振れに対しては前日急上昇した米10年債利回りが調整、ドル高も一服状態となったことから反発へ。NY午後には1820ドル台を回復し、高値では1830ドル付近まで上昇。4月から続く反発の流れは続き、浅めの調整後の一服、という状態に。目先は20日移動平均線(1793.5)から1800ドルまでが下値サポート候補となり、1840ドルの抵抗水準を上抜けることができれば、2月以来となる200日移動平均線(1854.7)との攻防を経て1860ドル程度までが上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/4/9 - 5/13NYプラチナは-19.4ドル、1.58%安となって3日続落。時間外は金に追随する流れで1220ドル台からの戻り売りでロンドン時間には1200ドル付近までの軟調推移、大台割れを回避して下げ渋るとNY朝には反発へ。ただし1220ドルで上値を押さえられると保ち合いの展開となってNY午後には再び1200ドル付近までを試す場面も。20日移動平均線(1226.0)を完全に割り込み、中期的にはゆるやかな上昇トレンドを維持しながらも短期的には軟調な流れに。下方向への節目となる1190ドル台を割れるともう一段の調整へ、4月安値圏1160ドル近辺までを目指す流れにも。

ドル円・日足チャート 2021/4/9 - 5/13ドル円は23銭のドル安円高、0.21%の反落。108円台後半での小幅保ち合い上抜けに伴う短期上値目標109円台半ばにしっかり到達し、わずかに行き過ぎたところからの軌道修正で109円台半ばに収束。米4月PPIの上振れに対しては米長期金利も株価も前日とは違ってほぼ無反応。東京朝の高値109円80銭付近から40銭台の下限までのレンジを徐々に縮小しながら軟調気味に推移、今朝の東京市場では40銭台から50銭台へと反発基調。目先は109円台半ばを中心に保ち合い形成の展開も予想されるものの、109円70銭の節目を上抜けると110円台前半へと水準を切り上げる展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/13終値とチャート

14日の国内金価格は+31円、0.44%高となって3日ぶりの反発。今年高値となった1月6日(7016)以来、4ヵ月ぶりの高値。6990円の節目を超えて7000円の大台に到達。やや浅めの調整から切り返しての高値更新となり、反発力には一抹の不安も残るものの可能性としては今年高値更新トライへと向かい、7030円台程度までが短期上値目標に。下方向には6970円が目先のサポート水準、これを割れると短期的な流れは逆行、6900円近辺までの調整局面入りへ。
週間ベースでは+82円、1.19%高となって7週続伸。7週続伸は2019年7月以来、1年10ヵ月ぶり。

プラチナ価格は-3円、0.06%の小幅安で4日続落。5月6日(4631)以来1週間ぶり安値圏で下げ渋りの様相ながら、4月半ばから下値を切り上げてきたサポートラインを割り込み始め、方向感としては軟調方向優勢の状態にも。4570円の節目を維持できれば新たな保ち合い形成への移行なども想定可能。割れると短期調整局面入り、4500円を割れて4480円程度までの下落も。
週間ベースでは-116円、2.44%安で3週ぶりの反落。
※参考:金プラチナ国内価格5/14とチャート

2021年05月14日(金)時点の相場
国内金:7,001 円 5/14(金) ▲31(0.44%)
国内プラチナ:4,633 円 5/14(金) ▼3(0.06%)
NY金:1,824.0 ドル 5/13(木) ▲1.2(0.07%)
NYプラチナ:1,206.5 ドル 5/13(木) ▼19.4(1.58%)
ドル円:109.45 円 5/13(木) ▼0.23(0.21%)
→5/13(木)のその他主要マーケット指標

←ノイズの多い4月指標、消費も生産も予想外に低調 05/15(土)
→一時的インフレ上振れでコアCPIは25年ぶり高水準 05/13(木)
→市場予想のインフレ見通しも上昇持続、雇用見通しも改善 05/12(水)
→それでも年内利上げ織り込みは10% 05/11(火)

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