新規失業保険申請件数は減少ペース加速、年内のコロナ前回復も
更新日:2021年05月21日(金)
新規失業保険申請件数の減少ペースが加速しています。
5月雇用統計の調査対象週となる、15日までの週の新規失業保険申請件数は44.4万件。3週連続でコロナ後の最少を更新、4週移動平均でも50.48万件となり、6週連続の減少。
少なくとも21州で来月から政府の失業プログラムを打ち切るとの報道もあり、職場復帰の加速を促すとともに新規失業保険申請件数の減少ペースは今後さらに加速する可能性もありそうです。ただし、労働力不足や材料不足などのボトルネックも発生しており、一本調子での回復という訳にも行かない可能性もありそうです。
4週移動平均の前週比を10週平均で見ると-2.7万件。4週連続-2万件台となっています。
多少減速することも考慮し、今後もし1.5万件ペースで減少し続けた場合、4週移動平均がコロナ前の21万件程度まで減少するには、
51万-21万=30万件 → 30万/1.5万=20週=5ヵ月・・・最速で今年10月にも到達の可能性?
1万件平均で減少したなら、30週=8ヵ月・・・この場合でも来年1月にもコロナ前の水準に到達する可能性も。
なお、5月8日までの週の失業保険継続受給者数は375.1万人となって前週比+11.1万人。昨年11月28日までの週(22.3万人)以来、5ヵ月ぶりの大幅増となり、直近4週では3週で増加。こちらは減少ペースが鈍化し、下げ渋り状態となっています。
4週移動平均の前週比を10週平均で見ると、-7.2万人。
今後、毎週7万人ペースで継続受給者数が減少し続けた場合、4週移動平均がコロナ前の170万件程度まで減少するには、
368.1万人-170万人=198.1万人 → 198.1万人/7万人=28.3週=29週=8ヵ月・・・失業保険継続受給者数も減少が再開し、そのペースが少し前の状態に近づけば、来年1月にもコロナ前の水準に戻る可能性も。
20日のNY金相場はわずかに+0.4ドル、0.02%の小幅高で6日続伸。6日続伸は2020年8月以来、9ヵ月半ぶり。1月7日(1913.6)以来、4ヵ月半ぶり高値圏で下げ渋り。前日のFOMC議事要旨発表後に急騰した米10年債利回りが1.6%台後半では伸び悩んで1.6%台前半へと反落し、ドル高も巻き戻されてドル安へ。この流れを受けてNY金は下げ渋り、時間外序盤の1860ドル台半ばから保ち合いながら1870ドル台へと水準を切り上げ、NY午後には一時1880ドル台半ばまで上昇。RSIは82.6まで上昇し、終値ベースで今年高値となった1月5日(86.4)以来、4ヵ月半ぶりの過熱状態。上値トライに向けては一定の調整も必要に、引き続き200日移動平均線(1851.8)から1840ドル近辺までがサポート候補。
NYプラチナは+3.4ドル、0.28%高となって3日ぶりの反発。時間外序盤に1190ドルをわずかに割れたのがこの日の安値となり、前日安値を下回らず、金の下げ渋りにも追随した格好にも。やや抵抗感も醸成されつつあった1200ドルの大台ラインを欧州時間に超えると一時1210ドル台前半まで上昇。しかしNY市場にかけては上値も重くなり、NY引けにかけては再び1200ドル近辺へ。4月安値1150ドル台までを目安に下値トライへの流れは失速状態も巻き戻しきれてはいない状態か。再度1200ドルを割れて90日移動平均線(1191.1)も下回ると一段安の展開へ。
ドル円は40銭程のドル安円高、0.38%の反落。前日のFOMC議事要旨発表後に109円30銭近辺まで上昇したのがピークとなり、米長期金利の反落にも連れてドル安の流れに。東京午後に109円10銭台、欧州時間には109円をはさんでの攻防、NY市場では5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想を大幅に下回ったこともあって徐々に軟調推移、NY午後には108円70銭台まで下落。108円90銭の下値サポートを割り込んだことでもう一段下値を試す可能性、短期下値目安は5月安値108円30銭近辺まで。切り返して上方向に109円20銭の節目を超えることができれば110円を目標に反発局面形成へも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/20終値とチャート
21日の国内金価格は+3円、0.04%の小幅続伸。予想外の下げ渋り。米長期金利の上げ渋りとドル安傾向、ドル円の円高圧力は限定的となっていることなどから高止まり状態。引き続き過熱感MAXで急反落警戒感を抱えながらの方向感模索状態。7120円の節目割れなら最高値から3月安値の半値戻し(7045)近辺、7050円近辺までが下値目安。7150円超へと高値更新なら短期上値目標は最高値から3月安値の61.8%戻し(7194)近辺。
週間ベースでは+143円、2.04%高で8週続伸。8週続伸は2019年7月以来、1年10ヵ月ぶり。
プラチナ価格は+7円、0.15%高で3日ぶりの小反発。4630円のサポート割れに伴う下値目安4540円程度までを目指した流れは一服、しかし流れが巻き戻されるまでには至らず、もう一段の下げ余地を残す状態。下げ渋るNYプラチナが一段安へと加速した場合には下値目安を突き抜ける可能性もあり、次の下値目安は4450円近辺まで。
週間ベースでは-68円、1.47%の続落。
※参考:
金プラチナ国内価格5/21とチャート
2021年05月21日(金)時点の相場
国内金:7,144 円 5/21(金)
▲3(
0.04%)
国内プラチナ:4,565 円 5/21(金)
▲7(
0.15%)
NY金:1,881.9 ドル 5/20(木)
▲0.4(
0.02%)
NYプラチナ:1,205.0 ドル 5/20(木)
▲3.4(
0.28%)
ドル円:108.78 円 5/20(木)
▼0.41(
0.38%)
5/20(木)のその他主要マーケット指標
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