失業保険申請回復ペースは2023年2回の利上げを正当化?
更新日:2021年06月18日(金)
6月雇用統計の調査対象週の新規失業保険申請件数は7週ぶりに前週よりも増加して41.2万件。トレンドを示す4週移動平均は39.53万件となってコロナ後初の40万件割れとなり、10週連続の減少。減少傾向は続いています。
4週移動平均の前週比を10週平均で見ると-3.28万件。16週連続でマイナス幅を拡大していますが、今後減少ペースが多少鈍化することも考慮し、週2万件ペースで減少し続けた場合、
コロナ前の21万程度まで減少するには、40万-21万=19万件、19万/2万=10週=3ヵ月・・・今年9月にも新規失業保険申請件数はコロナ前の水準に到達する可能性もありそうです。
1万件平均なら、19週=5ヵ月・・・それでも今年11月にも到達する計算となります。
これに対して、失業保険継続受給者数は足下で減少ペースが鈍化しています。
継続受給者数の4週移動平均での前週比を10週平均で見ると-2.57万人。9週連続でマイナス幅を縮小していますが、今後減少ペースが週2万人ペースで落ち着き、このペースで減少し続けた場合、
コロナ前の170万人程度まで減少するには、4週移動平均の360万人-170万人=190万人・・・あと190万人減少する必要。
190万人/2万人=95週=23ヵ月=1年11ヵ月・・・2023年5月には、失業保険継続受給者数もコロナ前の水準に戻る可能性がありそうです。
そうなった場合には、2023年後半にかけて金融政策正常化に向けた流れが加速し、2023年後半に2回の利上げもまんざらでもない、という計算が成り立ちそうです。
17日のNY金相場は-86.6ドル、4.65%の大幅反落で4月30日(1767.7)以来、1ヵ月半ぶりの安値。下げ幅としてはバイデン政権追加経済対策期待でリスクオンとなった1月8日(-78.2ドル、4.09%)を超えて今年最大、ファイザー・ワクチン報道による世界同時株高となった昨年11月9日(-97.3ドル、4.99%)以来、7ヵ月ぶりの急落。急騰局面が続けば必ず節目では急落を余儀なくされるNY金相場、今回はある程度想定済だったはずの米金融政策正常化への道筋に対する思惑の相違が大きかったことが要因。想定以上にタカ派的との解釈でFOMC後に急落し、1800ドル手前でリバウンドした状態で時間外をスタートすると、戻り高値は1826ドルまでと限定的。米10年債利回りの急騰は一服したもののドル高の流れが続いたことも重石となり、ロンドン時間から戻り売りの勢いが強まると1800ドルの大台割れで一段安、NY朝には1780ドル、NY市場でつけた安値は1767.9ドル。ラウンドトップからの下落局面急加速となり、レンジ切り替わりの下根目安と想定した3月安値から6月高値の半値戻し(1796.3)ではサポートされず、61.8%戻し(1767.2)に到達。ここではいったんはサポートされそうな状況ながら、次の下値警戒水準としては76.4%戻し(1731.3)。
NYプラチナは-86.7ドル、7.59%安で3日続落。終値ベースで今年安値となった1月11日(1044.6)以来、5ヵ月ぶりの安値。下落率では今年最大、コロナショック時の昨年3月18日(-60.3ドル、9.06%)以来1年3ヵ月ぶり、下げ幅としてはリーマンショック直後の2008年10月23日(-98.5ドル、10.88%)以来、12年8カ月ぶりの急落。前日安値1116ドルからのリバウンドは1131ドルまでにとどまり、金に追随する展開で戻り売り、ロンドン序盤に前日安値を下回るとNY朝には1100ドルの大台割れ、NY午後につけた安値は1043.9ドル。その後のリバウンドでは1060ドルを回復し、時間外には1070ドルをうかがう展開に。安値では昨年3月安値(562.0)から今年2月高値(1348.2)までの38.2%戻し(1047.9)を達成し、いったん下げ止まるのには都合の良い水準。
ドル円は48銭程のドル安円高、0.43%の反落。FOMC後のドル全面高で109円70銭の節目超えに伴う短期上値目標110円70銭近辺に到達後、東京朝に110円80銭台まで上昇したのがこの日の高値となり、目標到達後の一服状態に。ドル高の流れはゆるかに続いたものの、株安に連れての円高の勢いが勝って軟調気味の推移となり、NY時間には米10年債利回りが一時1.5%割れへと急反落した流れにも連れて110円10銭台まで下落。110円80銭が目先の抵抗水準となり、下値は110円ちょうどでサポートされるかどうか。されない場合には109円半ばが次のサポートに。上方向へと抜け出した場合には上値再トライとなって昨年3月高値111円70銭近辺までが短期上値目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/17終値とチャート
18日の国内金価格は-158円、2.24%安となって5日続落。5日続落は1月以来、5ヵ月ぶり。下げ幅としては1月12日(-229円、3.28%)以来、5ヵ月ぶり。水準としては5月6日(6822)以来1ヵ月半ぶりの安値。NY金の戻り売りで下げ幅拡大、サポート候補とみた3月安値から6月高値の38.2%戻し(6983)を突き抜け、半値戻し(6874)も意識される水準に。売り一巡で週末を迎え、追加材料にも乏しい状況から一服状態に。
週間ベースでは-376円、5.17%の大幅反落。昨年3月9日からの週(-406円、6.5%)以来、1年3ヵ月ぶりの急落。
プラチナ価格は-200円、4.58%の大幅安で3日続落。2月8日(4142)以来、4ヵ月ぶりの安値。下げ幅では1月12日(-207円、5.14%)以来、5ヵ月ぶり。5月以降の下落トレンドの下降チャネル下限ラインを突き抜ける形での急落となり、ゆるやかな上昇軌道が続いた90日移動平均線(4534)も上げ止まりへ。昨年11月安値(3096)から今年2月高値(4798)までの38.2%戻し(4148)を目先のサポート候補に短期的にはいったん下げ止まりへ。
週間では-251円、5.69%の大幅安で6週続落。下げ幅は3月1日からの週(-296円、6.57%)以来、3ヵ月半ぶりの急落。6週続落は2018年4月以来、3年2ヵ月ぶり。
※参考:
金プラチナ国内価格6/18とチャート
2021年06月18日(金)時点の相場
国内金:6,892 円 6/18(金)
▼158(
2.24%)
国内プラチナ:4,163 円 6/18(金)
▼200(
4.58%)
NY金:1,774.8 ドル 6/17(木)
▼86.6(
4.65%)
NYプラチナ:1,055.2 ドル 6/17(木)
▼86.7(
7.59%)
ドル円:110.23 円 6/17(木)
▼0.48(
0.43%)
6/17(木)のその他主要マーケット指標
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