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早期テーパリング観測後退、6月雇用統計が示す労働市場の歪
更新日:2021年07月03日(土)
米・人口に対する雇用率 2021年6月米6月雇用統計では、非農業部門雇用者数(NFP)の伸びが市場予想を10万人以上、大幅に上回って10ヵ月ぶり高水準となったことから、第一印象はポジティブ・サプライズ?との反応となりました。しかし、失業率は5.9%で市場予想を上回って5月からも上昇。
市場は単純に「好結果」と納得できるものではない、との思惑から流れは反転。一時的に急騰した米10年債利回りは低下基調へと反転、4ヵ月ぶり低水準となる1.4%台前半へ。ドル高の反応も巻き戻されて一時急落した金も反発。
くすぶりつつあった早期テーパリング観測も後退し、米株主要3指数は揃って過去最高値を更新。ダウは2ヵ月ぶり、S&P500は7営業日連続の最高値更新。

6月雇用統計では、米労働市場の歪があちこちに散見される結果となりました。
失業率は5月の5.8%から6月は5.9%へと悪化しましたが、「雇用されているにもかかわらず休職中」の人が含まれておらず、実態はもう少し悪化しているものと思われます。
その割には、望まないパートタイマーなどを含む広義の失業率、U6失業率は5月の10.2%から6月は9.8%。昨年3月(8.8)以来の低水準へと改善しています。
ただし、黒人の失業率は9.2%となってコロナ後最低となった5月の9.1%から上昇。
長期失業者の割合は42.1%。5月の40.9%から上昇。コロナ後最大となった3月の43.4%からの減少傾向は2ヵ月続き、3ヵ月めには再び悪化。

労働参加率はコロナ後最高となった4月の61.7%の後、5-6月は61.6%で停滞中。ただし、高卒者の労働参加率は5月の55.5%から6月は55.9%へと上昇、昨年3月(57.0)以来、コロナ後最高水準へと改善。

労働参加率や失業率などを総合的に判断する目安にもなりうる、人口に対する雇用率は6月に58.0%となって5月からは横ばい推移。
急低下後の急回復も足下では停滞傾向にあり、回復率で見れば68.4%で伸び悩み。
人口に対する雇用率は前月まででも0.1%/月ペースの回復基調。このペースが続いた場合、コロナ前の2020年2月(61.1%)まで、100%回復までの所要期間は31ヵ月。
その時期は2024年1月。
労働市場の歪が解消されるまでには、相応の長い期間が必要となることを、この指標は示しているようです。

NY金・日足チャート 2021/5/28 - 7/22日のNY金相場は+6.5ドル、0.37%高で3日続伸。ロンドン市場から値動きスタート、米10年債利回りの低下基調が示す雇用統計への思惑から堅調気味の推移となって1770ドル台から1780ドル台へ。NY朝の雇用統計に対するファースト・リアクションは金利上昇とドル高・金売り、10ドル程の小幅急落も1770ドル台半ばで切り返し。NFPの伸び以外の指標が低調となったこともあり、巻戻しの展開となって一時1790ドル台半ばまで、20ドル程の急騰。しかし90日移動平均線(1789.1)も横たわる保ち合い上限1790ドル超えを維持するほどの買い支えもなく、失速すると一時1780ドル割れへと反落、NY午後には1780ドル台を回復し、引け後には1790ドル台再トライもやはり上値は重い状態。結果的に1790ドルでの上値の重さを確認しながらも、目先の売り圧力は若干緩和された状況にも。引き続き1760ドルの下限までのレンジで保ち合いを維持しながら多少の戻り形成をうかがう展開にも。上限突破できれば1820ドルまでが短期上値目標。
週間ベースではわずかに+5.5ドル、0.31%の小幅続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2021/5/28 - 7/2NYプラチナは+6.8ドル、0.63%高で3日続伸。時間外序盤に1080ドル台前半から小幅に水準を切り上げ、1090ドルを挟んでの小幅揉み合い推移の展開へ。NY朝には雇用統計後の若干の乱高下の余波を受け、安値では1080ドル近辺、高値では1096ドルまでのレンジで上下動。NY引けにかけては1090ドル近辺へと収束。1070ドルから1110ドルまでのレンジ内で下値サポートを1080ドルへと切り上げようかという動きとなる一方、上値は1100ドル付近が重い状態にも。それでも上昇軌道を維持する200日移動平均線(1084.9)を上抜け、短期的な流れも上向きつつある状態。200日線超を維持できれば徐々に上値トライのチャンスも、1100-1110ドルの抵抗帯を突破できれば上値目標は1130ドルへ。
週間ベースでは-15.9ドル、1.44%の反落。

ドル円・日足チャート 2021/5/31 - 7/2ドル円は50銭のドル安円高、0.45%安となって3日ぶりの反落。東京時間は111円半ばで高止まり、一時的には前日高値をわずかに上回る場面もあったものの上下ともに限定的。欧州時間には米10年債利回り低下と円高優勢の展開で111円40銭付近まで小幅安、NY朝の雇用統計直後には111円60銭付近まで、20銭程の急騰も一時的。程なく巻戻しの展開となって元の水準も割り込むとNY午後には一時111円を割れる場面も。NY終盤にはなんとか111円台に戻し、レジスタンスからサポートに切り替わった可能性も示唆した111円ラインを維持して終了。ただし、昨年高値112円20銭台辺りを目標とした上値トライはいったん失敗。111円を維持して111円60銭の上限を上抜けできればあらためて112円台再トライへの可能性も残るものの、流れは失速気味。111円を割れると110円半ばが目先のサポート、これを割り込むようだと調整局面入り、109円割れを試すような展開にも。
週間ベースでは+25銭、0.23%の小幅高で4週続伸。4週続伸は3月以来、3ヵ月半ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/2終値とチャート

2021年07月03日(土)時点の相場
国内金:6,954 円 7/2(金) ▲60(0.87%)
国内プラチナ:4,256 円 7/2(金) ▲102(2.46%)
NY金:1,783.3 ドル 7/2(金) ▲6.5(0.37%)
NYプラチナ:1,087.7 ドル 7/2(金) ▲6.8(0.63%)
ドル円:111.03 円 7/2(金) ▼0.50(0.45%)
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