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★金プラチナ短期相場観★

インフレ一時的説が追い風、金価格は三役好転をかけた攻防
更新日:2021年07月19日(月)
デルタ変異株が猛威を振るう新型コロナの感染者数が再び増加しています。コロナ規制を19日にほぼ全面解除する英国では、1日当たりの新規感染者数が先週末までに5万4千人台まで増加。ワクチン2回接種済の保険相が陽性となって自宅隔離。濃厚接触者に該当するジョンソン首相も自主隔離。スペインでも3-4万人前後へと急増、オランダでは過去最多水準に迫る1万1千人台まで急増するなど、その他欧州各国でも増加の兆し。米国でも7万9千人台まで増加し、3ヵ月ぶりの高水準。ただし、これらの国々で共通しているのはワクチン接種2回完了の割合が50%前後に達し、日々の死者数が過去最少に近い水準での推移を維持していること。
その一方でアジアでは、ワクチン接種完了率6%のインドネシアが感染者数過去最多を大幅に更新する5万6千人台まで急増、死者数も過去最多を大幅更新する千人/日超へと急増。ワクチン5%のタイでも感染者が過去最多1万人台へと急増し、死者数140人台も過去最多更新で急増中。

そんななか、ワクチン接種率が20%まで上昇してきた日本では1日当たりの新規感染者数は4千人程度まで急増中も現時点では過去ピークの半分。死者数も20人前後での推移で過去ピーク200人超の10分の1。
数字上は世界と比較して決して「酷い状態」ではないものの、緊急事態宣言下での安心・安全の五輪開幕へと向かう日本の内閣支持率が過去最低を更新し続ける理由は、数字以外の何かが決定的に欠けているから。政府への不信感が強すぎることが「安心・安全」感の欠如につながっているのでは?と考える人も多いのではないでしょうか。

そんな7月後半、梅雨も明けて酷暑本番の夏、週明け東京市場朝はややリスク回避優勢ムードでスタート。米株先物が先週末の下げからさらに一段安の展開となり、日経平均も400円近く下げ、ドル円も先週末の110円台から一時109円80銭台まで円高の流れ。時間外のNY金は先週末の1810ドル台前半から後半へと上値を試す兆しも失速、1810円台半ばで様子見状態の様相にも。NYプラチナも先週末の1100ドル割れから1100ドル台後半へと小幅上昇も限定的となって1100ドル維持をかけた攻防へ。

国内金価格・週足一目均衡表 2021年7月19日19日の国内金価格は-43円、0.61%安となって6営業日ぶりの反落。5日続伸合計87円の半値戻しとなって7月12日(7001)以来、1週間ぶりの安値。7010円の節目上抜けに伴う短期上値目標7050円台に対しては16日の7048円まで、惜しくもわずかに届かず失速して折返し。ようやく下げ止まった21日移動平均線(6954)の上で推移する9日移動平均線(7006)をわずかながら下抜け。遅過ぎた21日線の下げ止まりによって強気のパーフェクトオーダー形成には失敗。ただし、水準的には7000円の大台前後は過去に抵抗、サポートなど節目として意識された居心地の良い水準。6960円から7050円までの保ち合いレンジ半ば付近で上下両睨みの展開へ。レンジ上抜けなら7100円近辺が上値目標に、下抜けなら6900円前後までが下値目標水準。

短中期的にはパウエルFRB議長が主張する「インフレ一時的説」が市場にある程度浸透し、米株をサポートするとともに金にも若干の追い風となる状況ながら、全幅の信頼とまでは行かず、一抹の不安から一方的な流れにもなりにくい状態。この状況を表す形で週足一目均衡表では二役好転状態、三役好転も視野に上値トライも可能な情勢にも。足下では基準線(6874)、にサポートされ、上昇軌道の52週移動平均線(6923)や雲の上限(6929)も上抜け。転換線(7082)も上抜けることあができれば三役好転へ。

国内プラチナ価格・週足一目均衡表 2021年7月19日プラチナ価格は-118円、2.69%の大幅安となって3日ぶりの反落。4330円台の節目上抜けに伴う短期上値目標4380円近辺に到達後の一服もままならず、急反落の展開となって7月12日(4256)以来1週間ぶりの安値水準に。直近安値4290円台の節目も大きく下抜けて今度は下値トライの様相へと落ち着かない展開。中期的には3月安値から下値を切り上げる上昇トレンドを維持し、短期的にも6月末以降下値を切り上げる展開が持続しながらも、目先は4230円程度までを下値目安にもう一段安の展開にも。

週足一目均衡表では二役好転状態ながら、最後の一役、転換線(4308)との攻防が続くもこれを上抜け切れず、直近では転換線自体が基準線(4336)を下回ったことから抵抗感も増す状態に。さらには価格水準を上回っての推移が続いた遅行線も、これから相対するのは今年高値圏へと急騰した局面。その先の推移を見ても良くて保ち合い、横ばい推移なら間もなく価格水準割れとなって二役逆転にも。週足・三役好転に向けては、ややハードルが高まる局面を迎えることに。
※参考:金プラチナ国内価格7/19とチャート

2021年07月19日(月)時点の相場
国内金:7,005 円 7/19(月) ▼43(0.61%)
国内プラチナ:4,267 円 7/19(月) ▼118(2.69%)
NY金:1,815.0 ドル 7/16(金) ▼14.0(0.77%)
NYプラチナ:1,108.5 ドル 7/16(金) ▼29.2(2.57%)
ドル円:110.07 円 7/16(金) ▲0.24(0.22%)
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