コアPCEは3%台で高止まり、トリム平均PCEでは依然2%未達
更新日:2021年07月31日(土)
FRBが金融政策決定の指針とするインフレ指標、米商務省発表の6月個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は前年比+3.99%。市場予想どおりで5月の+3.96%からは小幅に上昇し、7ヵ月続伸となって2008年7月(4.14)以来、12年11ヵ月ぶりの高水準。足下ではほぼ4%での高止まり。食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+3.54%。市場予想の3.7%程度はやや下回ったものの、5月の3.44%からは上昇し、4ヵ月続伸となって3ヵ月連続3%台で高止まり、1991年5月(3.65)以来、30年1ヵ月ぶりの高水準。
サービス価格が5月の前年比+3.2%から6月は+3.3%へと上昇し、5ヵ月続伸となって加速基調が続いたのに対し、商品価格は5月の前年比+5.4%から6月は+5.2%へと鈍化。7ヵ月ぶりの低下となっています。エネルギー価格も5月の+27.3%から6月は+24.2%へとようやくピークアウトの可能性も示唆する状況にも。
ダラス連銀発表のトリム平均PCE(PCE構成品目の上位と下位の一部を除いて算出)では、前年比+1.95%。5月の+1.92%からわずかに上昇し、5ヵ月続伸で2020年9月(1.99)以来、9ヵ月ぶりの高水準。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCE(PCE構成品目の価格分布50%台の品目のみで算出)では、前年比+2.37%。5月の2.23%から0.14%上昇し、5ヵ月続伸で2019年10月(2.37)以来、1年8ヵ月ぶりの高水準。
コアPCEは足下で3%台での高止まりとなっていますが、メディアンPCEでは2%台前半の目標水準範囲内での推移が続き、トリム平均PCEでは依然として目標2%未達の状態が続きます。
30日のNY金相場は-18.6ドル、1.01%の反落。緩和路線当面継続を確認したFOMC直後の急騰局面は前日高値1837.5ドルがピークとなって失速。ドル安の巻戻しにも押される形で週末のポジション調整も進行し、もう一段の上値トライへの可能性は出だしで躓いた格好に。時間外こそ節目超えとなる1830ドル台を維持してロンドン時間には一時1835ドルの高値まで小幅上昇も、NY市場では1830ドルの節目を割れて急反落。PCEインフレが高止まり、7月のシカゴPMIやミシガン大消費者信頼感指数の好結果なども重石となり、前日急騰分のほぼ半値戻しとなって1790ドル台から1830ドル台までの保ち合いレンジ半ばに収束。1ヵ月半ぶりに上抜けた200日移動平均線(1823.8)もわずか1日で下抜け。短期的な流れはわずかに上方向優勢ながらも保ち合い上抜けか、下抜けか明確なトレンド形成へのきっかけは1週間後の雇用統計に委ねる格好にも。上抜けなら1860ドル台が上値目標に、下抜けなら1760ドル近辺までが下値目安に。
週間ベースでは+15.4ドル、0.85%の反発。月間では+45.6ドル、2.57%の反発。
NYプラチナは-19.2ドル、1.8%安で3日ぶりの反落で6月18日(1041.0)以来、1ヵ月半ぶりの安値。前日の上ヒゲ陽線の続きで軟調推移、1060ドル割れの攻防からスタートした時間外は10ドル程水準を切り下げて1050ドルをはさんでの攻防へ、ロンドン時間にこれを下抜けるとNY朝には一時1030ドル付近まで急落。6月安値1021.7ドルからの二番底をつける形にもなっての自律反発も上値は1050ドル近辺が上限となって保ち合い、1040ドル台半ばへと収束。前日の上ヒゲ陽線からの反落もこの日は下ヒゲ陰線で巻戻しへの兆しも、保ち合い下限1040ドル台半ばでの攻防状態となり、現状水準を維持できなくなれば下値トライ再開へ、6月安値を下回る可能性も警戒される1020ドル前後までが下値目安に。反発方向へは1070ドルの節目を超えることができれば200日移動平均線(1104.0)がゆるやかに上昇する1100ドル台が上値目標に。
金との価格差は768.8ドルとなり、1月29日(771.1)以来半年ぶりの水準まで拡大。
週間ベースでは-13ドル、1.22%の続落。月間では-24.5ドル、2.28%安となって3ヵ月続落。3ヵ月続落は昨年3月以来1年4ヵ月ぶり。
ドル円は24銭のドル高円安、0.22%の反発。東京朝には一時109円30銭台を試す場面もあったものの、節目の40銭割れでは底堅く、月末の買い需要も加勢した可能性もあり、徐々に反発基調へ。東京時間には109円50銭から60銭台までにとどまるも、欧州時間からドル買い戻しの流れ優勢に、NY朝にはPCEインフレの結果を受けて109円70銭台へと小幅に急騰。その後も米指標の好結果もあり、揉み合いながらも一時109円80銭台まで上値を伸ばす場面も。結果的に109円40銭から110円60銭までの保ち合いレンジを維持してFOMCと月末を通過。底堅さを確認した下限ラインを雇用統計などをきっかきに割り込むことになれば下値目安は108円前後まで、上限超えなら上値トライ再開へ、今年高値を更新し、昨年高値112円台前半も視野に。
週間ベースでは-83銭、0.75%の反落。月間では-1円39銭、1.25%安で3ヵ月ぶりの反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/30終値とチャート
2021年07月31日(土)時点の相場
国内金:7,023 円 7/30(金)
▲46(
0.66%)
国内プラチナ:4,059 円 7/30(金)
▼59(
1.43%)
NY金:1,817.2 ドル 7/30(金)
▼18.6(
1.01%)
NYプラチナ:1,048.4 ドル 7/30(金)
▼19.2(
1.80%)
ドル円:109.72 円 7/30(金)
▲0.24(
0.22%)
7/30(金)のその他主要マーケット指標
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