テーパリングは雇用情勢次第で最速11月FOMCで決定?
更新日:2021年08月02日(月)
まだら模様の米経済指標と同様に、FOMCメンバーの思惑もまだら模様のまま夏本番。この週末にもタカ・ハト両陣営の見解が示されて市場見通しを惑わせながらの8月スタート。
タカハト変幻自在、現状では最タカ派と言えるセントルイス連銀ブラード総裁は「今秋にテーパリングを開始すべき、かなり速いペースが望ましい」と9月21-22日FOMCでのテーパリング決定催促へとプレッシャー。この方、今年のFOMCでの投票権はないものの、来年に投票権が回ってくる順番。年明けからのタカ派推進役としての役回りが警戒されるところ。
その一方で超ハト派とも言われるミネアポリス連銀カシュカリ総裁は今年も来年も投票権こそないものの「デルタ株で米労働市場回復に遅れ」が発生することへの警戒感を指摘。
来年2月のパウエルFRB議長の任期切れに伴い、次期FRB議長との呼び声も高いブレイナードFRB理事は「テーパリング開始には一段の雇用改善が必要」との見方。今後の雇用情勢を注視する必要があり、9月分データを待って評価を、との発言も。注目度が一段と高まる9月雇用統計の発表は10月8日。その直後のFOMCは11月2-3日。
8月26-28日のジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演で何らかのヒントが示唆される可能性?との見方もあるものの、明確にテーパリング開始が示唆される可能性としては、最速でも11月FOMCということにもなりそうです。
2日の国内金価格は-29円、0.41%安で3日ぶりの反落。週明け時間外のNY金は1810ドル台後半、先週末から横ばい推移で小幅揉み合いスタート、為替ドル円も先週末水準109円70銭付近を中心に揉み合い、高値では109円80銭に届かず下値は109円60銭でサポートされる状態。90日移動平均線(6936)はゆるやかに上昇を続けながらも、短期的的は9日移動平均線(6985)が21日移動平均線(6986)をわずかに下回って方向感喪失状態での8月相場の滑り出し。週末の雇用統計を境にトレンド形成へ、あるいはそれまでに形成し始めたトレンド逆転などの動きも想定される週は6940円から7020円台までの保ち合いレンジ形成から。昨年まで10勝2敗で勝率83.3%、年間単独1位の圧倒的勝率を誇る8月序盤は7020円台の上限突破となれば7130円近辺までを短期上値目標に上昇トレンド形成へ。逆に下方向へ6940円のサポートを割れるようなら6850円程度までの下押し局面形成へ。
日足一目均衡表では8月6日から10日にかけて雲のねじれが発生する正念場。基準線(6939)の上で推移する転換線(6984)をわずかに上回り、遅行線も相対する価格水準を上回っての推移が続く二役好転状態。雲の下限(6987)もわずかに上回り、7082円から1週間後にはねじれて6987円まで急低下する雲の上限との攻防の結果次第では三役好転へ。今後の雇用情勢を占う7月雇用統計がまずは8月序盤の攻防ポイントに。
プラチナ価格は+11円、0.27%の反発。1040ドル台半ばで7月を終えて週末を向えていたNYプラチナは週明け時間外には1050ドル台後半へと反発の兆しからスタート。5月半ばから上値を切り下げる展開が続き、7月半ばから急落した状態からの反発もままならない状況で迎える8月相場はプラチナ価格にとっては微妙な相性。昨年まで7勝5敗で勝率58.3%は年間7位タイ。近年はほぼ五分五分とも言える状況で昨年まで2連勝。大局的な確率論でも短期トレンド情勢からもやや厳しい状況での8月と週明けスタート。4020円前後までを短期下値目安とした下値トライへの流れはいったん巻戻した状態ながら、目先は4050円台の下値サポートを割れるようだと下値再トライへ、3980円程度までが短期下値目安に。上方向へは4120円の節目を突破できれば形成逆転へ、短期的には4180円近辺までを上値目標に反発局面形成へ。
日足一目均衡表では基準線(4222)の下で推移する転換線(4163)を下回り、雲の下限(4294)も大きく下抜けたまま。遅行線も相対する価格水準を揉み合いから大きく下抜ける形となって三役逆転。軟調な流れが続くようなら6月安値(4034)も意識され、その先には4000円の大台、昨年11月安値から今年高値の半値戻し(3947)もチラつく展開にも。地合い回復に向けては、まずは38.2%戻し(4148)ライン回復の可否がポイントに。
※参考:
金プラチナ国内価格8/2とチャート
2021年08月02日(月)時点の相場
国内金:6,994 円 8/2(月)
▼29(
0.41%)
国内プラチナ:4,070 円 8/2(月)
▲11(
0.27%)
NY金:1,817.2 ドル 7/30(金)
▼18.6(
1.01%)
NYプラチナ:1,048.4 ドル 7/30(金)
▼19.2(
1.80%)
ドル円:109.72 円 7/30(金)
▲0.24(
0.22%)
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