消費者物価CPIは13年、コアCPIは29年半ぶり高水準で高止まり
更新日:2021年10月14日(木)
米労働省が発表した9月の消費者物価指数は前年比+5.39%。市場予想の+5.3%程度を上回り、8月の+5.25%からも上昇、6月(5.39)と並び、4ヵ月連続5%台を維持して2008年7月(+5.60%)以来13年ぶりの高水準。
コアCPIは前年比+4.03%。ほぼ市場予想(4.0%程度)どおりとなり、8月(+4.00)からもほぼ横ばい推移。ただし4ヵ月連続の4%台となり、6-7月の+4.27%に続き、1992年以降では3番めの高水準。コアCPIが前年比+4%を超えるのは1991年末以来、29年半ぶり。
CPIもコアCPIも、前年比での伸び率は歴史的高水準での高止まり状態が続きます。
項目別では、ガソリン、中古車価格などが高止まり。ガソリン価格は前年比+42.1%で5月の+56.2%からは低下してはいるものの、6月以降も4ヵ月連続40%超。中古車価格は前年比+24.4%。6月の45.2%からは3ヵ月連続の低下ながら、4月以降は前年比+20%超の高止まりが半年間継続中。
なお、セクタ別では食品価格が8月の前年比+3.7%から9月は+4.6%へと急騰し、CPIを押し上げたようです。
賃金上昇率とCPIとの差は8月の-1.21%から9月は-0.81%へと縮小。それでも賃金上昇率を消費者物価インフレ(CPI)が上回る状態は4月以降6ヵ月連続。
インフレの高止まりが想定以上に長期化し、賃金上昇率がこれを下回る状態がさらに続くようなら、一部で懸念され始めているスタグフレーションへの警戒感が熱を帯びてくることにもなりそうです。
この日、CPI発表後に米長期金利が急騰後、急反落へと切り返した要因の一つともなった可能性もありそうです。
13日のNY金相場は+35.4ドル、2.01%の大幅続伸となって9月15日(1794.8)以来、1ヵ月ぶりの高値。2%超の上昇は7月29日(+36.1ドル、2.01%)以来、2ヵ月半ぶりで今年3番めの急騰。ドル安基調に連れたロンドン市場で1760ドル台から1770ドル台へと10ドル余り水準を切り上げ、NY朝の米9月消費者物価に乱高下。CPIが前月比でも前年比でも市場予想を上回ったことを受けて1760ドル割れへと20ドル弱の急反落で反応。しかし急騰で反応した米10年債利回りが急低下へと切り返し、ドル高も巻き戻された流れにサポートされて急反発、NY午後には1790ドル台後半まで、40ドル弱の上昇。1770ドルの節目突破に伴う短期上値目標1800ドルの大台にはわずかに届かず。それでもNY引けにかけても1790ドル台を維持し、大台再トライのチャンスをうかがう態勢にも。90日移動平均線(1793.4)超えは9月3日以来、1ヵ月半ぶり。これを維持して200日移動平均線(1799.6)も上抜けることが短期目標到達への必須条件。
NYプラチナは+12.5ドル、1.24%の続伸。前日安値も下回らず、1000ドルの大台を維持してロンドン時間には金に追随、1010ドル台へと10ドル程水準を切り上げてNY市場へ、CPI発表後の乱高下に巻き込まれると1003ドルの安値をつけて切り返し、高値では1030ドル台まで急騰。しかし1030ドル台を維持できず、NY引けにかけては1020ドル維持をかけた攻防へ。下値は1000ドル台が徐々に底堅くなって目先のサポートに、上値は1030ドルが抵抗水準。上限突破できれば1050ドル近辺を目標に一段高の展開へ、サポート割れならまたしても大台維持は短命に終わり、980ドル程度までが下値目安に。
ドル円は35銭のドル安円高、0.31%安となって5日ぶりの反落。東京午前に113円30銭台までの調整後、欧州時間にかけては113円60銭近辺まで切り返して小幅保ち合い推移。NY朝のCPI上振れを受けて113円80銭までの急騰で反応。前日高値をわずかに上回り、2018年11月28日高値(114.03)以来、2年11ヵ月ぶりの水準まで上昇して反落。1.56%付近から1.58%台へと急騰した米10年債利回りが1.54%割れへと急反落した流れに追随し、113円20銭台まで急落。NY午後には113円50銭近辺までのレンジで揉み合い、今朝の東京市場では113円20銭近辺まで下押し後には株高の流れにも連れて再び113円50銭台へと反発の兆し。目先、上方向への節目となる113円60銭超へと水準を切り上げるようなら高値再更新へと向かう可能性も高まり、114円の節目、2018年11月高値114円20銭、さらには2018年10月高値114円50銭台辺りまでが意識される可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/13終値とチャート
14日の国内金価格は+107円、1.53%の大幅高となって4日続伸。6月16日(7150)以来、4ヵ月ぶりの高値。上昇率では4月1日(+105円、1.61%)以来半年ぶりで今年3番め、上昇幅では1月5日(+184円、2.69%)以来9ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。長期金利低下とドル安でのNY金上昇にサポートされると、円安にサポートされた前日までの2日間の上げ幅合計(87円)を上回る急騰に。中期的な目安水準とも思われた9月高値、7月高値もまとめて突き抜けた格好となり、過熱感も急騰。6月高値(7335)から8月安値(6710)までの61.8%戻し(7096)も達成し、調整必至の状況にも。9月安値からここまでの急騰局面の23.6%戻し(7029)程度までの調整も想定されるものの、NY金に若干の上値余地、ドル高円安基調の底堅さを考慮すると6月高値起点の76.4%戻し(7188)辺りまでのさらなる行き過ぎもチラつきそう・・・
プラチナ価格は+49円、1.24%の続伸。小幅保ち合いレンジ上限3980円を上抜けて4000円の大台を回復し、8月3日(4048)以来、2ヵ月ぶりの高値。短期上値目標4020円程度まではあとあわずかに迫り、2月高値(4798)から9月安値(3536)の38.2%戻し(4018)付近にも到達。NYプラチナが保ち合いを上抜けて一段高へと向かうようなら、第2目標水準として50%戻し(4167)近辺が意識される可能性も。ただし3940円の下値サポート割れへと反落の場合には3900円の大台割れへと一段安の展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格10/14とチャート
2021年10月14日(木)時点の相場
国内金:7,111 円 10/14(木)
▲107(
1.53%)
国内プラチナ:4,008 円 10/14(木)
▲49(
1.24%)
NY金:1,794.7 ドル 10/13(水)
▲35.4(
2.01%)
NYプラチナ:1,024.2 ドル 10/13(水)
▲12.5(
1.24%)
ドル円:113.25 円 10/13(水)
▼0.35(
0.31%)
10/13(水)のその他主要マーケット指標
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