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★金プラチナ短期相場観★

米CPIは想定外のインフレ加速、31年ぶり高水準に警戒感も
更新日:2021年11月11日(木)
消費者物価指数 CPI・NY原油 2021年10月前日には生産者物価、PPIが過去最高水準を維持しての高止まりも、さらなるインフレ加速の勢いは軟化、高インフレ鎮静化に向けた兆しのようにも見えたのも束の間。この日発表された消費者物価、CPIではインフレ再加速となって市場の警戒感を煽る格好にもなったようです。
10月のCPIは前年比+6.22%となり、9月から0.83%上昇して1990年11月(6.28%)以来30年11ヵ月ぶりの高水準。
コアCPIは前年比+4.56%。これも9月からは0.53%上昇し、1991年8月(4.62)以来30年2ヵ月ぶりの高水準。
NY原油価格が10月には月間平均で81.14ドルとなり、2014年10月(84.34)以来7年ぶり高水準へと急騰したことにも押し上げられた格好にも。

セクター別ではエネルギー価格が前年比+30%となって前月までの6ヵ月連続+20%台からさらに加速。食品価格も前年比+5.3%となって5ヵ月連続上昇、エネルギー関連を除くサービス価格は前年比+3.2%となって前月の+2.9%から一段と上昇。これらはいずれも近年最高の伸び。
食品とエネルギーを除く商品価格は+8.4%となって9月の+7.3から急騰、6月の+8.7%、7月の+8.5に次いで近年3番めの高水準。

主な項目別では、ガソリン価格が前年比+49.6%と異次元の高止まり、中古車価格も+26.4%で夏場の+40%台からは減速も7ヵ月連続20%以上の高止まり。家賃も+2.7%となって3ヵ月連続上昇で1年ぶりの高水準。

市場予想でも9月からは上昇することが予想されてはいたものの、それを上回る伸びとなったこともあり、インフレ加速への警戒感も想定以上に高まることになり、指標発表直後にはインフレ高止まりに伴う早期利上げ観測再燃よりも、純粋にインフレヘッジとしての金買いが急速に進行したようです。
その後はインフレ高騰の悪影響への警戒感から米株安の流れとなり、NY終盤から今朝の東京時間にかけては米長期金利上昇とともにドル高の流れも強まり始めています。

NY金・日足チャート 2021/10/7 - 11/1010日のNY金相場は+17.5ドル、0.96%の大幅高となって5日続伸。5日続伸は7月以来、4ヵ月ぶりで今年4度め。水準としては6月16日(1861.4)以来、5ヵ月ぶりの高値。前日高値1835ドル付近からゆるやかに調整の展開となり、NY朝にかけて1820ドル台半ばまで軟調推移。米10月CPIが総合指数でもコア指数でも、前月比でも前年比でも市場予想を上回る高水準となり、インフレ加速への警戒感が再燃。瞬間的に1820ドル台前半へと小幅下振れ後にはインフレヘッジとして急速に買われる展開となって1840ドル台へと急反発。1800ドルの節目上抜けに伴う第2目標1850ドル近辺にも到達するとさらに一段高、NY午前のうちに一時1870ドルまで急騰。ドル高の勢いが強まったNY午後には失速、やや行き過ぎた流れは巻き戻され、1850ドル近辺へと収束。短期的には二段階の目標達成による一服感から多少の調整も、早期利上げ観測再燃とのせめぎあいの様相にも。9月末安値からこの日の高値までの23.6%戻し(1835.3)近辺が当面の下値サポート候補に。

NYプラチナ・日足チャート 2021/10/7 - 11/10NYプラチナも+15.6ドル、1.47%高で5日続伸。5日続伸は6月以来、4ヵ月半ぶりで今年3度め。水準としては7月22日(1090.6)以来、4ヵ月ぶりの高値。時間外は1060ドル台後半で上値を押さえられ、下値は1050ドル台半ばで下げ渋っての小幅保ち合いの展開。NY朝にはCPI発表後の金の急騰に追随、1070ドルの節目を上抜けると1090ドル台へと急騰、NY午後には一時1100ドル寸前まで上昇。戻り局面では1080ドル割れへと急落もNY引け後には1070ドル付近で下げ止まり。高値保ち合い上限となっていた1070ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1110ドル近辺には少し届かず、長めの上ヒゲを残す形で急失速も1070ドルが抵抗線からサポートに切り替わった可能性も。目先は1110ドル再トライへの可能性を残しながら、1070ドルを維持できるかどうか。

ドル円・日足チャート 2021/10/7 - 11/10ドル円は1円余りのドル高円安、0.9%の大幅高となって5日ぶりの反発。騰落値幅としては今年の平均29銭の3.5倍、今年3番めの急騰。4日分の下げ幅を取り戻して1週間ぶりの高値水準に。前日安値112円70銭台がこの日も安値となり、東京時間は安値近辺での小康状態、欧州時間には113円20銭台へと反発の兆しとなってNY市場へ。CPI上振れを受けての反応は113円50銭近辺までと30銭弱の小幅急騰にとどまったものの、米10年債利回りの反発基調にもサポートされる形で徐々にドル高円安の流れが強まると113円90銭台まで上昇。今朝の東京市場では114円台回復トライへ。9月安値から10月高値の61.8%戻し(111.25)近辺を目標とした下値トライには失敗。結果的に38.2%戻し(112.56)手前で巻き戻しを余儀なくされた格好に。目先は112円80銭から114円20銭までを主要レンジにあらためて保ち合い回帰の展開へ。ドル高の流れが続いて保ち合い上抜けとなれば116円台を目指す流れにも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/10終値とチャート

11日の国内金価格は+153円、2.11%の大幅高となって5日続伸。上げ幅としては年初の1月5日(+184円、2.69%)以来、10ヵ月ぶりで今年2番めの急騰。5日続伸は10月以来、1ヵ月ぶりで今年6度め。水準としては昨年8月19日(7414)以来、1年3ヵ月ぶりの高値。NY金の第2目標達成に伴い、国内金価格も7170円の節目突破に伴う短期上値目標7270円近辺を突き抜けての一段高。この場合に想定された6月の今年高値7335円付近も突き抜けてさらに上昇。目先は一服感も生じやすいものの、インフレヘッジの金買いと早期利上げ観測によるドル高円安が競合する状態にもなり、一時的には想定以上に押し上げられるような展開も。

プラチナ価格は+83円、1.99%高で4日続伸。7月19日(4267)以来、4ヵ月ぶりの高値水準。今年夏以降の高値保ち合い上限4210円台の節目を大きく超えてきたことで短期トレンドも好転へ。短期的な上値目標として4350円近辺までを目指す流れがスタートした可能性も。ただし、NY金が上値トライ一服となる可能性もあり、その影響下では上値も限定的にとどまる可能性も。まずは4200円ラインがサポートに切り替わり、主要レンジを一段切り上げる形となるかどうか。
※参考:金プラチナ国内価格11/11とチャート

2021年11月11日(木)時点の相場
国内金:7,400 円 11/11(木) ▲153(2.11%)
国内プラチナ:4,248 円 11/11(木) ▲83(1.99%)
NY金:1,848.3 ドル 11/10(水) ▲17.5(0.96%)
NYプラチナ:1,077.0 ドル 11/10(水) ▲15.6(1.47%)
ドル円:113.90 円 11/10(水) ▲1.02(0.90%)
→11/10(水)のその他主要マーケット指標

←インフレヘッジで急騰のNY金、主要レンジも上方シフト? 11/12(金)
→米PPIは上昇一服、高インフレ鎮静化の兆しへ 11/10(水)
→FOMC後に急失速、2022年利上げ見通しは2-3回から2-1回へ 11/09(火)
→足掛け5週、国内金価格は中期三角保合い上抜けの攻防突破へ 11/08(月)

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