高値保ち合い均衡水準で迎えるタカ派転換後初のFOMC
更新日:2021年12月06日(月)
昨年8月につけた過去最高値(7676)から3月につけた今年安値(6413)までの半値戻しは7045円。この水準は中期三角保合いの中心でもあり、これまでの反発局面では幾度となくレジスタンスラインとして国内金価格の上値を押さえてきた水準。足下ではサポートラインとしての側面も垣間見ることにもなったようです。国内金価格は先週末、7036円まで下げてこの週明けに反発。
長期的に見れば、歴史的高値圏での保ち合いを形成し、その中心線にあたる半値戻しの水準は、歴史的な高値均衡水準とも言える重要な節目となるかもしれません。
この高値均衡水準付近で迎える12月FOMCは、パウエルFRBの議長の続投決定後、即タカ派転換して初めてのFOMC。テーパリング終了時期の前倒しが予想され、今後の利上げ観測前倒しのきかけにもなりうる分岐点。その反面、インフレヘッジの金買い需要やオミクロン株の不透明感がそのまま市場リスクとなっている現状もあり、情勢的にも均衡状態を演出しているような状況にもなっています。
一目均衡表の雲の上限(7068)にもサポートされた格好の金価格は、今後急上昇していくこの上限ラインにもサポートされ、再び三角保ち合い上抜けトライへと向かうか、それとも高値均衡水準を下抜けて、雲の下限(6989)も下抜けて三角保ち合い下抜けへと向かうのか。この2週間で大きな方向性が変わる可能性もありそうです。
6日の国内金価格は先週末から+46円、0.65%の反発。米11月雇用統計がやや低調とも言える微妙な結果となってNY金の反発が円高分をカバー。7100円の重要な節目割れに伴う下値トライの流れで6980円台の短期下値目安に対しては7036円までにとどまっての切り返し。ほぼ2ヵ月ぶり安値水準まで下げながら、9月安値(6764)から11月高値(7483)までの61.8%戻し(7039)を達成したところで、90日移動平均線(7030)にもサポートされる形で反発、短期下値トライは失敗。週明け東京市場の時間帯では、時間外のNY金は先週末水準1780ドル台での揉み合い状態、為替は1ドル=112円80銭台から90銭台、一時113円台回復も試す展開。短期的には国内金価格をサポートする状況がもう一段続くこともありそうな状況ながら、今週はインフレ指標などを確認し、テーパリング加速も見込まれる次週のFOMC待ちとなる状況からは、上値も限定的となることも予想されそう。7030円台の下値サポートを割れることになれば、短期的には7000円の大台割れ、6990円程度までが下値目安に。
プラチナ価格は+15円、0.4%の上昇。5日続落後の横ばい推移をはさんで下げ止まりの兆し。9月安値(3536)から11月高値(4320)までの76.4%戻し(3721)達成でようやく一服感も。雇用統計後のNYプラチナの反発力の弱さから930ドル手前で上値を押さえられていた状態から、週明けには930ドル台半ばへと反発トライに向けた動きにも。依然としてRSIは1桁台の売られ過ぎ状態が続き、もう一段の反発も十分想定可能な状況にも。ただし金価格と同様、情勢的にはやや上値の重さも意識されそうな状況にも。短期的には3710円台の下値サポートを割り込むようだとさらに一段安の展開へ、3670円前後までが下値目安に。
日足一目均衡表でも三役逆転の弱気相場、唯一サポート候補として意識されそうな水準は、遅行線が相対する雲の下限。今週末には3700円付近で横ばい推移へ移行、この3700円近辺は、年末年始の方向性を占う意味でも重要な水準となる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格12/6とチャート
2021年12月06日(月)時点の相場
国内金:7,082 円 12/6(月)
▲46(
0.65%)
国内プラチナ:3,732 円 12/6(月)
▲15(
0.40%)
NY金:1,783.9 ドル 12/3(金)
▲21.2(
1.20%)
NYプラチナ:926.2 ドル 12/3(金)
▼6.9(
0.74%)
ドル円:112.84 円 12/3(金)
▼0.35(
0.31%)
12/3(金)のその他主要マーケット指標
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