コアCPIも31年ぶり高水準、賃金上昇率を上抜け
更新日:2022年01月13日(木)
米商務省が発表した12月の消費者物価指数は前年比+7.04%。ほぼ市場予想どおりながら、11月の+6.81%からは一段と上昇し、4ヵ月続伸で1982年6月(7.06%)以来、39年半ぶりの7%超え。
食品とエネルギー関連を除いたコアCPIは前年比+5.45%。こちらは市場予想の+5.4%程度を若干上回り、11月の+4.93%からは0.52%の上昇で4ヵ月続伸。1991年2月(5.65)以来、30年10ヵ月ぶりの高水準。コアCPIの前年比5%超も30年7ヵ月ぶり。
セクタ別では食品価格が前年比+6.3%となって7ヵ月連続の上昇。エネルギー関連は前年比+29.3%で11月の33.3%からは低下も高止まり。食品とエネルギーを除く商品価格は3ヵ月続伸で前年比+10.7%。サービス価格は+3.7%で4ヵ月連続上昇。
主要項目では、中古車価格が11月の前年比+31.4%から12月は37.3%へと一段と上昇し、ピークとなった可能性もある6-7月の40%台に次ぐ高水準。ガソリン価格は+58.1%から12月は+49.6%へと低下も依然として異常な高水準。賃貸住宅価格も5ヵ月続伸で前年比+3.3%となって1年7ヵ月ぶりの高水準。
CMEフェドウォッチの3月利上げ織り込み度は79%へと跳ね上がり、サンフランシスコ連銀デーリー総裁がこの日「3月にも利上げ、間違いない」と発言したように、現時点では3月利上げはほぼ確定的と言える状態にも。
「賃金上昇率<CPI=実質賃金減少→消費停滞懸念」の状態もこれで4月から12月まで9ヵ月連続となり、その差は3ヵ月連続で拡大し、5月以来7ヵ月ぶり高水準。
コアCPIも5ヵ月ぶりに賃金上昇率を上抜け、実質賃金減少による消費停滞懸念も一段と高まる状況にも。
12日のNY金相場は+8.8ドル、0.48%高で4日続伸。12月31日(1828.6)以来の高値となって終値ベースでは今年高値を更新。時間外序盤の1820ドル付近からロンドン時間には1810ドル台半ばまで、浅めの押し目をはさんでゆるやかな上昇基調へ。元の水準へと戻したNY朝には米12月CPIの結果を受けて再び1810ドル台半ばへと小幅急落の反応も、米10年債利回り急低下とドル安急進となった流れを受けて切り返し。1820ドル台半ばまでの急反発で乱高下となった後もコンスタントに水準を切り上げる展開となってNY引けにかけては1820ドル台後半まで上昇。39年半ぶり高水準のCPIのさらなる上振れを予想していた向きのドル売りとインフレヘッジにサポートされた勢いが、3月利上げ観測上昇を上回った格好ながら、節目の1830ドル突破には至らず。やや強めの抵抗水準となってきた感もあるこの節目を上抜けることができれば上値トライへ、11月高値圏1870ドル近辺までが短期上値目標にも。200日移動平均線や20日線他、多数の節目が集中する1800ドル近辺が当面の強めのサポートにも。
NYプラチナは+6.9ドル、0.71%の続伸。1月5日(1001.9)以来、1週間ぶりの高値。960ドル台での保ち合い推移から、NY市場では金の上昇局面にも追随する展開となって980ドル台まで上昇。ただし、NY午前から午後まで980ドル台前半までは何度も試しながらもこれを維持できず、低下基調が続く50日移動平均線(982.5)にも上値を押さえられる形となってNY引け後には970ドル台半ばまで押し戻された状態に。12月後半の保ち合い高値圏でもある980ドル近辺が強めの抵抗水準となり、目先の攻防ラインにも。これを突破できれは1000ドルの大台ラインとの攻防と今年高値更新トライへ、今年高値更新なら一段高の展開に。10月後半の保ち合い水準1040ドル台までが短期上値目標にも。
ドル円は66銭のドル安円高、0.57%の反落で12月24日(114.31)以来、半月ぶりのドル安円高水準。東京・欧州時間は115円50銭が上限となり、30銭台を中心に小幅揉み合い推移、NY市場での12月CPIの結果を受けて米10年債利回り急低下に連れ、一方的なドル安の流れに。NY午後には米10年債利回りが元の水準へと反発したのに対し、ドル安の流れは止まらず115円を割れると一段安、一時114円40銭割れまで下落。11月安値(112.53)から1月高値(116.35)までの半値戻し(114.44)を達成したことから、いったんは下げ止まりやすいところ。上値も下値も切り下げる短期下落局面がまだ続くようなら61.8%戻し(113.99)、114円近辺が次のサポート候補。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/12終値とチャート
13日の国内金価格は-33円、0.45%安で3日ぶりの反落。3月利上げをほぼ織り込んだ状態でさらなるインフレ高騰予想か、あるいは材料出尽くし感からか一方的なドル安の流れとなってのドル円下落が足かせに。ユーロドルもドルインデックスも保ち合いを抜け出す形で2ヵ月ぶりのドル安水準となり、今後のドル円の重石となる可能性も。堅調推移が続く国内金価格は三角保ち合い形成の兆しにも。目先、上方向には7370円の節目を超えると7450円近辺までを短期目標に一段高の展開にも。下方向には7280円を割れると7220円程度までが下押し目安。
プラチナ価格はにわずかに+1円、0.03%の小幅続伸。90日移動平均線(3916)上抜けを維持しての横ばい推移となり、上昇基調の9日移動平均線(3885)のサポートを待つ状態にも。90日線を上抜けた9日線にサポートされる状態が続くようなら、上値トライ再開へ。3970円の節目超へと今年高値更新なら、4010円程度までを短期目標に上値を伸ばす展開へも。9日線と90日線を割り込むようだと失速感が強まる展開へも。
※参考:
金プラチナ国内価格1/13とチャート
2022年01月13日(木)時点の相場
国内金:7,337 円 1/13(木)
▼33(
0.45%)
国内プラチナ:3,923 円 1/13(木)
▼1(
0.03%)
NY金:1,827.3 ドル 1/12(水)
▲8.8(
0.48%)
NYプラチナ:980.1 ドル 1/12(水)
▲6.9(
0.71%)
ドル円:114.63 円 1/12(水)
▼0.66(
0.57%)
1/12(水)のその他主要マーケット指標
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