新規失業保険申請件数4週移動平均は大幅増で7週ぶりコロナ前超
更新日:2022年01月21日(金)
米国の失業保険継続受給者数は1月8日までの週で163.5万人となり、前の週の155.1万人からは8.4万人の増加。前の週の155.1万人は1973年6月2日までの週(155.6万人)以来、48年半ぶりの低水準となっていましたが、オミクロン株によるコロナ感染再拡大が大きく影響している模様。
それでも4週移動平均では166.425万人。前の週からは5.525万人減となり、16週連続減でコロナ前の170万人を割り込み、遂に100%回復を達成。4週移動平均では、足下の急減状態を維持したまま節目水準を割り込んだ格好に。
その一方で、1月雇用統計の調査対象週でもある、1月15日までの新規失業保険申請件数は28.6万件となって3ヵ月ぶり高水準。4週移動平均でも23.1万件となり、3週連続の増加で前週からは+2万件の大幅増。
4週移動平均はコロナ前の水準22万件を12月4日の週に割り込み、100%回復状態は6週間続いていましたが、7週ぶりにコロナ前の水準を再び上回り、1.1万件超へと逆戻り。
失業保険申請件数は、新規申請も継続需給もコロナ前の水準を突き抜けてさらに改善傾向が進行する状況ではなく、しばらくはコロナ前の節目水準との攻防フェーズに入ってきた状態かもしれません。
20日のNY金相場は-0.6ドル、0.03%の小反落。前日の30ドル急騰後の一服状態となってほぼ横ばい推移。この日の変動値幅は12.3ドルとなって今年最小、昨年来平均変動値幅24.9ドルの半分以下の小動き。1840ドルを挟んでの揉み合い推移が続き、NY朝の安値では1830ドル台半ばまで、低調となった新規失業保険申請件数の結果を受けての上昇局面での高値も1848.5ドルまで。NY引けにかけては1840ドル付近に収束。1810ドルから30ドルまでの小幅保ち合いレンジ上抜けに伴う上値トライの流れは継続中、11月高値圏1870ドル近辺の短期上値目標までの上昇余地を残しながらも次週FOMCにかけてはいったん値動き縮小の展開にも。1830ドルが目先のサポート候補。
NYプラチナは+22.4ドル、2.18%高となって3日続伸。昨年11月18日(1056.4)以来、2ヵ月ぶり高値水準での一段高。980ドルの節目突破に伴う短期上値目標1030ドル台到達後の調整となったアジア時間には1020ドル割れで下げ渋り。2000ドル割れで下げ渋ったパラジウムが2080ドル台まで急騰したロンドン時間には、1030ドル台を回復したプラチナも1040ドル台へと一段高、金の上昇局面にも追随したNY市場では1050ドル台後半まで上昇。ただしNY午後から引けにかけての調整では1040ドル割れを試す場面も。高値では半年ぶりにワンタッチした200日移動平均(1056.9)に上値を押さえられての一服感も、NY午後から引けにかけての調整の動きは今回の急騰局面でのパターン。しかし、11月高値(1113.1)から12月安値(886.0)までの76.4%戻し(1059.5)もほぼ達成した状態でのさらなる一段高には少し無理も。
ドル円は19銭のドル安円高、0.17%安で3日続落。東京朝には米10年債利回り低下と株安にも連れて114円40銭近辺から114円ちょうど付近まで下落も、下値サポート114円ラインでしっかり受け止める形となって東京午後には114円50銭台まで反発。しかし、欧州時間には米10年債利回りが1.8%台半ばから前半へと低下基調再開となった流れにも連れての軟調推移、NY朝には失業保険申請件数の悪化を受けての一段安で114円割れ。NY午後には114円ラインでの底堅さを見せて114円20銭近辺まで反発。しかし、今朝の東京市場では株安と米10年債利回りの1.8%割れへの一段安にも連れて114円割れ再々トライで一時113円80円割れを試す場面も。このまま114円を回復できなければFOMCを待たずして一段安の展開にも、短期下値目安は113円割れも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/20終値とチャート
21日の国内金価格は-32円、0.43%の反落。NY金の上昇一服の間に円高圧力が強まり、7410円台辺りを上値目標とした上値トライの流れは巻き戻し。年明けから今年高値圏7380円前後で3度上値を押さえられた形にもなり、このまま高値更新できなければトリプルトップ形成に伴うピークアウト警戒感が漂い始めることにも。目先、7380円超へと抜け出すことができれば上値トライ再開であらためて7420円前後までは上値を伸ばす展開に。下方向には7290円の節目を割れると一段安へ、7280円割れでトリプルトップも完成、下値目安は7170円近辺まで。
週間ベースでは+57円、0.78%高で6週続伸。6週続伸は昨年5月以来、8ヵ月ぶり。
プラチナ価格は+29円、0.71%高となって4日続伸。昨年11月19日(4210)以来、2ヵ月ぶり高値水準での一段高。パラジウムの急騰とともに南アランドも対ドルで2ヵ月ぶりのランド高となった流れにもサポートされ、円高圧力を帳消しにする堅調推移。短期的にはスピード違反も警戒されながら、水準的には11月高値(4320)から12月安値(3694)までの61.8%戻し(4081)達成後の一段高で76.4%戻し(4172)への早期トライも。この水準は昨年5月高値と11月高値を結ぶラインの延長線上にも位置し、中期抵抗線候補。
週間ベースでは+231円、5.96%の大幅反発。10月11日からの週(+359円、9.42%)以来、3ヵ月ぶりの大幅高。
※参考:
金プラチナ国内価格1/21とチャート
2022年01月21日(金)時点の相場
国内金:7,348 円 1/21(金)
▼32(
0.43%)
国内プラチナ:4,109 円 1/21(金)
▲29(
0.71%)
NY金:1,842.6 ドル 1/20(木)
▼0.6(
0.03%)
NYプラチナ:1,050.8 ドル 1/20(木)
▲22.4(
2.18%)
ドル円:114.12 円 1/20(木)
▼0.19(
0.17%)
1/20(木)のその他主要マーケット指標
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