インフレ、ドル高、ウクライナ、円高でも高騰する国内金価格
更新日:2022年02月14日(月)
米国で想定以上に高騰するインフレに対して、サマーズ元米財務長官は「FOMCはかなり後手に回っている」と指摘。臨時会合を開催して量的緩和を即時終了させ、インフレ抑制への決意を強調するべきとの主張。ただし、行き過ぎたFOMCの行動は景気を後退させ、金融市場に波乱をもたらすとの慎重な見方も。それを暗示するように米2月ミシガン大消費者信頼感指数は低下基調が続いて10年超ぶり低水準。
その一方で週末にはサリバン米大統領補佐官の「ロシアによるウクライナ侵攻はいつ開始されてもおかしくはない」発言。北京冬季五輪期間中でも、首都キエフに対する急襲も想定されるとの見方も。当事者であるウクライナを含めて懐疑的な見方もあるため、この地政学リスクの行方には不透明感も漂い、「プーチンのみぞ知る」状況に。
週明け14日の国内金価格は3連休前の10日から+99円、1.33%の大幅高となって7営業日続伸。7日続伸は昨年11月以来、3ヵ月ぶり。上げ幅としては年初の1月5日(+129円、1.78%)以来、1ヵ月半ぶりで今年2番めの急騰。水準としては過去最高値となった2020年8月7日の翌営業日、8月11日(7560)以来、1年半ぶりの高値。ウクライナ情勢緊迫化を受けて週末NY引け後に1860ドル台へと急騰したNY金は週明け時間外も1860ドル近辺を維持しての小動きスタート。為替ドル円は週末NY終盤に115円近辺まで急落した後の自律反発で115円40銭近辺まで戻して週をまたぎ、週明けには一時115円60銭近辺まで上昇していったん失速、115円40銭割れへ反落とやや落ち着かない展開でスタート。
国内金価格は9日時点で年初来の高値保ち合いを上方ブレイク、短期上値目標7450台を目指す流れとなって10日には7430円台へ。その後のCPI上振れとリスク回避の流れを受けてドル高進行とNY金の急騰に押し上げられる格好に。11月高値(7483)も超えて長期三角保ち合い上限ラインも上抜け、やや行き過ぎの展開として想定された7500円台に到達。目先はウクライナ情勢次第という展開も予想され、事態悪化なら一段高となって過去最高値トライも意識される反面、収束方向へと向かえば短期上値目標水準7400円台までの急反落はすぐにでも。
日足・一目均衡表では三役好転した1週間前から一段高。遅行線が相対する価格ラインとの攻防も目前となっていた状態から跳ね上がる形に。しばしば見られる展開でもあるものの、これによりやや強めの抵抗線にもなりつつあった過去最高値から2021年3月安値までの76.4%戻し(7378)ラインも突破。過去最高値を起点とする抵抗線候補も上抜け、長期三角保合いも上方ブレイク。昨年秋以降の中期上昇チャネルを維持しての堅調推移は続き、チャネル上限ライン付近までさらなる一段高へと上昇余地も。
想定可能な中期上値目標としては、2021年3月安値(6413)から6月高値(7335)までの上昇値幅=922円、2021年8月安値(6710)を起点にN計算値適用=7632円。
過去最高値が再び意識される場面も訪れるかもしれません。
プラチナ価格は+23円、0.55%高で3日続伸。昨年11月19日(4210)以来、3ヵ月ぶり高値水準での一段高。NYプラチナは先週末NY引け後の1020ドル台から週明け時間外には1030ドル台ヘと上昇スタート。短期的には4150円の節目上抜けに伴う上値目標4220円台辺りまでを目指す流れが進行。中期的には三角保合い上抜けに伴う水準切り上げの可能性も浮上、まずは11月高値圏4300円の大台ライン近辺までが意識される展開にも。
日足・一目均衡表では三役好転を維持しての高値保合い上抜け。遅行線が相対する雲の上限にサポートされ、中期三角保合い上抜けと昨年5月から9月安値の半値戻し(4143)ライン突破をサポート。遅行線が相対する200日移動平均線との攻防も突破できれば、さらに上値を伸ばす展開にも。中期的に意識される次の重要な攻防ラインとしては昨年11月高値4320円。
※参考:
金プラチナ国内価格2/14とチャート
2022年02月14日(月)時点の相場
国内金:7,531 円 2/14(月)
▲99(
1.33%)
国内プラチナ:4,180 円 2/14(月)
▲23(
0.55%)
NY金:1,842.1 ドル 2/11(金)
▲4.7(
0.26%)
NYプラチナ:1,018.7 ドル 2/11(金)
▼23.8(
2.28%)
ドル円:115.43 円 2/11(金)
▼0.56(
0.48%)
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