ウクライナ危機で注意すべき想定可能な国内金価格の高値目安
更新日:2022年03月07日(月)
ロシアによる軍事侵攻が始まって10日以上経過、予測不能な状況にウクライナから国外への避難者は150万人を超え、「欧州では第二次世界大戦以降で最大の難民危機」。ブリンケン米国務長官はロシア産石油禁輸も検討とも伝えられ、週明け時間外のNY原油は一時130ドル台へと急騰。2008年7月につけた過去最高値147.27ドルもチラつきそうな水準にもなってきました。NY金も先週末の1970ドル台から1990ドル台へと急騰スタート。こちらも2020年8月につけた過去最高値2089.2ドルが視野に入ってきそうなレベルに。
そんな状況下でリスク回避の円買いが影を潜め、米金融政策睨みとリスク回避のドル高地合いが続くドル円相場は週明けも115円近辺での高止まり。過去最高値を今年既に7回更新してきた国内金価格は史上初の8000円超え。
こちらも予測不能となってきた国内金価格のさらなる高値更新見通し、今後想定可能な国内金価格の高値更新目安は以下のとおり。
1)2021年3月安値(6413)、2020年11月安値、2021年8月安値と2021年6月高値(7335)で形成する逆三尊からの最大上昇目安=7335+922=8257円
2)2020年3月安値(5648)から8月高値(7676)までの値幅(2028)を2021年3月安値(6413)を起点に加算するN計算値=8441円
3)2020年8月高値(7676)から2021年3月安値(6413)までの161.8%戻し=6413+2044=8457円
4)2018年8月安値(4458)から2020年8月高値(7676)までの値幅(3218)を2021年3月安値(6413)を起点に加算するN計算値=9631円
もはや8000円台半ばは非現実的、とも言い切れないかもしれません。ただ、9000円を超えるような事態は誰も望みません。
7日の国内金価格は+151円、1.92%の続伸で今年8回めの過去最高値更新。上昇幅としては今年の絶対値平均42円の3.6倍で今年最大、昨年11月11日(+153円、2.11%)以来、4ヵ月ぶりの急騰。短期的には高値更新に伴う一段高の目安7870円程度を突き抜けての一段高。戦時下でのリスク回避の流れが緩和されず、NY金の高止まりも続いて2000ドルを超えるようなら国内金価格も8050-60円超へと一段高の可能性も。多少の緩和などから1970ドル程度までの調整が入れば7950円程度までの反落も。
プラチナ価格は+237円、5.46%高となって4日続伸。昨年6月3日(4582)以来、9ヵ月ぶりの高値。高値保合い下振れからの巻き戻しで4350円台の節目を上抜け、今度は上方ブレイク。NYパラジウムが週明け時間外に3100ドル超へと急騰し、過去最高値を更新。NYプラチナも追随、先週末の1120ドル台から一時1150ドル台へと30ドル程の急騰。押し上げられた国内プラチナ価格もようやく短期トレンドも好転、かと思えば短期上値目標4430円程度を突き抜けてての急騰。上昇値幅237円は今年の絶対値平均48円のほぼ5倍、今年最大で2020年3月25日(+287円、11.13%)以来、ほぼ2年ぶりの暴騰。NYプラチナがさらに一段高へと向うようなら国内価格は4700円も視野に、小幅に調整となれば4500円近辺までが下値目安にも。
日足・週足・月足でも三役好転、中期三角保合いを上抜けての一段高となり、2021年高値(4798)から安値(3536)までの76.4%戻し(4500)を上抜け。今後は100%戻しが意識され始める可能性も。ただし急反落リスクとその値幅は金以上となる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格3/7とチャート
2022年03月07日(月)時点の相場
国内金:8,005 円 3/7(月)
▲151(
1.92%)
国内プラチナ:4,580 円 3/7(月)
▲237(
5.46%)
NY金:1,966.6 ドル 3/4(金)
▲30.7(
1.59%)
NYプラチナ:1,116.8 ドル 3/4(金)
▲36.0(
3.33%)
ドル円:114.86 円 3/4(金)
▼0.60(
0.52%)
3/4(金)のその他主要マーケット指標
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