次回5月FOMCで0.5%利上げを織り込んでドル円は121円
更新日:2022年03月23日(水)
前日NY市場の時間帯にパウエルFRBに議長が0.5%利上げの可能性を示唆したことからドル高の流れが加速。その流れを受け継ぐ形で22日の東京市場の時間帯でもドル高の流れが続き、その後欧州市場の時間帯までドル高の流れが続き、一周回ってようやくドル高一服。しかし、金融政策の方向性が正反対のままの日銀との対比がクローズアップされて円安の流れは継続し、ドル円は遂に121円台へ。
CMEのフェドウォッチでは、次回5月FOMCでの利上げ確率は0.5%が65%、0.25%利上げは0.35%。
そもそも米CPIが7.5%となった2月10日時点で、5月FOMCまでに0.25%×3回分、合計0.75%利上げ予想が75%まで急騰していました。ところがロシアのウクライナ侵攻を受けて0.25%×2回分、合計0.5%利上げが入れ替わって90%へと急上昇していました。
しかし、その後CPIがさらに上昇して5月の0.5%利上げは再上昇。3月FOMCでの0.25%利上げを経ていったん失速も、前日のパウエル発言を受けて再浮上。
インフレ抑制に向けた利上げ加速観測に伴うドル高の流れに、円安の流れも加わわってドル円の堅調推移はとまりません。
6年1ヵ月ぶりの円安となったドル円の円安基調はクロス円にも波及。ポンド円でも2016年5月以来、5年10ヵ月ぶりの円安水準、豪ドル円では2015年12月以来、6年3ヵ月ぶりの円安、ニュージランドドル円では2015年6月以来、6年9ヵ月ぶりの円安水準に。
ユーロ安で相殺されるユーロ円でも9ヵ月ぶりの円安水準となり、米国の利上げで売られやすい新興国通貨、南アランド円でも3年1ヵ月ぶりの円安水準に。
22日のNY金相場は-8.0ドル、0.41%の反落。1930ドル台での揉み合いとなった時間外でつけた高値は1940ドル付近、ロンドン市場では米10年債利回り上昇と株高の流れに押されて軟調推移。直近3日間の安値圏1920ドル前後ではいったん下げ渋るも、NY市場では米10年債利回りが2年10ヵ月ぶり高水準となる2.38%台へと水準を切り上げ、米株も一段高となった流れで1910ドル前後まで急落。しかし、短期下値サポートでもある1910ドル割れの水準では底堅く、NY午後には1920ドル台を回復。結果的に抵抗水準となる20日移動平均線(1946.5)にはかすりもせず、微妙に上値も下値も切り下げる展開に。目先、1910ドル台のサポートを割れると1月安値から3月高値の61.8%戻し(1894.5)から1890ドル近辺までが下値目安に、切り返す展開となって1940ドル台の抵抗線上抜けなら38.2%戻し(1964.9)から1970ドル近辺までが戻り目安に。
NYプラチナは-19.6ドル、1.88%安となって5日ぶりの反落。3月16日(1008.1)以来、1週間ぶりの安値。前日高値1050ドル近辺がこの日も高値となって時間外に失速、ロンドン市場までに1030ドル台へと水準を切り下げ、NY市場では金の下落局面にも連れて一時1020ドル割れ。しかし200日移動平均線(1023.7)にサポートされる形でNY午後には1020ドル台後半へ。ただし1030ドルがいったんは抵抗水準となりつつある状態にも。このまま1030ドルを超えられないようだと下押し圧力再燃も、200日線も割れると1000ドルの大台が次のサポート、これも割れると970ドル近辺までが下値目安に。上方向には1030ドルを超えると1050ドルが抵抗線、突破できれば1080ドル台辺りまでが短期上値目標に。
ドル円は134銭のドル高円安、1.12%高で3日続伸。上昇値幅としては今年の絶対値平均36銭の3.7倍強、今年最大で2020年11月9日(+1.97円、1.91%)以来1年4ヵ月ぶりの大幅高。水準としては2016年2月1日(120.97)以来、6年1ヵ月半ぶりの高値。前日のドル高基調に加え、東京朝には株高・円安の流れも強まって120円にワンタッチ、午後には120円40銭台へと一段高。欧州時間以降はドル高一服となったものの、米長期金利上昇にも連れて円安持続で一時121円台へと上昇。NY市場では大台到達に伴う利益確定売りに押された格好で一時120円30銭台まで下押しも、NY午後には120円台後半での推移、今朝の東京市場では一時121円40銭台まで上昇。多少の押し目をはさみながらも次に意識されるのは2015年11月高値圏123円70銭台。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/22終値とチャート
23日の国内金価格は+37円、0.46%高で4日続伸。3月9日(8,299)以来、2週間ぶりの高値。円安加速にサポートされての一段高で8130円台の抵抗水準を突破。短期的には8200円超えが上値目標となり、その先には最高値再更新トライも視野に。長期上昇チャネル内回帰を先送りしての高止まり、最高値圏再トライの様相に。ただし8000円近辺を割れると急速に巻き戻すような展開にも。
プラチナ価格は-16円、0.37%安となって4日ぶりの反落。21日移動平均線(4330)を下抜けた9日移動平均線(4283)こそ上回ったものの、低下し始めた21日線にしっかり上値を押さえられて失速。上値を切り下げる形となり、4320円台から21日線が目先の抵抗水準。これを上抜けることができれば3月高値から16日安値までの半値戻し(4389)が短期上値目標に。
※参考:
金プラチナ国内価格3/23とチャート
2022年03月23日(水)時点の相場
国内金:8,160 円 3/23(水)
▲37(
0.46%)
国内プラチナ:4,305 円 3/23(水)
▼16(
0.37%)
NY金:1,921.5 ドル 3/22(火)
▼8.0(
0.41%)
NYプラチナ:1,025.1 ドル 3/22(火)
▼19.6(
1.88%)
ドル円:120.82 円 3/22(火)
▲1.34(
1.12%)
3/22(火)のその他主要マーケット指標
125円台と3%へ、相関強まるドル円と米10年債利回り 03/24(木)国内金価格も急騰一服、3年半の長期上昇チャネル内回帰へ 03/22(火)0.5%利上げを含め年末FF金利2%超へ、ドル円120円超へ 03/19(土)明暗分かれる米3月地区連銀製造業景況感 03/18(金)
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