125円台と3%へ、相関強まるドル円と米10年債利回り
更新日:2022年03月24日(木)
足下で米10年債利回りは2.32%台、5年債利回りが2.34%台となってフラット状態からわずかに逆イールド傾向となり、米FRBによる利上げ加速観測に伴う景気減速への警戒感を示唆するような状況にもなりつつあります。ただし、3ヵ月債と2年債など短期債での関係性ではむしろスティープ化、現時点での景気減速懸念は時期尚早とも言えそうです。
そんな状況下でも米10年債利回りはドル円とともに上昇傾向が続き、23日時点での
ドル円と米10年債利回りとの90日相関係数は0.81台。強めの相関状態を示し、特に3月に入ってからはともに急騰。
両者の90日相関係数の長期推移を見ると、強めの正相関領域での推移が圧倒的に長く、特に正相関のピークアウト後に0.5近辺で折り返した時には、0.8から0.9超の高水準での推移がしばらく続く確率は極めて高く、現状がまさにその状態。
3月に入ってからの両者の急騰ペースはさすがに今後は崩れることも予想されるものの、仮にこのペースがあと3週間から1ヵ月程度続いた場合には、ドル円は2015年6月につけた高値圏125円台後半にも到達する可能性もありそうです。同じペースで米10年債利回りも上昇した場合には、直近10年での最高水準となった2018年11月高値圏、3%台に達する可能性もあり得ます。
時期はともかく、今後の利上げフェーズ進行に連れ、タカ派イメージが強まる場面が訪れる度に水準を切り上げることになりそうなドル円と米10年債利回りは、いずれも想定可能な高値水準に到達する確率も、じわじわ高まることにもなりそうです。
23日のNY金相場は+15.8ドル、0.82%の反発で3月17日(1943.2)以来、1週間ぶりの高値。1920ドル前後の小幅保ち合い推移から、ロンドン市場で反発基調へ。米10年債利回りが上昇一服となり、堅調推移が続いた欧米株も調整の動きとなった流れに呼応する形で、115ドル台へと急反発となったNY原油とともに1930ドル台後半へと上昇。NY引け後には1940ドル台後半へと一段高、目先の抵抗線となっている20日移動平均線(1947.8)との攻防へ。上抜けトライ成功なら、もう一段の反発基調継続へ。8日につけた3月高値(2078.8)から16日の3月安値(1895.2)までの38.2%戻し(1965.3)から1970ドル近辺までが短期上値目標に。下方向へは1920ドルが目先のサポート、割れると3月安値更新トライへ、1890ドル近辺までが下値目安に。
NYプラチナは-4.1ドル、0.4%の続落で3月16日(1008.1)以来、1週間ぶりの安値。1020ドル台を主要レンジに小幅保ち合い推移、ロンドン市場でつけた高値は1034ドルまで、NY市場でつけた安値も1015ドルまでにとどまり、NY引けにかけては1020ドル台を回復。この日の変動値幅は上下18.6ドルにとどまり、今年の平均36.1ドルの半分程、今年5番めの小動き。終値では200日移動平均線(1023.0)をわずかに下回り、90日移動平均線(1009.6)も意識される状況にも。その下には1000ドルの大台ラインがサポートとなり、これらを簡単に下抜けるような展開も想定し難いところ。もし、割り込んだ場合には一段安を余儀なくされて年末年始の保ち合い水準970ドル近辺までが下値目安に。反発方向へは1050ドルの抵抗水準を超えると戻り基調再開へ、1080ドル台辺りまでが短期上値目標。
ドル円は32銭のドル高円安、0.26%高で4日続伸。直近13日間のうち12日で上昇、下げた1日も16銭程の小幅安、一方的なドル高円安トレンドが続いて2015年12月21日(121.17)以来、6年3ヵ月ぶりの高値水準に。東京朝の時間帯に米10年債利回りが2.4%台へと上昇した流れにも連れ、120円80銭近辺から121円40銭台まで上昇してこの日の高値をつけると、米10年債利回りの上昇一服、調整の動きとともに失速。NY朝には一時120円60銭割れを試す場面もあったものの押し目買い圧力も強く、これ以外はほぼ121円を挟んでの小幅揉み合い推移。今朝の東京市場でも一時121円割れも切り返して121円20銭台トライへ、121円維持をかけた攻防状態が継続。安定して維持できる状態となれば、いずれ意識されるのは2015年11月高値圏123円70銭台、その先に2015年6月高値125円80銭台。短期的な下値サポート候補としては急騰する5日移動平均線(119.84)が到達する1120円近辺。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/23終値とチャート
24日の国内金価格は+110円、1.35%高となって5日続伸。5日続伸以上は今年3度め。上げ幅としては今年の絶対値平均51円の2倍以上、今年4番めの大幅高。3月9日につけた過去最高値(8299)以来、2週間ぶりで過去2番めの高値。3月に入って急騰後の急反落も調整不十分なまま短期トレンドを捻じ曲げるような動きにもなって高値再トライの様相に。地政学リスクのピークアウト後に米利上げ観測加速に伴う円安サポートが急速に強まったことが背景となり、波乱要因も抱える状況にも。短期的には上昇一服予想も意味をなさず、チャート形状的にはダブトップ形成リスクを抱えながら、これが崩れるようなら
ウクライナ危機で注意すべき想定可能な国内金価格の高値目安の2番め、「2020年3月安値(5648)から8月高値(7676)までの値幅(2028)を2021年3月安値(6413)を起点に加算するN計算値=8441円」が意識される展開にも。
プラチナ価格は-9円、0.21%の続落。21日移動平均線(4330)に上値を押さえられて上値を切り下げた流れが続きながらも、9日移動平均線(4274)の下抜けを回避して下げ渋りの様相にも。3月高値(4678)から16日安値(4099)までの38.2%戻し(4320)が抵抗水準となり、これを上抜けて21日線も突破できれば一段高の展開にも、半値戻し(4389)が短期上値目標に。
※参考:
金プラチナ国内価格3/24とチャート
2022年03月24日(木)時点の相場
国内金:8,270 円 3/24(木)
▲110(
1.35%)
国内プラチナ:4,296 円 3/24(木)
▼9(
0.21%)
NY金:1,937.3 ドル 3/23(水)
▲15.8(
0.82%)
NYプラチナ:1,021.0 ドル 3/23(水)
▼4.1(
0.40%)
ドル円:121.14 円 3/23(水)
▲0.32(
0.26%)
3/23(水)のその他主要マーケット指標
ユーロ圏3月総合PMIは予想ほど悪化せず 03/25(金)次回5月FOMCで0.5%利上げを織り込んでドル円は121円 03/23(水)国内金価格も急騰一服、3年半の長期上昇チャネル内回帰へ 03/22(火)0.5%利上げを含め年末FF金利2%超へ、ドル円120円超へ 03/19(土)
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