急低下のユーロ圏景況感、ロシアの隣国はいずれも低調
更新日:2022年03月31日(木)
欧州委員会が発表した3月のユーロ圏景況感指数は急低下。2月の113.9から108.5へ、-5.4ポイントの低下で1年ぶりの低水準。サービス業が4ヵ月ぶり高水準へと続伸となったのに対し、製造業は1年ぶり低水準へと急反落。消費者信頼感指数はコロナショックの2020年5月以来、1年10ヵ月ぶりの低水準。
インフレ懸念とロシアのウクライナ侵攻、制裁の余波などが早速ユーロ圏の景況感を押し下げています。
主要4カ国中3カ国(独109.2、仏105.7、伊109.0)は11ヵ月ぶりの低水準、スペイン(104.8)だけは1年ぶり低水準。イタリア(-2.6)以外の3カ国(仏-7.1、独-4.3、スペイン-6.5)は1年11ヵ月ぶりの急低下となっています。
ユーロ圏全19カ国のうち、オランダ(+0.5)とスロバキア(+3.1)を除く17カ国が3月は低下。
経済規模上位8カ国のうち、3月に最も大きく低下したのはEUとNATOの本部があるブリュッセルが首都のベルギー。前月比-8.8の急低下で98.9となり、1年1ヵ月ぶりの低水準で節目の100割れ。
指数で最低となったのはスロバキアで94.6。3月に最も悪化したのはルクセンブルグで100.2(-14.9)、1年4ヵ月ぶりの低水準。
その他、急低下、低水準となった国としては、
フィンランドは105.8となり、1年ぶり低水準、前月比-8.5は1年11ヵ月ぶりの急低下。
エストニアは99.8で1年ぶりの2桁、前月比-3.0は5ヵ月ぶり急低下。
ラトビアは96.7で1年ぶり低水準、前月比-5.8は1年11ヵ月ぶりの急低下。
リトアニアは102.1で1年1ヵ月ぶりの低水準、前月比-4.1は1年11ヵ月ぶりの急低下。
この4カ国はいずれも陸上でロシアと国境を接する隣国。
30日のNY金相場は+21.0ドル、1.09%高で4日ぶりの反発。1920ドルの節目割れに伴う短期下値目安1890ドル前後に到達した前日NY朝からの反発基調が継続。首都キエフ周辺での軍事作戦縮小を発表したロシア軍の攻撃は続き、ロシア側からは29日の交渉で大きな進展はなかったとの発表もあり、リスク回避優勢となった流れにも連れ、時間外の1920ドル近辺からNY市場での1940ドル近辺まで上昇。変動値幅は前日の半分強に留まりながらも前日の下げ幅をほぼ取り戻し、下値トライは一時的となって保ち合い回帰の様相で雇用統計待ちへ。ダブルボトム形成への可能性も残しての保ち合いレンジは1910ドル台から1960ドル台まで。下限を割れると2月末安値圏1880ドル前後までが下値目安に、上限突破ならダブルボトムからの一段高で2000ドルの大台再トライへも。
NYプラチナは+22.4ドル、2.29%高で4日ぶりの反発。1020ドル割れからの下値目安990ドル前後に到達後、さらなる一段安の目安950ドル台まで急降下した前日NY朝に反転すると、達成感からの急反発の流れはこの日も継続。時間外の990ドル付近から1000ドルの大台近辺までのレンジで保ち合いながらNY市場では一時1010ドル手前まで上値を伸ばし、NY午後には下値を990ドル台半ばへと切り上げ、大台維持と90日移動平均線(1005.4)との攻防状態に。これらを上抜けると1030ドル台の節目との攻防へも。下方向へ980ドル近辺を割れるようだと12月安値から3月高値の76.4%戻し(959.4)再トライへ。
ドル円は106銭のドル安円高、0.86%の大幅続落。前日の下げ幅をわずかに上回り、今年の絶対値平均41銭の2.6倍で今年最大。週初に125円台の高値をつけて以降、ピークアウト警戒感も漂い始めての乱高下状態はこの日の東京時間まで継続。東京朝の123円20銭台から121円30銭台まで下落して一服。東京午後から欧州・NY時間にかけては121円台後半を中心に保ち合い推移。雇用統計を控えての膠着状態も、今朝の東京市場では一時122円40銭台まで上昇する場面も。122円の節目割れに伴う短期下値目安としては、1月安値(113.47)から3月高値(125.10)までの38.2%戻し(120.66)辺りまでの調整も。30日の東京市場安値までで切り返して調整を終えてしまったことにするためには、5日移動平均線(122.61)を再度上抜けて上昇軌道に回帰する必要も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/30終値とチャート
31日の国内金価格は+30円、0.36%高で4日ぶりの反発。短期サイクル的には調整局面入りの状態も、上昇軌道を維持する9日移動平均線(8257)にサポートされる形で強気相場を維持し、高値保ち合い形成状態で週末の雇用統計待ちへ。好結果となったADP雇用と同様に好結果となればドル高で下押し圧力に、賃金上昇でインフレ圧力がさらに強まるようなら金買い圧力も。8250円の下限割れなら3月の押し目、16日(7988)から最高値(8397)までの半値戻し(8193)近辺が下値目安。下押し圧力が強まるようだと61.8%戻し(8144)近辺も。8400円超へと最高値更新なら8440円台までが短期上値目標。
月間ベースでは+546円、7.05%の大幅続伸。昨年5月(+566円、8.38%)以来10ヵ月ぶりの大幅高。
プラチナ価格は+4円、0.09%高で4日ぶりの小反発。短期軟調局面は変わらず、4290円台の節目割れに伴う短期下値目安4200円近辺に向けた流れが進行中。雇用統計を経てもう一段下押し圧力が強まるようだとオーバーランとなって4150円近辺も。上方向には4350円が当面の抵抗水準、その下には水平状態の21日移動平均線(4327)も。
月間ベースでは-33円、0.77%安で3ヵ月ぶりの反落。
※参考:
金プラチナ国内価格3/31とチャート
2022年03月31日(木)時点の相場
国内金:8,289 円 3/31(木)
▲30(
0.36%)
国内プラチナ:4,232 円 3/31(木)
▲4(
0.09%)
NY金:1,939.0 ドル 3/30(水)
▲21.0(
1.09%)
NYプラチナ:1,001.2 ドル 3/30(水)
▲22.4(
2.29%)
ドル円:121.82 円 3/30(水)
▼1.06(
0.86%)
3/30(水)のその他主要マーケット指標
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