新規失業保険申請件数、4週移動平均では過去最少
更新日:2022年04月08日(金)
FOMCメンバでは現時点で最タカ派、3月FOMCで唯一0.5%利上げを支持したセントルイス連銀のブラード総裁はこの日、年内3-3.25%までの利上げを支持。40年ぶり高インフレ抑制のためには利上げペース急加速が必要であるとの発言。3月から年内3%超への利上げを支持することは表明していたものの、今週のブレイナードFRB理事発言を受けて強気度を増した格好にも。
5月の0.5%利上げにとどまらず、今後は0.5%利上げを複数回、年末に0.3%超へと近づく形で市場織り込みも進行していくことが想定されそうです。
米労働省がこの日発表した4月2日までの週の新規失業保険申請件数は16.6万件。年次改訂により2017年以降のデータが全面改訂されており、この16.6万件は前週の17.1万件から0.5万件減少し、2週前と同じ。そして1968年11月30日までの週(16.2)以来、53年3ヵ月ぶりの低水準。この16.2万人は1967年以降の過去データでは最少。従って今回発表の16.6万件は過去2番めタイの低水準。
新規失業保険申請件数は、過去最少レベルまで減少しています。
なお、4週移動平均では17万件となり、過去最少。ちなみに実数で過去最少となった1968年11月30日までの週の4週移動平均は18.4万件。前後の実数も19.9万件と18.8万件の間に挟まれており、該当週は突発的に急減した週。何らかの要因が想定され、その意味でも実質的にも、トレンド的にも現状が過去最少。
3月26日までの週の失業保険継続需給者数は152.3万人となり、前週からは小幅に増加。前週の150.6万人は1970年3月21日までの週(149.8万人)以来、52年ぶりの低水準。
4週移動平均では最新週で154.1万人。1970年4月4日までの週(151.6)以来、52年ぶりの低水準。
失業保険継続需給者数も4週移動平均ではコロナ直前、2020年3月上旬の最低水準178万人を大幅に下回り、半世紀以上ぶりの歴史的低水準に達した現状でも、減少傾向はさらに続きそうな状況となっています。
米労働市場の引き締まりは歴史的水準に達し、さらなる引き締まりも想定され、インフレ高騰要因の一つとなって年内3%超への利上げをサポートすることにもつながりそうです。
7日のNY金相場は+14.7ドル、0.76%高で3日ぶりの反発。3月31日(1954.0)以来、1週間ぶりの高値。アジア時間に前日NY終値水準1923ドル付近まで下げたのがこの日の安値、ほぼ4週間経過した保ち合い下限1920ドルを維持して反発するとロンドン市場で1930ドル台、NY市場では新規失業保険申請件数の好結果を受けての小幅急反落をはさみながらも一時1940ドル超え。しかし、米10年債利回りが2019年3月以来、3年1ヵ月ぶりとなる2.66%台へと上昇し、ドル高の流れも強まったことも重石となり、保ち合い上限超えに失敗するとNY引けにかけて1930ドル台半ばへと反落。下落基調の20日移動平均線(1937.9)にも上値を押さえられ、変動値幅も18.4ドルまで縮小。今年の平均29.9ドルの6割程度の小動きとなって1920-40ドルの保ち合いレンジを維持、大幅変動睨みのブレイク待ち状態も継続。上方ブレイクなら2000ドルの大台付近を目指す流れへ、下方ブレイクなら2月半ばの押し目水準1850ドル台までの一段安も。
NYプラチナは+4.9ドル、0.51%高で3日ぶりの反発。短期下値目安950ドル台到達後の一服感から時間外序盤は下げ渋る状態も、ロンドン市場にかけて950ドル割れ、NY朝には一時1月11日(935.1)以来、3ヵ月ぶり安値となる940ドル付近まで下げて切り返し。NY金の反発基調に追随する形でNY午後には960ドル台へ、NY引け後にも960ドル台半ばを維持し、実質高値引けとなって短期的には底入れした格好にも。地合い回復に向けては3月高値(1197.0)から4月安値(941.4)までの23.6%戻し(1001.7)、90日移動平均線(1004.8)近辺、1000ドルの大台回復が重要な節目。950ドルが目先の下値サポート、割れるようだと改めて1月安値圏930ドル近辺トライへ。
金との価格差は979.8ドル、2020年11月13日(990.2)以来1年5ヵ月ぶりの高水準。
ドル円は17銭のドル高円安、0.14%高で5日続伸。5日続伸以上は3月の2回に続いて今年4度め。東京朝には日経平均の大幅安と米10年債利回り低下に連れて123円80銭台から40銭台まで急落。これが安値となり、米10年債利回りの下げ渋りに連れる形で欧州時間にかけては123円70銭近辺を中心に保ち合い推移。NY市場では米10年債利回りが2.6%台へと再上昇した流れに連れて124円トライへ。米新規失業保険申請件数の好結果もあり、高止まり状態となるも124円の節目との攻防を完全に上抜けることはできず。今朝の東京市場では節目を突破して一時124円20銭台まで上昇、しかし米10年債利回りの低下にも連れて123円70銭台まで急反落。124円の抵抗感払拭も一段高に向けてはやや材料不足か。走り出せば2015年6月高値125円80銭台トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場4/7終値とチャート
8日の国内金価格は+57円、0.68%高で4日続伸。3月25日以来2週間ぶり、今年12回めの過去最高値更新。失速感を抱える状態のまま、NY金の保ち合い上限付近への反発と円安によってやや強引に押し上げられたような格好にも。8300円の節目超えに伴う短期上値目標8370円程度を突き抜け、行き過ぎの場合の
想定可能な高値目安の2番め、8440円台も射程圏内に。今朝時点では円安一服の兆しもあるドル円が上値再トライとなれば、3番めの8450円台も到達可能か。
週間ベースでは+118円、1.42%の反発。
プラチナ価格は+40円、0.97%高で3日ぶりの反発。4180円の節目割れに伴う短期下値目安4130円程度に到達し、達成感からしっかり反発した格好も下落基調の9日移動平均線(4199)には届かず。これを上抜けて4220円の節目を超えることができれば4280円程度までの一段高も。
金との価格差は4244円。価格水準を大幅に上回り、価格差逆転常態化の2015年1月以降での最大を2日連続で更新。
週間ベースでは-17円、0.41%の続落。
※参考:
金プラチナ国内価格4/8とチャート
2022年04月08日(金)時点の相場
国内金:8,411 円 4/8(金)
▲57(
0.68%)
国内プラチナ:4,167 円 4/8(金)
▲40(
0.97%)
NY金:1,937.8 ドル 4/7(木)
▲14.7(
0.76%)
NYプラチナ:958.0 ドル 4/7(木)
▲4.9(
0.51%)
ドル円:123.96 円 4/7(木)
▲0.17(
0.14%)
4/7(木)のその他主要マーケット指標
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