16ヵ月ぶりの低下でPPIも4月は鈍化、も過去2番めの高水準
更新日:2022年05月13日(金)
4月の生産者物価指数(PPI)は前年比+11.04%。市場予想の+10.7%を上回り、上方改訂された3月の+11.53%からは低下。前年比伸び率が前月よりも低下するのは2020年12月以来、16ヵ月ぶり。昨年4月に前年比+6.51%へと急騰して以降、過去最高を更新し続けた流れは13ヵ月ぶりにストップ。それでも過去2番めの高水準。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年比+8.80%。市場予想の+8.9%を下回り、3月の+9.57%からも低下。3ヵ月ぶりに過去最高更新がストップし、2月の+8.83%に次いで過去3番めの高水準。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+6.92%。過去最高となった3月(+7.11)から-0.19%の小幅低下で過去4番めの高水準。なお、このコアPPI指数では、昨年11月に前年比+6.99%となって以降、7%を挟んでの揉み合いが半年間続く状態。ピーク到達を示唆しながらも、なかなかピークアウトとはならない状態のようにも。
PPIの+11.04%は、2010年11月以降の過去データ平均+2.29%の4.8倍の高水準にあり、前日のCPIと同様、ピークアウトの可能性を示唆する結果ながらも依然歴史的高水準での高止まり。
CPIとの差も4月は2.78%で3月の2.99%からは低下。それでも昨年7月(2.59)以降は2%台後半以上の高水準が10ヵ月継続中。
CPIへの価格転嫁余地がなかなか縮小しない状態も継続。
CPIとPPIの現状も背景にパウエルFRB議長はこの日、「米経済がほぼ想定通りに展開した場合には」今後2回のFOMCでの0.5%利上げが適切との見解を改めて示唆。
市場はこれを織り込みながらも、受け入れ切れないことをアピールするかのうように、リスク回避的な米株下落局面が続きます。
12日のNY金相場は-29.1ドル、1.57%の大幅反落。今年の絶対値平均騰落値幅15.8ドルの2倍弱の急落となり、2月7日(1821.8)以来3ヵ月ぶりの安値。アジア時間には前日高値をわずかに超えながらも1850ドル台後半で頭打ち。株安基調が続き、リスク回避的なドル高の流れが徐々に強まるに連れて軟調推移、ロンドン市場にかけて1850ドルを割れるとNY朝には米4月PPIの結果を受けて小反発も流れは変わらず、NY午後にかけて1840ドルの節目を割れると一段安。1820ドル台半ばまで急落し、安値では1820ドルまで下落、1840ドル割れに伴う下値目安1820ドル近辺にも到達。時間外スタート直後には一時1810ドル割れへと急落して1820ドル台へと反発の兆しにも。下値トライ一服とならなければ1800ドルの大台ライン前後までが下値警戒水準、上方向には1850ドル台が抵抗水準、突破できれば1880ドル近辺までが戻り目安。
NYプラチナは-58.4ドル、5.9%の大幅安となって3日ぶりの反落。今年3番めの急騰となった前日の上げ幅(42.6ドル)の1.4倍弱、下げ幅としては今年最大、昨年6月17日(-86.7ドル、7.59%)以来11ヵ月ぶりの急落で4月28日(911.1)以来、2週間ぶりの安値水準に。200日移動平均線(1000.8)と1000ドルの大台付近まで、わずかな上値トライを試すことなく失速。990ドル手前からNY午後につけた安値930ドル割れまで、ほぼ一方的に下落。930ドル台の下値サポート割れに伴い、910ドル近辺までを下値目安にもう一段の下値トライ余地も。
ドル円は169銭のドル安円高、1.3%の大幅続落。1%超の下落は今年初、オミクロンショックとなった昨年11月26日(-2.05円、1.78%)以来、ほぼ半年ぶりの急落。水準としては4月26日(127.23)以来、半月ぶりの安値。東京午後の時間帯からリスク回避の株安と米10年債利回り低下、ドル高に円高の流れも急速に強まる展開となり、130円近辺から129円割れ、欧州時間には128円40銭台まで下落。NY朝には米4月コアPPIが市場予想よりも鈍化、新規失業保険申請件数が増加傾向となったことをきっかけに売り圧力が強まると一時127円50銭近辺まで下落。NY終盤には128円台を回復し、今朝の東京市場では株価反発にも連れる形で129円台を回復。129円の節目割れに伴う短期下値目安、3月末安値(121.28)から今年最高値(131.35)までの38.2%戻し(127.50)近辺まで、一時的ながらしっかりと下げたことで短期調整を終えてしまった可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/12終値とチャート
13日の国内金価格は-199円、2.36%の大幅反落。下げ幅としては3月10日(-204円、2.46%)以来2ヵ月ぶりで今年2番めの急落となり、3月23日(8160)以来1ヵ月半ぶりの安値水準に。NY金とドル円のダブル大幅調整となり、8400円の下値サポート割れに伴う短期下値目安8350円近辺を突き抜けての一段安。RSIは20.6まで急低下し、1月末の今年安値(7244)から4月20日の最高値(8860)までの38.2%戻し(8243)に到達した達成感からの一服状態にも。短期戻り目安は最高値からここまでの23.6%戻し(8385)近辺まで。
週間ベースでは-346円、4.03%の大幅反落。昨年6月14日からの週(-376円、-5.17%)以来、11ヵ月ぶりの急落。
プラチナ価格は-166円、3.73%の大幅安で3日ぶりの反落。3月10日(-302円、6.46%)以来2ヵ月ぶり、今年2番めの急落で5月2日(4200)以来、10日ぶりの安値。4450円近辺の短期上値目標到達後の一服もなく、中期レジスタンス4500円トライを意識する間もなく切り返す展開となって前日の100円超の上げ幅を帳消し。4330円の節目割れとなって下値トライへの警戒感も再浮上。短期的には4240円近辺までが下値目安となり、ゆるやかに上昇する90日移動平均線(4186)が当面の下値サポートにも。
週間ベースでは-90円、2.06%の反落。
※参考:
金プラチナ国内価格5/13とチャート
2022年05月13日(金)時点の相場
国内金:8,238 円 5/13(金)
▼199(
2.36%)
国内プラチナ:4,281 円 5/13(金)
▼166(
3.73%)
NY金:1,824.6 ドル 5/12(木)
▼29.1(
1.57%)
NYプラチナ:931.4 ドル 5/12(木)
▼58.4(
5.90%)
ドル円:128.30 円 5/12(木)
▼1.69(
1.30%)
5/12(木)のその他主要マーケット指標
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