前年比PCEは17ヵ月ぶり低下、コアPCE続落でインフレ鈍化?
更新日:2022年05月28日(土)
4月のPCEデフレータは前年比+6.27%。市場予想の+6.2%低度を若干上回るも、40年2ヵ月ぶり高水準となった3月の+6.61%からは低下。前年比PCEが前の月よりも低下するのは2020年11月以来、17ヵ月ぶり。ただ水準としては過去40年3ヵ月で2番めの高い伸び率。
食品とエネルギー関連を除くコアPCEは前年比+4.91%。ほぼ市場予想どおりで3月の+5.20%からは低下。38年10ヵ月ぶり高水準となった2月の+5.30%がピークとなって2ヵ月続落。12月(4.89)以来、4ヵ月ぶりの低水準となり、1983年10月以降の38年7ヵ月では4番目の高水準。
内訳では、商品価格が3月の前年比+10.6%から4月は+9.5%。9ヵ月ぶりの低下で2月と並び近年2番めの高水準。商品のなかでは耐久財が前年比+8.4%となって3ヵ月続落で7ヵ月ぶり低水準、インフレ鈍化の兆しとなっているのに対し、耐久財以外は2ヵ月連続+10%台で高止まり。
サービス価格は3月の前年比+4.5%から4月は+4.6%へと上昇。1-2月と並び近年最高水準での高止まり。
食品価格は3月の前年比+9.2%から4月は+10.0%、11ヵ月連続上昇中。エネルギー関連は前年比+30.4%で2ヵ月連続30%超での高止まり。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+3.75%。3月の+3.70%を上回り、15ヵ月連続の上昇。1991年1月(3.82)以来、31年3ヵ月ぶりの高水準。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCEは前年比+4.39%。3月の+4.12%を上回り、1990年9月(4.53)以来、31年7ヵ月ぶりの高水準。
PCE指数構成品目の上下20-30%を除いて算出するトリム平均、PCEの価格変動分布50%台で計算するメディアンPCE、これらはいずれもまだ、インフレ鈍化の兆しとはなっていません。
27日のNY金相場は+9.7ドル、0.53%の続伸。時間外の1850ドル台からロンドン・NY時間には1860ドル台へ、揉み合いながらも若干水準を切り上げるも米4月PCEの結果を受けて小幅に乱高下。1860ドル台後半へと上昇後には1850ドル台前半へと急反落、いずれも一時的となってNY後には1850ドル台後半へと収束。インフレ鈍化の可能性を示唆しながらも高止まり、さらなる大幅利上げ観測にはつながらず、それでいてインフレヘッジのニーズも高止まり、そんなPCE動向とわずかなドル安基調に下支えされた状態にも。下げ止まりつつある20日移動平均線(1847.2)近辺が目先の下値サポートとなり、1870ドルまでの小幅保ち合いレンジで3連休と月末月初の重要指標ウィークへ。この日の変動値幅も15ドルで今年の平均29.3ドルのほぼ半分、今年7番めの小動きとなって保ち合いブレイク待ち状態にも。上抜けなら1900ドルの大台ラインを目指す流れへ、下抜けなら1800ドルの大台近辺が下値目標に。
週間ベースでは+15.2ドル、0.83%の続伸。
NYプラチナは+5.6ドル、0.6%の続伸。940ドルを挟んでの保ち合いに終始したなかで、結果的に930ドル台後半から940ドル台前半へと水準を切り上げる格好に。高値ではNY午前に940ドル台後半を試しながらも20日移動平均線(946.4)にしっかり上値を押さえられた形にも。この日の変動値幅は金をも下回る12.5ドル。今年の平均33.1ドルの3分の1強、今年最小で2019年12月16日(10.5ドル)以来2年5ヵ月ぶりの小動き。日足レベルでは13日以降の保ち合いで、レンシを拡大後に縮小するダイヤモンド・フォーメーションを形成してのブレイク待ち状態に。950ドル台の節目を突破して上方ブレイクなら短期上値目標は980ドル近辺。920ドル台を割り込んで下方ブレイクなら短期下値目標は900ドルの大台ラインも視野に910ドル前後まで。流れ的には上方への確率が高そうな状況も、果たして。
週間ベースでは+1.9ドル、0.2%の小幅続伸。
ドル円は5銭程度のドル高円安、0.04%の小反発。東京午前には一時ドル売りが強まる場面もあり、127円近辺から126円60銭台まで下落してこの日の安値。前日までの3日間の安値を下回らずに下げ渋ると東京市場終了後には127円20銭付近まで反発。欧州・NY時間にかけては127円付近を中心に小幅揉み合い推移、PCE発表前にはインフレ鈍化を先読みする向きもあってか126円80銭台へと水準を切り下げるも指標発表後には127円台へと小幅に急反発、ただし上値も重くミシガン大消費者信頼感指数の5月確報値が10年ぶり低水準でさらに下方修正されると126円80銭台まで再反落。しかしこれも続かず、NY午後には何事もなかったかのように127円10銭付近での膠着状態に。この日の変動値幅は58銭程にとどまり、今年の平均98銭低度の6割弱の小動きとなって小さな十字線を形成。月末月初に向けて反発か、調整継続か、小幅保ち合いブレイクをかけた攻防にも。目先の抵抗線、5日移動平均線(127.24)をしっかり上方ブレイクできれば128円近辺までの反発局面形成へ。126円80銭のサポート割れなら調整継続で短期下値目安は126円割れへ。
週間ベースでは-82銭、0.64%安で3週続落。3週続落は2021年4月以来、1年1ヵ月ぶり。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/27終値とチャート
2022年05月28日(土)時点の相場
国内金:8,269 円 5/27(金)
▼13(
0.16%)
国内プラチナ:4,226 円 5/27(金)
▲19(
0.45%)
NY金:1,857.3 ドル 5/27(金)
▲9.7(
0.53%)
NYプラチナ:943.0 ドル 5/27(金)
▲5.6(
0.60%)
ドル円:127.11 円 5/27(金)
▲0.05(
0.04%)
5/27(金)のその他主要マーケット指標
金もプラチナも38.2%、月末月初の攻防ライン 05/30(月)新規失業保険申請件数、4週移動平均では7週連続増 05/27(金)相関から逆相関へ、調整一服のドル、反発一服の金 05/26(木)住宅と製造業景況感で2年ぶり低水準、米指標悪化でドル全面安 05/25(水)
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