インフレ期待は7月に急低下、ミシガン大に続きNY連銀調査でも
更新日:2022年08月09日(火)
NY連銀の7月消費者調査によれば、1年先のインフレ期待中央値は6.22%。過去最高更新が続いて6.78%まで上昇した6月からは0.56%の急低下。2月(6.00)以来、5ヵ月ぶりの低水準に。
3年先のインフレ期待は3.18%となり、これも6月の3.62%からは0.44%の急低下、昨年4月(3.10)以来、1年3ヵ月ぶりの低水準。こちらは昨年10月に3ヵ月連続過去最高となって4.21%まで上昇してピークアウト。
なお、ミシガン大の調査でも、7月の1年先インフレ期待は5.2%となって6月からは0.1%の低下、40年ぶり高水準となった3-4月の5.4%でピークアウトした格好に。
FRBが重視するミシガン大の5年先インフレ期待も7月は2.9%となり、1月と6月の10年超ぶり高水準3.1%がピークとなった可能性。
NY連銀の調査では、ガソリン価格の変動予想が6月の5.63%から7月は1.46%へと急低下。3月や2021年には9%台後半の過去最高水準を何度も記録しての高止まり状態からの反動もあり、過去最低水準へと急降下。食品価格も6月までの9%台から7月は6.66%、1年3ヵ月ぶり低水準へと急低下。
食品とエネルギー関連が7月インフレ期待急低下を牽引したようです。
なお、医療費は9.20%となって1年3ヵ月ぶり低水準も、6月の9.48%からは小幅低下で9%台の高水準での推移が継続中。
教育費は8.43%となって6月からは小幅に低下で半年ぶり低水準も、8%台の高水準を維持。家賃は10%台から半年ぶりに9%台へと低下も、依然高水準。
食品とエネルギー関連を含むCPI総合指数も7月は鈍化が予想されていますが、食品とエネルギーを除いたコアCPIでは高止まりが予想されているのと一致しています。
また、NY連銀調査で1年後の株価が現在よりも上昇すると予想した人の割合は、過去最低となった6月の33.77%から7月は34.26%と小反発。5月の36.24%にも届かず、過去2番めの低水準。下げ止まりの可能性を示した状態。
まだまだ先行き不安を警戒する見方は強いようです。
8日のNY金相場は+14.0ドル、0.78%の反発。週明け時間外は1790ドルを挟んでの小幅揉み合い推移、ロンドン市場ではドル安の流れに連れて反発基調再開。NY朝に1800ドルの大台ラインでの攻防を突破するとNY午後には1800ドル台半ばで落ち着く展開に。雇用統計後の下げを取り戻す形となり、下値サポートを1790ドルに切り上げて1810ドルまでの小幅保合いレンジを形成して7月CPI待ちへ。上限突破となれば3月高値(2078.8)から7月安値(1678.4)までの38.2%戻し(1831.4)近辺までが短期上値目標。下限を維持できなくなれば23.6%戻し(1772.9)割れへ、下値目安は1760ドル台辺りまで。
NYプラチナは+13.7ドル、1.48%の反発で6月21日(939.5)以来、7週間ぶりの高値。6月8日以来、2ヵ月ぶりに90日移動平均線(930.5)も上抜け。アジア時間に920ドルをわずかに割り込む浅めの押し目を形成後には押し目買い。ロンドン市場では金の上昇局面にも追随、930ドルを超えるとNY市場では940ドル台へ。高値では950ドル手前まで上昇し、NY午後には一時940ドル割れも、引け後には940ドル台回復へと堅調推移。多少の行き過ぎ目安、3月高値と7月安値の38.2%戻し(955.8)近辺にもあとわずかのところまで上昇しての一服状態にも。目先は直近の上値目標水準で下げ止まりつつある90日線近辺、930ドルが下値サポート候補。サポートされない場合には880ドル台までは下げやすい状態にも。
ドル円は先週末からほぼ変わらず、135円ちょうど付近で横ばい推移。週末の急騰一服状態から、週明け東京時間には売り買い交錯、上昇局面再開となって週末高値をわずかに超える135円60銭付近まで上昇したのがこの日の高値となり、東京時間に135円台半ばの上値トライを何度か試して跳ね返されると欧州時間には米10年債利回り低下とドル安の流れで軟調推移。135円を割れるとNY午前には一時134円30銭台まで下落。NY午後には買い戻し圧力優勢となって135円台回復トライへ。134円の節目超えに伴う短期上値目標136円台前半まで、もう少しの上昇余地を残す状態でCPI待ちへ。下値サポートは132円80銭近辺、インフレ鈍化の兆しなどをきっかけにこれを割れるようだと一段安へ、8月安値更新トライとなって130円前後までが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/8終値とチャート
9日の国内金価格は+47円、0.56%高で5日続伸。5日続伸以上は4月以来、4ヵ月ぶりで今年5度め。水準としては7月5日(8643)以来、5週間ぶりの高値となり、7月6日以来、1ヵ月ぶりに90日移動平均線(8472)も上抜け。ゆるやかな上昇軌道を維持する90日線超を維持できるなら、8500円の大台回復も時間の問題か。下方向へはあっさり上抜けた直近の短期上値目標、6月高値から8月安値の38.2%戻し(8432)付近がサポートに切り替わるかどうか。
プラチナ価格は+45円、1.03%高となって6日続伸。6日続伸以上は6月以来、2ヵ月ぶりで今年3度め。水準としては6月30日(4431)以来、6週間ぶりの高値。4190円台の節目上抜けに伴う短期上値目標、6月高値(4682)から7月安値(4070)までの半値戻し(4376)近辺に到達してなお一段高。さらなる行き過ぎ目安としては61.8%戻し(4448)から6月末高値(4454)、4450円近辺も視野に。下方向へは下げ止まった90日移動平均線(4288)から4300円近辺がサポート候補。
※参考:
金プラチナ国内価格8/9とチャート
2022年08月09日(火)時点の相場
国内金:8,480 円 8/9(火)
▲47(
0.56%)
国内プラチナ:4,405 円 8/9(火)
▲45(
1.03%)
NY金:1,805.2 ドル 8/8(月)
▲14.0(
0.78%)
NYプラチナ:938.4 ドル 8/8(月)
▲13.7(
1.48%)
ドル円:135.02 円 8/8(月)
▲0.01(
0.01%)
8/8(月)のその他主要マーケット指標
大幅利上げ継続見通しでドル円のボラティリティも急拡大 08/10(水)底打ちの兆しも大幅利上げ観測再燃、保合い続く夏場の金価格 08/08(月)リセッション懸念を吹き飛ばす雇用統計に大幅利上げ観測再燃 08/06(土)失業保険申請件数、4週移動平均では横ばいを挟んで16週続伸 08/05(金)
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