米9月PPIは予想ほど鈍化せず、コアPPIは半年ぶりに上昇
更新日:2022年10月13日(木)
米9月CPIの前日に発表された生産者物価指数PPIは市場予想を上回り、インフレ鈍化が想定ほど進まず、FRBの大幅利上げ肯定材料の一つに。また、この結果を受けてCPIも同様に多少の上ブレも警戒されることにもなり、米長期金利と米ドルは高止まり、株価には下押し圧力継続、金も上げ渋る展開に。
9月PPIは前年比+8.55%。市場予想の+8.4%程度を上回り、8月の+8.66%からは-0.11%。過去最高となった3月(11.66)でピークアウトし、6月までは11%台での高止まり、その後3ヵ月続落となって1年2ヵ月ぶり低水準へと急低下。ただし直近では小幅低下となって急ブレーキ。
食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年比+7.25%。市場予想の+7.3%程度をわずかに下回るも、8月(7.18)からは上昇。過去最高の3月(9.71)から5ヵ月連続低下で10ヵ月ぶり低水準となっていた8月からは半年ぶりの反発となって下げ渋り。
食品とエネルギー、貿易サービスを除いたコア指数(コアPPI2)は前年比+5.65%。過去最高の3月(7.12)から5ヵ月連続低下で1年2ヵ月ぶり低水準となった8月(5.61)からは反発。半年ぶりの上昇でこちらも下げ渋り。
CPIが市場予想どおり前年比+8.1%となった場合のPPIとCPIとの差は0.45%へ。3月までの3%前後から5ヵ月連続縮小で1年7ヵ月ぶり低水準となった8月(0.40)からは+0.05%。小幅ながら半年ぶりに拡大することに。
サプライチェーンの問題改善にもかかわらず、サービス価格の上昇がPPI上昇に寄与し、インフレ定着への警戒感も。
12日のNY金相場は-8.5ドル、0.50%の反落。時間外序盤の小幅安で1670ドル割れも前日安値を下回らず、ただし反発も限定的となってロンドン・NY市場にかけては1670ドル台後半での小幅保ち合い推移。米9月PPIの高止まりを受けて売られた場面も一時的、1670ドル手前で切り返すとNY引け後には米10年債利回り低下とドルの上げ渋りにも連れて一時1685ドルまで上昇。日足レベルでは中期重要水準1670ドル台を維持してまたも下げ渋る展開に。しかし米9月CPIが予想以上に高止まりとなれば一段安を試しに行く展開は避け難く、9月安値水準1620ドル近辺までが短期下値目安。上方向へは1690ドルが節目となり、インフレ鈍化などをきっかけにこれを超えるようなら一定の反発局面形成へ、9月高値更新トライとなって1750ドル付近までが当面の上値目標にも。
NYプラチナは-18.1ドル、2.01%の反落。890ドル割れでスタートした時間外は下げ渋り、アジア時間終盤には890ドル台後半まで反発。しかし900ドル手前では上値も重く、20日移動平均線(893.4)も抵抗線に切り替わった格好でロンドン・NY朝にかけては880ドル割れへと急反落。910ドルの節目割れに伴う短期下値目安870ドル近辺まであと少しのところまで下げた後は880ドルを維持して下げ渋り。若干の下げ余地を残す状態でCPI下振れなどをきっかけにNY金の一段安に追髄する展開となった場合には多少の行き過ぎも。9月安値(796.8)から9月高値(943.5)までの61.8%戻し(852.8)近辺までが行き過ぎ警戒水準。
ドル円は107銭のドル高円安、0.73%高となって6日続伸。6日続伸は1ヵ月ぶりで今年6回め。1998年8月11日(147.26)以来、24年2ヵ月ぶりのドル高円安水準。東京朝に145円60銭台の安値をつけて切り返すと株式市場スタートとともに上値トライ再開。9月22日の円買い為替介入直前高値145円90銭を突破すると146円20銭台まで急騰、急変動を自制するかのうように若干の揉み合いを経て午前中のうちに146円30銭台まで上昇も、欧州時間序盤にかけては146円台前半での揉み合い推移。欧州・NY時間にかけてはゆっくりと、しかし着実に水準を切り上げる展開となってNY午後には146円90銭台まで上昇。米9月PPIの結果は翌13日のCPIの高止まりも連想させることにもなり、堅調推移をサポート。短期上値目標146円台前半に到達してもなお水準を切り上げてCPI待ち、上ブレなら短時間で、予想を大きく下振れない限りは多少時間を要しても1998年8月高値147円60銭台の節目を目指す流れへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/12終値とチャート
13日の国内金価格は+99円、1.16%高で4日ぶりの反発。10月7日(8710)以来、1週間ぶりの高値。21日移動平均線(8506)にサポートされての反発で9日移動平均線(8589)を再び上抜け。21日線の傾きが上向けば強気のパーフェクトオーダーとなり、上値再トライをサポート。8730円超へ10月高値更新となれば一段高へ、8770円台から8800円近辺が意識される展開にも。逆に8510円の節目を割れると一段安へ、8450円近辺までが短期下値目安に。
プラチナ価格は+4円、0.09%小幅高で3日ぶりの反発。中期三角保合い上限ライン上抜け失敗後の反落局面から抜け出し切れず、下落途中の一服状態にも。下抜けたばかりの9日移動平均線(4516)を上抜けできれば明確な下げ止まりとともに強気パーフェクトオーダー再開となって反発への可能性も再拡大。いずれ中期三角保合い上限再トライへと向かうチャンスも。引き続き21日移動平均線(4468)近辺が短期下値サポート候補。
※参考:
金プラチナ国内価格10/13とチャート
2022年10月13日(木)時点の相場
国内金:8,611 円 10/13(木)
▲99(
1.16%)
国内プラチナ:4,496 円 10/13(木)
▲4(
0.09%)
NY金:1,677.5 ドル 10/12(水)
▼8.5(
0.50%)
NYプラチナ:881.0 ドル 10/12(水)
▼18.1(
2.01%)
ドル円:146.92 円 10/12(水)
▲1.07(
0.73%)
10/12(水)のその他主要マーケット指標
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