ドルインデックスの三番天井とNY金の三番底
更新日:2022年11月09日(水)
ドルインデックスは9月28日高値で114.70ポイント台まで上昇し、10月13日には113.80ポイント台(21日にも113.80ポイント台)の高値をつけ、10月27日に109.30ポイント台の安値をつけた後、11月3日には113.00ポイント台の高値をつけ、三番天井をつけた後の高値揉み合い状態。そして11月8日安値では109.20ポイント台まで下げて一時的に安値を更新し、現状109.50ポイント台での推移。
これに対してNY金は9月28日安値で1622ドル台まで下落し、10月4日には1738ドル台の高値をつけた後、10月21日には1621ドル台(20日にも1626ドル台)の安値をつけ、11月3日には1618ドル台の安値をつけ、三番底をつけた後の安値揉み合い状態。
ドルインデックスは微妙に上値を切り下げ、ドル高ピークアウトの可能性も漂う状況に対し、NY金は微妙に下値を切り下げ、こちらはボトムアウトの可能性も漂わせながら、底抜け警戒感も残る状況のようにも。
微妙な違いはあるものの、ドルインデックスは10月27日安値(と11月8日安値)を下回ればトリプルトップ完成となってドル高基調もピークアウトへ、NY金は10月4日高値を上回ればトリプルボトム完成となって今年3月から続いた中期下落トレンドもボトムアウトへ。
ネックラインは109.20ポイント台と1738ドル台。現状、ドルインデックスはネックライン付近での攻防状態にあるのに対し、NY金はネックラインまで少し距離を残す状況。
利上げの終着点見通しが未だ明確化せず、見方も分かれる状況を象徴しているのかもしれません。
8日のNY金相場は+35.5ドル、2.11%高となって3日続伸。10月6日(1720.8)以来、1ヵ月ぶりの高値。90日移動平均線(1715.4)上抜けは4月29日以来、半年ぶり。時間外は1670ドル台での小幅揉み合いから軟調気味の推移となり、ロンドン市場では1670ドル割れ。しかし一時的となって下げ渋るとNY朝にかけて1670ドル台半ばへと反発、米10年債利回りが4.2%割れへと急低下してドル安も急進となった流れに連れ、NY午後には急騰。短期上値目標1690ドル近辺を突き抜けると1700ドルの大台ラインも抵抗感なく突破、NY引けにかけて1710ドル台へと水準を切り上げると高値では1720ドルを何度も試して高止まり。10月21日安値(1621.1)と11月3日安値(1618.3)とで構成するダブルボトムのネックライン、10月28日高値(1679.4)を上抜けての一段高トライの展開に。CPIの結果次第ではダブルボトムの値幅分上昇した場合の上値目安、1737.7ドル近辺も意識される可能性。
NYプラチナは+25.1ドル、2.54%高となって大幅に3日続伸。6月6日(1030.0)以来、5ヵ月ぶり高値を更新。前日NY引け後には1000ドルの大台付近で上値を押さえられ、抵抗感はこの日の時間外も継続、ロンドン市場で一時980ドルを割れたのが安値となって反発。NY午後には金の急騰局面に追髄、大台ラインを突破すると1010ドル台へと一段高、NY引け後も1010ドル付近で高止まり。短期的には一服感も生じやすく、過熱感もジワリと上昇も、CPI後のNY金の動向次第ではもう一段の行き過ぎも。今年の高安、3月高値から9月安値までの61.8%戻し(1044.1)近辺までが意識される可能性も。
ドル円は96銭のドル安円高、0.65%安となって3日続落で10月7日(145.40)以来、1ヵ月ぶりのドル安円高水準。146円台半ばでの保ち合い推移となった東京時間を経て、欧州序盤に146円90銭台まで上昇したのがこの日の高値となって軟調推移の展開に。欧州時間には146円10銭台まで下げ、NY朝には146円50銭台まで反発後に戻り売り、米10年債利回り急低下とドル安の流れが急速に強まって前日安値を下抜けると146円割れ、NY午後には145円30銭台まで下落。利上げペース減速観測が徐々に優勢となる流れに押される格好となり、146円近辺の節目下抜けに伴い、もう一段の下値トライへと向かう可能性も。CPIの結果次第では切り返す可能性も残されるものの、そうならない場合には9月安値圏142円台辺りまでが当面の下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/8終値とチャート
9日の国内金価格は+110円、1.28%の大幅反発で10月6日(8726)以来、1ヵ月ぶりの高値。急騰後の一服を挟み、NY金の一段高に牽引されて再び急騰。6月以降の中期三角保合い上方ブレイク後の上値トライとして短期的に想定していた上値目安8600円台後半程度も突き抜ける形となり、10月高値とでダブルトップ(の可能性)を形成、9月高値(8698)とも合わせてトリプルトップの可能性も。と同時に強めの抵抗水準にもなり得るこの8700円近辺をさらに上抜けるようだと、次に意識される水準としては過去最高値8860円近辺。
プラチナ価格は+31円、0.62%高で3日続伸。2015年2月6日(5037)以来、7年9ヵ月ぶりの高値を更新。強気のパーフェクトオーダー再構成の勢いとNYプラチナの大台回復に牽引されて5000円の大台を回復。短期的には一服感とともに、10月末高値(4867)から11月安値(4744)までの下げ幅の261.8%戻し(5066)近辺までが適度な行き過ぎ目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格11/9とチャート
2022年11月09日(水)時点の相場
国内金:8,722 円 11/9(水)
▲110(
1.28%)
国内プラチナ:5,022 円 11/9(水)
▲31(
0.62%)
NY金:1,716.0 ドル 11/8(火)
▲35.5(
2.11%)
NYプラチナ:1,014.5 ドル 11/8(火)
▲25.1(
2.54%)
ドル円:145.69 円 11/8(火)
▼0.96(
0.65%)
11/8(火)のその他主要マーケット指標
鈍化継続予想の米国CPI、欧州、OECD、G20ではインフレ加速中 11/10(木)中国10月輸出入はともに低調、問題は年末年始に向けての急増 11/08(火)三角保合いの国内金価格、斜行三角保合いのプラチナ 11/07(月)強弱混在の雇用統計、利上げ効果で利上げペース減速観測台頭 11/05(土)
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