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★金プラチナ短期相場観★

コロナ後に明暗分かれる米中小売売上高
更新日:2022年11月17日(木)
小売売上高(前年比)米国vs中国 2022年10月米商務省が発表した10月の小売売上高は前月比+1.3%。市場予想の+1.0%を上回り、今年2月(+1.7%)以来、8ヵ月ぶりの大幅増。自動車を除く売上高も前月比+1.3%となり、これも5月(+1.3)以来5ヵ月ぶりの大幅増。
予想を上回る好結果を受けて、敏感に反応したドルは一時的には小幅に急騰、NY金も小幅に急落で反応。
高インフレが続き、大幅利上げも続いて景気減速懸念も強まるなかでも、米国の需要の強さは衰えを見せず、デマンド・プルによるインフレ高止まり懸念もなかなか払拭しきれない状況にも陥っているようにも見えます。
大幅利上げ継続か、利上げペース減速か、FRBのジレンマも続きそうです。

なお、米国のGDPの大半を支える個人消費の好調ぶりは中国との対比で、より顕著に表れます。
今週、中国の国家統計局が発表した10月の小売売上高は前年比-0.5%。9月の+2.5%から急低下、5月以来5ヵ月ぶりの前年割れへと落ち込んでいます。
不動産業の落ち込みやゼロコロナの影響で低迷が続く中国の小売売上高は、コロナ後の急回復を経て2021年から2022年にかけての状況は、乱高下を含みながらも総じて低調。前年比+7-8%台で推移していたコロナ以前の2019年までの状況には程遠い状態。
これに対して米国の10月は前年比+7.85%。コロナ後の急回復を経て2022年春以降はほぼ前年比+8%前後での推移が続きます。2019年平均の+3.1%を大きく上回る水準での伸びが継続中。

それでも8月の前年比+10.95%からは2ヵ月連続の減速、3月(7.39)以来、7ヵ月ぶりの低水準。自動車を除く数値も10月は前年比+8.58%となり、続落で7ヵ月ぶりの低水準。
米国の個人消費は予想外の好調が続くなかでも、ジワリと減速の兆しも見られるようです。

NY金・日足チャート 2022/10/13 - 11/1616日のNY金相場は-1.0ドル、0.06%の小幅続落。11月前半の急騰一服後は調整も限定的となり、1770ドル台での膠着状態に。この日もアジア時間に1780ドル付近から1770ドル台前半まで下押し後に反発、ロンドン市場では1780ドル台後半へ。しかし前日高値には届かず、1790ドル手前で失速するとNY市場では1780ドル割れ。この日の変動値幅は14.8ドルとなって11月最小、今年の平均27.7ドルの半分強。膠着感のなかで過熱感解消も進まず、むしろ高まる状態にもなって反落警戒感も徐々に拡大。1780ドル近辺での抵抗感が強まり、調整方向への目安としては11月安値(1618.3)から高値(1791.8)の23.6%戻し(1750.9)近辺、勢い余れば38.2%戻し(1725.5)辺りまでも。

NYプラチナ・日足チャート 2022/10/13 - 11/16NYプラチナは-6.2ドル、0.61%安となって4日続落。11月9日(997.3)以来、1週間ぶり安値を更新。1020ドル台での保ち合いからロンドン市場では1030ドル台半ばまで反発して失速、NY市場では1020ドル割れ、ただし1010ドル付近では下げ渋り。急騰後の調整局面では下値サポート候補、9月安値(796.8)から11月高値(1074.1)までの23.6%戻し(1008.7)近辺にほぼ到達した状態に。この日の変動値幅22.9ドルは10月18日(22.7)以来、1ヵ月ぶりの小動きとなって急変動一服を示唆する可能性も。ただし当面の下値サポート990ドル台を割り込むようだと38.2%戻し(958.2)近辺までが一段安の目安に。

ドル円・日足チャート 2022/10/13 - 11/16ドル円は22銭のドル高円安、0.16%の反発。139円20銭台から138円70銭台まで下押し後に反発した東京市場では140円20銭台まで上昇。140円台を維持できずに欧州時間に入るとユーロ高ドル安基調に押される形となって139円10銭台まで水準を切り下げての揉み合い状態に。NY市場では米10月小売売上高の好結果を受けて139円台半ばから140円台へと急騰、しかし10月の鉱工業生産が予想を下回ると139円近辺まで急反落、その後は139円台半ばでの揉み合い状態に。日足では急落後も少しづつ上値を切り下げ、しかし下値もわずかに切り上げ傾向、いったんは下げ渋る形での保ち合い状態も依然下押し圧力は強く、一方で売り過熱感も高まる状態となって反発への可能性も徐々に高まる状況にも。抵抗水準となりつつある140円ラインを完全に上抜けることができれば142円台辺りまでの反発も、138円台半ばを維持できなくなれば137円割れへと一段安の展開にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/16終値とチャート

17日の国内金価格は-9円、0.1%の続落。9日移動平均線(8679)をわずかに下回って強気のパーフェクトオーダー崩れとなり、上値トライに向けた流れは失速、反落方向へと傾斜し始めた格好にも。それでも高値保ち合いを維持し、8720円超へと切り返すことができれば保ち合い上放れ、11月高値を更新して8800円の大台ラインが意識される展開へと向かう可能性も。逆に失速感が強まって8630円割れなら下放れ、9月安値(8280)から11月高値(8744)までの38.2%戻し(8567)近辺までが下値目安に。

プラチナ価格は-61円、1.24%安で4日続落。11月7日(4853)以来、10日ぶり安値を更新。4990円の節目割れに伴う短期下値目安4930円程度到達後も行き過ぎの展開となり、この場合の下値サポート候補4870円から21日移動平均線(4860)辺りに到達。21日線でサポートされない場合には9月安値(4052)から11月高値(5076)までの23.6%戻し(4834)近辺が次のサポート候補に。
※参考:金プラチナ国内価格11/17とチャート

2022年11月17日(木)時点の相場
国内金:8,677 円 11/17(木) ▼9(0.10%)
国内プラチナ:4,870 円 11/17(木) ▼61(1.24%)
NY金:1,775.8 ドル 11/16(水) ▼1.0(0.06%)
NYプラチナ:1,016.2 ドル 11/16(水) ▼6.2(0.61%)
ドル円:139.56 円 11/16(水) ▲0.22(0.16%)
→11/16(水)のその他主要マーケット指標

←フィラデルフィア連銀製造業景況指数、11月は予想外の急低下 11/18(金)
→PPIも10月は予想以上に鈍化、一時ドル急落、NY金は急騰 11/16(水)
→インフレ鈍化の10月、インフレ期待は再上昇 11/15(火)
→国内金は保合い上抜け失敗、プラチナは保合い上抜け維持 11/14(月)

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