ドル円1日当りの変動値幅はコロナ超、リーマンショック以来
更新日:2022年11月29日(火)
ドル円の1日当りの変動値幅は、11月28日時点で今年の年間平均は1.33円。0.55円から0.89円までで推移した昨年まで5年間の低ボラティリティから急拡大。
ドル高円安の流れが急速に進行した今年の変動値幅は、2016年平均の1.21円、2009年平均の1.21円を超え、2008年平均1.41円以来、14年ぶりの大幅変動。21世紀では2番めの大荒れの年に。
月間平均では、現時点で11月は2.13円。年間平均を大幅に上回り、今年最大となった9月の1.64円も遥かに超える高ボラ状態。コロナショックの2020年3月(1.95円)も上回り、リーマンショックの翌月、2008年10月(2.64円)以来、14年1ヵ月ぶりの大幅変動。1日当りの変動値幅が月間平均で2円を超えるのも、これ以来。
10月末に今年高値152円付近までのドル高円安が進行してピークアウト後、11月に入ってからの大幅調整局面は、今年最大の高ボラ状態となり、21世紀では2番めの大荒れ月となっています。
11月28日のドル円の変動値幅は1.93円。11月平均を少し下回るも、年間平均を大きく上回る高ボラ状態は依然継続中。調整一服後の乱高下状態が続く状況とも言えそうです。
変動値幅は、いずれ縮小することが想定されます。そうなった場合、その後の再拡大は新たなトレンド形成の可能性を示唆する兆候にも・・・。
28日のNY金相場は-13.7ドル、0.78%安で4日ぶりの反落。週明け時間外は1750ドル台から1740ドル台半ばまで下押し後に反発。中国でのゼロコロナ政策へのデモや抗議活動が拡大したことなどからリスク回避ムードが強まり、ロンドン時間にはユーロ高ドル安基調も強まったことなどにもサポートされて1760ドル台まで上昇。10日ぶり高値をつけた後、NY市場では巻戻しの展開へ。セントルイス連銀ブラード総裁の市場の楽観見通し牽制発言やNY連銀ウィリアムズ総裁、クリーブランド連銀メスター総裁などの相次ぐタカ派発言などからドル高・株安・金安の流れが急速に進行、NY引けにかけて1740ドル近辺へ。一時的には1740ドルを割り込みながら、下方向への節目となる1730ドル台では底堅さも。レンジ上限を1760ドルへと切り下げ、目先は保ち合いの様相に。1760ドル超へと抜け出すことができれば11月高値再トライへ、1790ドル近辺が上値目標に。一方で1730ドル台を維持できなくなれば1710ドル近辺までが下値目安に。
NYプラチナは+11.5ドル、1.16%の反発。時間外序盤には一時980ドル割れも、1週間ぶり安値をつけて折り返し。ロンドン市場で990ドル台を回復するとNY朝には1000ドルの大台へ。高値では1010ドル台前半まで上昇し、10日ぶり高値をつけて失速。NY金の急反落と株安基調にも追随する形となってNY午後には大台割れ。その後は大台回復再トライも一時的にとどまってNY引け後には大台ラインが抵抗線化の様相にも。目先、980ドル台から1000ドルまでの小幅保ち合いレンジをしっかり上抜けることができれば、1020ドル台辺りまで上値を伸ばす展開にも。980ドル台のサポートを割れると950ドル近辺までが短期下値目安に。
ドル円は27銭のドル安円高、0.19%の反落。東京朝に139円40銭台まで小幅上昇も、先週末高値手前で失速。中国各地でのゼロコロナ反対デモによるリスクオフから円高の流れが強まり、139円を割れると東京市場終了後には138円割れへ。欧州時間には一時137円50銭近辺まで下落し、8月26日安値(136.17)以来、3ヵ月ぶり安値をつけて切り返し。NY市場では複数のFRB高官によるタカ派発言を受けてドル高の流れが強まり、NY午後には139円回復トライへ。引き続き139円台前半の節目割れに伴う下値目安136円台前半を目指す流れは継続の可能性。ただし、15日安値137円60銭台とこの日の安値147円50銭近辺とでダブルボトムの可能性を残して反発に転じた可能性も。139円台後半へと水準を切り上げるようなら下値トライ一服にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/28終値とチャート
29日の国内金価格は-89円、1.04%の反落で10月3日(8463)以来、8週間ぶりの安値。8530円が当面の下値サポートとなり切れずに8500円割れへと一段安、短期下値目安11月安値8490円近辺に到達。短期的には一服感も、雲の下限(8495)や90日移動平均線(8488)もわずかに割り込み、若干の行き過ぎ警戒感も。8450円程度までが短期的な行き過ぎの目安に。上方向には8580円が当面の抵抗水準に、これを突破できれば8630円台辺りまでが反発の目安にも。
プラチナ価格は+25円、0.53%高で4日ぶりの反発。4780円の節目割れに伴う短期下値目安4740円近辺到達による一服感からの自律反発。水平状態の21日移動平均線(4879)を下抜けた9日移動平均線(4825)上抜けが下押し圧力払拭への第1関門。4740円を割れると11月安値更新となって一段安へ、4700円割れを試しに行く展開へ。
※参考:
金プラチナ国内価格11/29とチャート
2022年11月29日(火)時点の相場
国内金:8,484 円 11/29(火)
▼89(
1.04%)
国内プラチナ:4,769 円 11/29(火)
▲25(
0.53%)
NY金:1,740.3 ドル 11/28(月)
▼13.7(
0.78%)
NYプラチナ:999.3 ドル 11/28(月)
▲11.5(
1.16%)
ドル円:138.90 円 11/28(月)
▼0.27(
0.19%)
11/28(月)のその他主要マーケット指標
底打ちのユーロ圏景況感、スペイン、フランスは反発できず 11/30(水)揺れ動くターミナルレート見通し、国内金は高値保ち合い継続へ 11/28(月)実質実効為替レート、10月にドル過去最高値、日本円は過去最安値 11/26(土)ドイツIFO企業景況感指数、期待指数続伸で底入れの兆し 11/25(金)
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