米住宅価格は鈍化継続、ケースシラーもFHFAも2年ぶり低水準
更新日:2022年12月28日(水)
米S&Pが発表した10月のケース・シラー住宅価格指数は303.86となり、4ヵ月連続の低下で8ヵ月ぶり低水準。前年比伸び率は+8.64%となって6ヵ月連続の鈍化で2年ぶりの低水準。伸び率1桁は1年11ヵ月ぶり。
より信用力の高い物件で構成されているとされる、米国連邦住宅金融庁(FHFA:Federal Housing Finance Agency)発表のFHFA住宅価格指数は、10月は392.72となり、9月からは+0.01%。2ヵ月連続の小幅上昇も、過去最高となった5-6月の396ポイント台には及ばず、ピークアウト後の横ばい推移状態。前年比伸び率では+9.78%となり、8ヵ月連続の鈍化。2020年9月(+9.45%)以来、2年1ヵ月ぶりの低水準となり、伸び率1桁も2年1ヵ月ぶり。
米FRBの利上げ効果もあり、住宅ローン金利高騰などから住宅市場の減速は続くものの、住宅価格は高止まり、コスト高騰も継続。
米住宅価格はほぼ2年ぶりの低い伸び率まで低下してきましたが、もう一段の低下も予想されます。
そして、住宅価格指数の低下傾向か、その伸び率鈍化傾向が続くか、あるいはその両方が重なることでリセッションに陥ってきた過去の歴史が繰り返される、そんなフェーズが進行し始めているようです。
27日のNY金相場は3連休前から+18.9ドル、1.05%の続伸で12月21日(1825.4)以来の高値水準に。1810ドル近辺へと水準を切り上げてスタートした時間外はドル安基調に連れ、ロンドン市場にかけて1810ドル台後半へと緩やかに上昇。NY市場で米住宅価格指数が市場予想を上回るとドル高の流れが強まり、一時1810ドル近辺まで下押しもNY午後にかけては急反発、6月27日高値(1842.8)以来、半年ぶりに1840ドル台まで上昇後は1820ドル近辺へと巻き戻し。高値保ち合い上限1830ドル超えトライには失敗した格好ながら、緩やかに上昇する20日移動平均線(1800.9)にもサポートされて下値切り上げの様相にも。現状の保ち合い下限1790ドルから1830ドルまでの保ち合いはもうしばらく継続見込みも、上方ブレイクなら1880ドル近辺まで、下方ブレイクなら1730ドル近辺までが急変動目安に。
NYプラチナはわずかに+0.1ドル、0.01%の小幅続伸。12月14日(1038.7)以来、2週間ぶり高値圏での小動き。時間外には1030ドル近辺から1040ドル台へとゆるやかに上昇後、NY市場では戻り売りとなって1010ドル割れへと急落。NY午後には金の急騰局面に追随する形となって1030ドル近辺へと急反発。結果的に水平軌道から上昇し始めた20日移動平均線(1017.0)にもサポートされて下ヒゲ長めの十字線を形成し、上値トライに向けた流れを維持。きっかけと勢いには欠ける状況ながら、11月高値圏1070ドル近辺までが当面の上値余地。
ドル円は26日の小反落から93銭のドル高円安、0.7%の反発で12月19日(136.92)以来、1週間ぶりの高値。東京・欧州時間序盤にかけては132円台後半での保ち合い推移、133円ラインを突破するとNY市場では米住宅指標発表直後に133円60銭付近まで上昇して高値を付け、NY午後には133円半ばでの保ち合い推移。今朝の東京市場では133円80銭台へ、もう一段の上値トライの様相にも。短期的には133円超えの勢いで134円前後までが目先の上昇余地に。132円半ばが下値サポートとなり、これを割り込んだ場合には131円近辺までが短期下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/27終値とチャート
2022年12月28日(水)時点の相場
国内金:8,399 円 12/27(火)
▲10(
0.12%)
国内プラチナ:4,740 円 12/27(火)
▲74(
1.59%)
NY金:1,823.1 ドル 12/27(火)
▲18.9(
1.05%)
NYプラチナ:1,029.7 ドル 12/27(火)
▲0.1(
0.01%)
ドル円:133.50 円 12/27(火)
▲0.93(
0.70%)
12/27(火)のその他主要マーケット指標
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