インフレ期待も鈍化継続+リセッション懸念で金価格を下支え
更新日:2023年01月30日(月)
週末の米インフレ指標が市場予想どおりの鈍化を示し、今後のインフレ予想を示す指標も引き続き鈍化基調継続を示唆。
金曜日に発表されたミシガン大の1年期待インフレは1月確報値で3.9%。12月の4.4%から急低下、ピークとなった昨年3-4月の5.4%からも大幅に低下し、1年9ヵ月ぶりの低水準。
5年期待インフレは2.9%となって12月からは横ばい推移。こちらは昨年1月と6月の3.1%がピークとなり、9月には2.7%まで急低下もその後は下げ渋り。
また、これらの指標も加味してFRBが独自に算出するインフレ期待モデル、共通インフレ期待指数(CIE)も2022年第4四半期には2.33%。過去最高となった第2四半期の2.40%から2四半期連続の低下で1年ぶりの低水準。
ミシガン大の5年インフレ期待との連動性が高く、インフレ高騰時には一時警戒感も高まったこれらの指標も落ち着き始め、インフレ高止まりへの警戒感も緩和傾向が鮮明となってきた様子。
そんな状況下で、リセッション懸念は比較的軽微にとどまるとの予想もありながらも、引き続きくすぶる状態。
インフレ緩和に伴うFRBの引き締め緩和への思惑と、解消し切れないリセッション懸念によって、金価格は下支えされています。
月末の週明け、時間外のNY金は限月交代もあり1940ドル台へと水準を切り上げてのスタート後にやや軟調推移。NYプラチナは1020ドル近辺での小動き。ドル円は129円80銭近辺での膠着状態から東京市場スタートとともに買われて130円台を回復、その後も堅調推移となって130円20銭台へ。
30日の国内金価格はわずかに-3円、0.03%安で3日続落。1月23日(8756)以来、1週間ぶりの安値。ただし最高値(8860)付近でのピークアウトで中長期トリプルトップ形成への可能性を残しての調整局面も下げ渋り。8800円台を維持するのは5日連続。前回は2022年6月高値(8859)をつけた1日のみ。その前は最高値(8860)を記録した2022年4月の5日連続。現状は8800円台の最高値圏推移期間の最長タイ。上昇を続ける9日移動平均線(8759)をサポート候補に最高値更新へと切り返すことができれば8900円台へ、国内金価格は新たな領域へと踏み出すことになる可能性も。
一目均衡表では三役好転の強気相場状態が継続中、いくつかの抵抗線を上抜けて過去最高値更新トライにはいったん失敗、めぼしいサポート候補は転換線(8732)。その下には基準線(8603)や90日移動平均線(8583)、雲の上限(8582)、下限(8572)などがサポート帯を形成。30日から31日にかけて雲のねじれが生じており、FOMCをきっかけに最高値更新へと一段高か、あるいは急反落か、日柄的に今週は急変動への警戒タイミング。
プラチナ価格は-11円、0.24%安で3日続落。2営業日連続で今年安値を更新し、12月23日(4552)以来1ヵ月ぶり安値圏での一段安。4630円台の節目割れに伴う軟調局面が続き、短期下値目安となる12月安値水準4550円台を目指す流れが継続。上昇軌道を維持する90日移動平均線(4714)を下抜けて下降する9日移動平均線(4678)を上抜けることができれば地合いも回復方向へ。
一目均衡表では三役逆転の弱気相場が継続中。9月安値を起点とする下値サポートラインも割り込み、12月安値以外にサポート候補は見当たらない状況に。反発方向へは転換線(4692)が最初の節目。基準線(4756)トライとなれば12月末水準(4740)超えも。月末までにこの水準に届かなければ、11勝3敗の高勝率を誇ってきた1月の強気相場は昨年までの6年連続上昇で途切れることに。なお、2月3日から週をまたいで6日にかけて雲のねじれが発生。FOMC直後に二番底をつけて急反発か、もしくは底抜けからの一段安か、波乱の展開にも要注意の月末月初に。
※参考:
金プラチナ国内価格1/30とチャート
2023年01月30日(月)時点の相場
国内金:8,804 円 1/30(月)
▼3(
0.03%)
国内プラチナ:4,601 円 1/30(月)
▼11(
0.24%)
NY金:1,929.4 ドル 1/27(金)
▼0.6(
0.03%)
NYプラチナ:1,016.8 ドル 1/27(金)
▼6.2(
0.61%)
ドル円:129.83 円 1/27(金)
▼0.40(
0.31%)
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