インフレ高止まり、PCEも上振れでドル円は136円台へ
更新日:2023年02月25日(土)
2023年1月のインフレ指標はCPI、PPIに続いてPCEも予想を上回る結果となり、インフレ鈍化減速、高止まり、利上げ継続への思惑が強まることに。そして長期金利上昇、ドル高の流れが強まり、株安とともに金も軟調局面継続へ。
1月PCEは前年比+5.38%。6ヵ月連続の低下で1年2ヵ月ぶり低水準となった12月の+5.29%(5.02から上方修正)からは0.09%上昇。
コアPCEは前年比+4.71%。市場予想の+4.3%を上回り、3ヵ月連続の低下で1年2ヵ月ぶり低水準となった12月の4.60%(4.42%から上方修正)からは0.11%上昇。
商品価格が前年比+4.7%。12月の+5.1%からは一段と低下し、7ヵ月連続の低下で2021年4月(4.5)以来、1年9ヵ月ぶり低水準。モノの価格はインフレ鈍化基調が継続中。
サービス価格は前年比+5.7%。12月の+5.4%から上昇、10月の+5.5%を上回って近年最高水準。サービス価格はゆるやかにインフレ加速基調が継続中。
ダラス連銀発表のトリム平均PCEは前年比+4.63%。12月の+4.66%からは小幅に低下。39年9ヵ月ぶり高水準となった8月と10月の+4.75%からは3ヵ月続落で6ヵ月ぶり低水準も、9ヵ月連続4%台。ピークアウト後も小幅鈍化レベルで高止まり。
クリーブランド連銀発表のメディアンPCEは前年比+5.77%。12月の+5.73%からは小幅に上昇。8ヵ月連続5%台、13ヵ月連続4%超。40年ぶり高水準となった8月の+5.81%からの鈍化幅は限定的となって高止まり。
FF金利は「最高6.5%まで」引き上げる必要も、との見方も飛び出すなどタカ派傾斜にはやや行き過ぎ感も、次回3月半ば発表の2月CPIの結果次第では3月FOMCでの0.5%利上げも現実的にも。
24日のNY金は-9.7ドル、0.53%安で5日続落。12月28日(1815.8)以来、2ヵ月ぶりの安値。5日続落は11月以来、3ヵ月ぶり。短期下値目安1820ドル台到達後の一服状態となった時間外は1830ドル近辺での小幅揉み合い推移。アジア時間でつけた高値も1835ドルまでにとどまり、ロンドン・NY市場にかけては米長期金利上昇とドル高の流れを受けて徐々に軟調推移。NY朝に前日安値を下回ると米1月PCEの上ブレもあり1820ドル割れ、ドル高一服となったNY午後には1815ドル付近で下げ渋り。日足レベルではやや一方的な下落基調が続いたことから戻りを試しやすい状態ながら、月末月初の指標結果に振られやすい時期にも。下値サポート候補は11月安値(1618.3)と2月高値(1975.2)の半値戻し(1796.8)から90日移動平均線(1803.6)、1800ドル前後。反発方向へは1850ドル台が当面の抵抗水準。
週間ベースでは-33.1ドル、1.79%安で4週続落。52週移動平均線(1815.1)にサポートされた状態。4週続落は昨年7月以来、7ヵ月ぶり。
NYプラチナは-37.6ドル、3.98%の大幅続落で昨年10月19日(881.1)以来、4ヵ月ぶりの安値。200日移動平均線(947.7)から950ドル近辺までの小幅保合い推移となったアジア時間を経て、200日線を割れると軟調推移。ロンドン序盤には940ドル近辺で下げ渋りもNY朝には930ドル割れ、PCE後のドル高金安の流れにも追随して920ドル割れ、NY午後には910ドル割れへと一段安。NY引け後も910ドルが重い状態。結果的に200日線に上値を押さえられての戻り売りで一段安局面に。920ドルの節目割れに伴い下値トライ再開へと向かいやすい状況となり、900ドルの大台割れをかけた攻防へ、890ドル程度までが短期下値目安に。
週間ベースでは-13.5ドル、1.47%安で7週続落。7週続落は2018年7月以来、4年7ヵ月ぶり。52週移動平均線(957.6)にも上値を押さえられた格好。
ドル円は+179銭、1.33%の大幅高となって3日ぶりの反発。上げ幅としては今年の絶対値平均79銭の2.2倍で今年2番めの急騰、12月19日(136.92)以来、2ヵ月ぶりの高値水準に。東京時間には植田日銀総裁候補の所信聴取を受けて一時134円00銭台まで急落の場面もあったものの逆に134円90銭台まで急騰する場面も。午後には134円台後半での小幅揉み合いを経て米10年債利回り上昇とドル高の流れが徐々に強まる展開に。欧州時間に135円20銭台へと上昇し、NY朝にはPCEの結果を受けて136円台へと一段高。高値では136円50銭台まで上昇し、NY終盤にかけても136円40銭近辺での高止まり。3ヵ月ぶりに90日移動平均線(135.97)を上抜け、10月高値(151.94)から1月安値(127.21)までの38.2%戻し(136.66)付近にも到達して過熱感も高騰。調整は入りやすい状況となり、134円70銭が目先のサポートに、これを割れると133円半ばまでの一段安も。
週間ベースでは+2.34円、1.74%高で6週続伸。6週続伸は10月以来、4ヵ月ぶり。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/24終値とチャート
2023年02月25日(土)時点の相場
国内金:8,619 円 2/24(金)
▼79(
0.91%)
国内プラチナ:4,428 円 2/24(金)
▼8(
0.18%)
NY金:1,817.1 ドル 2/24(金)
▼9.7(
0.53%)
NYプラチナ:907.9 ドル 2/24(金)
▼37.6(
3.98%)
ドル円:136.49 円 2/24(金)
▲1.79(
1.33%)
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