ユーロ圏消費者物価も2月は高止まり、独仏は1月から加速
更新日:2023年03月03日(金)
EU基準による消費者物価指数、HICP(調和消費者物価指数)の2月速報はユーロ圏が前年比+8.5%。市場予想の+8.3%を上回り、1月の+8.6%からは0.1%の低下。10月の+10.6%がピークとなり、4ヵ月連続の低下で9ヵ月ぶりの低水準。
コア指数では前年比+5.6%となり、市場予想と1月の+5.3%を上回って過去最高を更新。
HICPを国別で見ると、ドイツは前年比+9.3%。1月の+9.2%から上昇。10月の+11.6%でピークアウト後の鈍化基調から4ヵ月ぶりの反発。
フランスは前年比+7.2%。1月の+7.0%から上昇。10-11月の+7.1%でピークアウトの可能性、12月に+6.7%へと低下後は2ヵ月連続の再加速。
スペインは前年比+6.1%。1月の+5.9%から上昇。7月の+10.7%でピークアウト後は12月の+5.5%まで5ヵ月連続低下後、2ヵ月連続上昇。
主要4カ国で2月に低下したのはイタリアのみで前年比+9.9%。1月の+10.7%からの低下で3ヵ月連続の鈍化。ピークアウトは10-11月の+12.6%。
主要8カ国では、オランダが1月の+8.4%から2月速報では前年比+8.9%へ、5ヵ月ぶりの上昇。ベルギーは+7.4%から+5.5%へ4ヵ月連続の低下。オーストリアは+11.5%から11.0%へと2ヵ月ぶりに低下。アイルランドは+7.5%から+8.0%へと4ヵ月ぶりに上昇。
8カ国中5カ国が2月に上昇。
その他、ユーロ圏でインフレ率の高い国としては、ラトビアが+20.1%。8ヵ月連続20%超。エストニアの+17.8%、リトアニアの+17.2%、スロバキアの+15.5%、クロアチアの+11.7%など。
比較的低インフレの国は、ルクセンブルグの+4.8%。ベルギー、スペインと続いてギリシャの+6.5%など。
ちなみに今朝発表された2月の東京都区部の生産食料品を除く消費者物価は前年比+3.3%。41年8ヵ月ぶり高水準となった1月の+4.3%よりも、ユーロ圏最低となったルクセンブルグの2月消費者物価の伸び率が上回ります。
いずれにしてもECB(欧州中央銀行)の物価目標、HICP前年比+2.0%付近からは大幅上方乖離の状態が続きます。
2日のNY金は-4.9ドル、0.27%安で4日ぶりの反落。時間外序盤とNY市場での1845ドル台が高値、ロンドン・NY朝にかけての1835ドル台が安値となり、この日の変動値幅はわずか9.4ドル。今年の平均25.6ドルの4割弱、2021年8月24日(9.6ドル)以来2年半ぶりの小動き。上昇の兆しとなったNY市場では10-12月期単位労働コスト改定値が前期比年率+3.6%と上ブレ、失業保険申請件数も予想を下回り、引き続き労働市場の引き締まりとインフレ圧力が意識されて米長期金利上昇とドル高優勢の展開となったことで上値を押さえられた格好。結果、前日に1850ドル台の節目で上値を押さえられたまま上値トライ一服。ただし上抜けたばかりの9日移動平均線(1836.2)に下値も支えられ、レジスタンスからサポートに切り替わる可能性も。目先は保ち合い継続ムードも漂うなか、1850ドル台の節目上抜けに成功なら1880ドル近辺までを上値目標に上昇トレンド形成へも。
NYプラチナは+1.4ドル、0.15%の小幅高で4日続伸。2月9日(964.2)以来3週間ぶり高値圏での堅調推移を維持。前日までの上昇局面一服となったアジア時間からロンドン・NY朝にかけては調整の動きと下げ渋る展開とが交錯、ロンドン序盤にかけては前日安値を下回り一時950ドル割れも、NY午後にかけての反発局面では960ドル台後半へ。前日高値には及ばないものの下ヒゲを残して下げ渋り、950ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標990ドル近辺を目指す流れ継続へ。20日移動平均線(956.2)、200日線(947.8)、9日線(944.3)などが目先のサポート候補に。
ドル円は+52銭のドル高円安、0.38%高となって4日ぶりの上昇。12月19日(136.92)以来、2ヵ月半ぶりの高値。東京朝の安値では136円割れを回避、浅めの押し目となって午後には136円台半ば、東京市場終了後には136円80銭台まで上昇。欧州時間には136円20銭台までの反落を挟み、NY市場では労働指標の好結果を受けて137円10銭近辺まで上昇。RSIが80台後半の高止まり状態となるなかでの一段高で、10月高値(151.94)から1月安値(127.21)の38.2%戻し(136.66)を終値でも達成。9日移動平均線(135.65)にサポートされて90日移動平均線(135.48)を上抜け、200日移動平均線(137.28)も視野に。材料さえなければ調整必至の状況のようにも。134円台後半が当面の下値サポート水準。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/2終値とチャート
3日の国内金価格は+51円、0.58%高で5日続伸。5日続伸は1月末以来で今年2度め。1月26日(8837)以来、5週間ぶりの高値。強気パーフェクトオーダーにも押し上げられる格好となり、8700円の節目上抜けに伴う短期上値目標8820円近辺にしっかり到達。多少の過熱感と達成感、さらには昨年4月の過去最高値(8860)、6月高値(8859)、今年1月高値(8857)を結ぶラインの抵抗感も加わる上値の重さは想定以上にも。調整目安としては2月安値(8605)からここまでの23.6%戻し(8773)など。
週間ベースでは+206円、2.39%の大幅反発。11月以来、3ヵ月半ぶりの大幅高。
プラチナ価格は+61円、1.35%高で4日続伸。2月3日(4584)以来、1ヵ月ぶりの高値水準。4440円の節目突破に伴う短期上値目標4520円程度を達成後も上げ止まらず、一段高。やや伸び悩み気味のNYプラチナに代わって円安サポートで押し上げられた格好。多少の行き過ぎで4600円の大台回復トライも視野に。
週間ベースでは+152円、3.43%、2週連続3%超の大幅続伸。
※参考:
金プラチナ国内価格3/3とチャート
2023年03月03日(金)時点の相場
国内金:8,825 円 3/3(金)
▲51(
0.58%)
国内プラチナ:4,580 円 3/3(金)
▲61(
1.35%)
NY金:1,840.5 ドル 3/2(木)
▼4.9(
0.27%)
NYプラチナ:963.2 ドル 3/2(木)
▲1.4(
0.15%)
ドル円:136.75 円 3/2(木)
▲0.52(
0.38%)
3/2(木)のその他主要マーケット指標
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