インフレ鈍化観測+リスク回避で国内金価格は最高値更新
更新日:2023年03月13日(月)
米2月雇用統計での賃金伸び率鈍化の兆しを受けてドル安円高、金高の流れとなった週末。加えて米国のシリコンバレー銀行(SVB)経営破綻を受けて金融システム不安への警戒感も高まり、流れを助長。週末に一時134円台前半まで急落して135円台へと反発していたドル円は週明けに一時134円割れ。イエレン米財務長官の金融システム全体への波及回避に向けた緊急声明などもあり、134円台半ばまで戻しての推移となっているものの、シグネチャー・バンクの事業停止報道などもあり、連鎖破綻への警戒感も払拭し切れない様子も。この影響で週末に1870ドル台まで上昇していたNY金はリスク回避の流れを受け、週明け時間外に1880ドル台へと水準を切り上げ、一時1900ドルの大台トライも。NYプラチナも週末の960ドル台前半から週明けには970ドル台半ばまで上昇して960ドル台後半へ。
13日の国内金価格は+122円、1.39%の大幅続伸。昨年4月20日の8860円を20円上回り、過去最高値を11ヵ月ぶりに更新。上げ幅としては今年の絶対値平均38円の3.2倍、年初の1月5日(+186円、2.21%)以来2ヵ月ぶりの急騰。雇用統計後の流れでは円高をカバーするNY金の急騰、週明けの一段高に押し上げられる形となり、9日移動平均線(8787)を再び上抜けて強気のパーフェクトオーダー再構成。8800円の大台を回復し、さらに8840円の節目を突破した勢いのまま一段高、短期上値目標8880円台辺りにきっかり到達。目先は達成感からの反落の可能性が高まる反面、リスク回避の乱高下局面のなかで多少の行き過ぎを試す展開となれば8930円辺りまでが意識される可能性も。
一目均衡表では転換線(8803)との攻防、遅行線と26日前の価格との攻防状態が続くなか、今朝の最高値更新でいずれも上抜け、三役好転再開。安直にN計算値から想定可能な一段高の目安として、短期的には2月末安値(8619)から3月初旬高値(8839)までの値幅(220)を3月9日(8726)に加算すると8946円。中期的には12月安値(8348)から1月高値(8857)までの値幅(509)を2月安値(8605)に加算すると9114円。
プラチナ価格は+41円、0.91%高で3日続伸。急落後の下げ渋りで耐えた週末から反発トライ、しかし上昇軌道を維持する9日移動平均線(4531)を超えられず、その勢いもまだ限定的。9日線を超えられずに反落となって4470円の節目を割れるようだと一段安の展開にも、ほぼ水平状態の21日移動平均線(4433)も割り込んで4410円近辺までが短期下値目安に。9日線を上抜けると4610円台の節目トライも視野に。これも上抜けると4660円近辺までが上値目標となり、90日移動平均線(4694)回復トライも意識される状況にも。
一目均衡表では、遅行線が26日前の価格を上抜けて一役好転。1週間前には上抜けていた転換線(4545)を下抜け、基準線(4452)超は維持して一役は揉み合い状態。2月半ばに鍋底を形成して反発した流れを維持し、このサポートラインと11月高値から2月安値の38.2%戻し(4590)ライン、2022年3月と6月高値などを結ぶレジスタンスラインと雲の下限などが交錯するのが2月20日以降。3月FOMC(3/21-22)の頃に、重要な分岐点との攻防となる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格3/13とチャート
2023年03月13日(月)時点の相場
国内金:8,880 円 3/13(月)
▲122(
1.39%)
国内プラチナ:4,524 円 3/13(月)
▲41(
0.91%)
NY金:1,867.2 ドル 3/10(金)
▲32.6(
1.78%)
NYプラチナ:962.2 ドル 3/10(金)
▲12.9(
1.36%)
ドル円:135.07 円 3/10(金)
▼1.05(
0.77%)
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