NY連銀消費者調査でもインフレ期待は一段と低下
更新日:2023年03月14日(火)
SVBショックによるリスク回避の流れが強まり、CPIの結果を待たずして大幅利上げ観測は後退。今回のCPI結果については、大幅にブレない限り反応は限定的となる可能性もありそうですが、金融市場が落ち着きを取り戻せば、再びインフレ動向が意識されることにはなりそうです。
2月のNY連銀消費者調査でも、インフレ期待は一段と低下。
1年先のインフレ期待中央値は4.23%。1月の4.95%からは急低下となり、4ヵ月連続の低下で2021年5月(4.00)以来、1年9ヵ月ぶりの低水準。
3年先のインフレ期待は2.66%となり、これも4ヵ月連続の低下で2020年6月(2.47)以来、2年8ヵ月ぶりの低水準。
なお、ミシガン大の1年期待インフレは1年9ヵ月ぶり低水準となった1月の3.9%から2月は4.1%へと上昇し、低下基調のながでの一服状態。
1年先のインフレ不確実性も2月は1年7ヵ月ぶり低水準となり、インフレへの警戒感も緩和傾向にあるようです。
商品項目別の価格変動予想でも、教育費が1年5ヵ月ぶり低水準となり、家賃は2年ぶり低水準。
賃金上昇率予想は8ヵ月ぶり低水準へと低下。
また、自発的離職を意識する人の割合は1月までの19%台から2月は20.83へと急騰し、過去平均20.56を上回り、3年ぶりの高水準。
1年後の失業率が現在よりも高くなる可能性は5ヵ月ぶりの低水準。
インフレ鈍化傾向が一段と意識され、雇用情勢についても楽観見通しが強まる状況に。
週明け13日のNY金は+49.3ドル、2.64%の大幅高で3日続伸。2月2日(1930.8)以来、5週間ぶり高値となって1900ドルの大台を回復。米銀破綻に伴うリスク回避の思惑から当面の利上げ観測が大幅に後退、ドル安の流れにも支えられての急騰。週明け時間外スタートとともに1900ドルの大台トライ、アジア時間には1880ドル台を中心に保ち合い推移、ロンドン・NY市場にかけては米10年債利回り急低下にも連れ、1900ドルを超えるとNY午後には1910ドル台へ。上昇幅としては今年の絶対値平均11.7ドルの4倍超で今年最大、PCE減速などを受けて急騰した12月1日(+55.3ドル、3.14%)以来、3ヵ月半ぶりの大幅高。1860ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1890ドル台にしっかり到達後、さらに一段高。2月高値(1975.2)から2月安値(1810.8)までの61.8%戻し(1912.4)も達成し、CPI確認前に一服感も。
NYプラチナは+42.7ドル、4.44%高で4日続伸。3日分の上げ幅を上回り、今年の絶対値平均14.7ドルの2.9倍、今年最大の急騰で1000ドルの大台を回復。2月2日(1032.6)以来、5週間ぶりの高値。アジア時間に960ドル付近の安値をつけ、970ドルを挟んでの小幅保ち合いからロンドン・NY市場にかけて急騰のNY金に追随。NY午前には1000ドルの大台ラインとの攻防となり、NY午後にはしっかりと大台超え、高値では一時1010ドル超え。980ドルの節目超えに伴う短期上値目標1010ドルにも到達し、一服感も。
ドル円は185銭のドル安円高、1.37%安となって3日続落、2月14日(133.08)以来、1ヵ月ぶりの安値。SVBショックでリスク回避の円高が進行。先週末の135円台から134円割れへと大きく水準を切り下げて週明けをスタート、東京朝に一度は135円回復もこれが高値となって軟調な展開に。東京市場では133円半ばで下げ渋る展開となって欧州序盤には134円60銭台まで反発。しかし米10年債利回り急低下にも連れて133円割れへと一段安、NY市場にかけては132円20銭台まで下落し、NY終盤にかけては133円台を回復。135円80銭の節目割れに伴う短期下値目安134円半ばを突き抜ける急落局面を形成し、1月安値(127.21)から3月高値(137.91)の半値戻し(132.56)を達成。今朝の東京市場では38.2%戻し(133.82)付近まで反発し、この辺りがいったんは落ち着きどころにも。CPIの結果への反応は限定的となる可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/13終値とチャート
14日の国内金価格は+50円、0.56%高で3日続伸。2日連続で過去最高値を更新。SVBショックによるドル安円高の流れをカバーするNY金の急騰にサポートされての一段高。8840円の節目上抜けに伴う短期上値目標8880円台に到達後も不安定な状況が続くなか、多少の行き過ぎを試す展開となり、想定された行き過ぎ水準8930円辺りにも到達。ここから先の行き過ぎは想定不能レベル、金融市場が多少落ち着きを取り戻すことになれば、2月安値からここまでの23.6%戻し(8853)から38.2%戻し(8806)程度までが想定可能な調整目安に。
プラチナ価格は+81円、1.79%高で4日続伸。3月7日(4614)以来、1週間ぶりの高値。上昇軌道を維持する9日移動平均線(4542)を上抜けての一段高も、4610円台の節目手前で一服。これをしっかり突破できれば一段高の展開へと向かいやすく、4660円程度までが短期上値目標に。ただし、金融リスク拡大懸念が高まることがなければ、いったんは落ち着く可能性のほうが優勢か。
※参考:
金プラチナ国内価格3/14とチャート
2023年03月14日(火)時点の相場
国内金:8,930 円 3/14(火)
▲50(
0.56%)
国内プラチナ:4,605 円 3/14(火)
▲81(
1.79%)
NY金:1,916.5 ドル 3/13(月)
▲49.3(
2.64%)
NYプラチナ:1,004.9 ドル 3/13(月)
▲42.7(
4.44%)
ドル円:133.22 円 3/13(月)
▼1.85(
1.37%)
3/13(月)のその他主要マーケット指標
米2月CPI鈍化は想定どおり、中央値では2ヵ月連続過去最高 03/15(水)インフレ鈍化観測+リスク回避で国内金価格は最高値更新 03/13(月)賃金上昇率鈍化で0.5%利上げ観測後退、判断はCPIへ先送り 03/11(土)世界のプラチナ需給-2022年第4四半期と2023年見通し 03/10(金)
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