最高値更新続く国内金価格、9000円台を飛び越えて9100円台へ
更新日:2023年03月20日(月)
破綻した米シリコンバレー銀行(SVB)の親会社SVBファイナンシャル・グループは週末に連邦破産法11条の適用を申請。米大手銀行11行が支援を発表した米中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクの株価下落は週末も止まらず。米FRBはECB、BOE、BOC、BOJ、SNBの主要6中銀でドルスワップ協定を通じた流動性供給で協調。また、スイス金融大手UBSは経営不安が強まっていたクレディ・スイスを買収することを発表。金融不安を巡って三歩進んで二歩下がりながら、市場への影響は極めて限定的とのアピールにも腐心する各国中銀は、高インフレ対策と金融危機不安対策の同時進行という難題に取り組む3月後半。
そんな状況を反映して急速に買われる安全資産の金。NY金は1990ドル台まで上昇して週末を折り返し、週明け時間外は1990ドル台半ばの高値をつけて失速、1970ドル台半ばへと調整。NYプラチナは週末からほぼ変わらず980ドル近辺での小動き。週末にかけてリスク回避の円高ドル安が急速に進行した為替は、1ドル=131円80銭近辺から週明け東京市場で一時132円60銭台まで反発。
20日の国内金価格は+188円、2.09%の大幅続伸。2営業日連続、今年5回めの過去最高値更新。上昇値幅は今年の絶対値平均41円の4.6倍、今年最大で昨年3月9日(+219円、2.71%)以来、1年ぶりの急騰。8980円の高値更新に伴う短期上値目標9030円程度を突き抜けての一段高。過熱感も急速に高まってRSIは9ヵ月ぶりの80台、新たな不安要素がなければ調整必至の状況だが・・・。想定可能な調整目安としては2月安値からここまで23.6%戻し(9047)、38.2%戻し(8962)など。
一目均衡表では1週間前の三役好転再開の勢いがさらに増した格好での一段高。1週間前にN計算値を適用して安易に算出した中期的な上値目安、12月安値(8348)から1月高値(8857)までの値幅(509)を2月安値(8605)に加算した場合の水準、9114円もあっさり通過。中期三角保合い上方ブレイクに伴い、保ち合い値幅(=約260円)分さらに上昇した場合の水準、9120円程度も突き抜けてしまった状態。逆に言えば、9120円近辺は調整目安として想定しやすい水準にも。
プラチナ価格は-35円、0.77%の反落。ゆるやかに上昇する21日移動平均線(4478)にサポートされての反発後は、下落基調の9日移動平均線(4516)に上値を押さえられての反落。保ち合いレンジを縮小する形で流れとしては上昇圧力が後退し、下押し圧力が徐々に強まる状況にも。4460円の節目を割れると一段安の展開へ、4400円を割れて4370円程度までが短期下値目安に。切り返して4530円超へと反発できれば上値トライ再開、4600円の大台回復へ、4630円程度までが短期上値目標に。
一目均衡表では遅行線が26日前の価格水準4429円超を維持し、転換線(4535)を下回りながらも基準線(4452)超も維持、垂れてきた雲の下限を目前に一役好転、一役逆転、一役は揉み合いの中立状態が1週間前から継続。基準線にサポートされて雲の中へと潜り込む形となれば、二役揉み合い状態へと地合いは回復方向へ、ただし方向感は依然、雲の中。
※参考:
金プラチナ国内価格3/20とチャート
2023年03月20日(月)時点の相場
国内金:9,183 円 3/20(月)
▲188(
2.09%)
国内プラチナ:4,492 円 3/20(月)
▼35(
0.77%)
NY金:1,973.5 ドル 3/17(金)
▲50.5(
2.63%)
NYプラチナ:978.6 ドル 3/17(金)
▲1.5(
0.15%)
ドル円:131.81 円 3/17(金)
▼1.94(
1.45%)
3/17(金)のその他主要マーケット指標
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