フィリー指数も予想下振れ、7ヵ月連続マイナス圏は10年ぶり
更新日:2023年03月17日(金)
予想外に低調な結果が目につく米指標、今週発表された主要地区連銀の製造業景況指数も予想を下回る低調な結果に。
15日発表の3月NY連銀製造業景況指数が-7.8の事前予想に対して-24.6と大幅下振れとなったのに続き、この日もフィラデルフィア連銀製造業景況指数が市場予想の-15.0に対して結果はこれを大幅に下回る-23.2。
コロナ後最低となった2月の-24.3からは小幅に上昇も、7ヵ月連続のマイナス圏。7ヵ月連続マイナス圏となるのは2012年11月まで以来、10年4ヵ月ぶり。
この結果、6ヵ月平均は21ヵ月連続の低下となって-15.5。2009年7月(-21.3)以来、13年8ヵ月ぶりの低水準。
構成指数では、新規受注が-28.2となり、出荷も-25.4でいずれも2020年5月以来、2年10ヵ月ぶりの低水準。コロナ後最低水準の落ち込み。
仕入れ価格は1月に次いで2年半で2番めの低水準となり、販売価格は2年9ヵ月ぶり低水準。インフレ鈍化を示唆。
雇用指数は2月の5.1から3月は-10.3へと急低下。これも2年10ヵ月ぶり低水準でコロナ後最低。平均労働時間も2年11ヵ月ぶり低水準。雇用状況も悪化の兆し。
なお、NY連銀でも雇用指数は2ヵ月連続マイナス圏で急低下、2020年4月以来、2年11ヵ月ぶり低水準。
FRBが期待する兆候も、見られ始めているようです。
16日のNY金は-8.3ドル、0.43%の反落。1920ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標1930ドル台到達後の小幅調整。時間外序盤には1930ドル手前から1910ドル付近まで下落してこの日の安値をつけ、反発再トライへ。金融システム不安によるリスク回避の流れをベースに押し目買いの様相となり、ロンドン・NY市場にかけて1930ドル台へと再上昇、しかし高値では前日高値を超えられず、1940ドル手前で失速するとNY午後には1920ドル近辺へ。経営危機のファースト・リパブリック・バンクへの支援報道などからリスク回避の巻き戻しとなったものの、直近節目1920ドル近辺がサポートに。結果的に高値圏で十字線を形成し、方向感が定まらない状況にも。1930ドル台が目先の上限となり、これを突破すると1950ドル近辺までを目安に一段高の展開にも。下方向へは1920ドルのサポートを維持できず、1910ドルの節目も割れるようだと調整局面拡大、1880ドル程度までが下値目安に。
NYプラチナは+6.8ドル、0.7%高で3日ぶりの反発。緩やかな上昇軌道に転じた20日移動平均線(956.3)にもサポートされ、前日安値からの自律反発がゆっくりと継続。960ドル台後半からロンドン市場にかけて970ドル台へ、NY市場では970ドルを割れる場面もありながらNY午後には980ドル台トライへ。NY引け後も980ドル台を維持し、2月末底打ち後に下値を切り上げる反発基調も維持する格好にも。目先、下値サポートを970ドルに切り上げて1010ドルの上限再トライへも。上限突破できれば1030ドル台までが上値目標に、970ドルのサポートを維持できない場合には930ドルまでの調整余地拡大でトレンド崩れへの警戒感も。
ドル円は29銭のドル高円安、0.22%の反発。金融システム不安からリスク回避の流れが続いた東京朝には133円半ばから132円半ばまで下落、しかし経営不安のクレディ・スイスがスイス中銀から資金調達、との報道を受けて急反発。ただし133円半ばまでの回復にとどまると戻り売り、欧州序盤にかけては132円半ばから133円前半までのレンジで保ち合い推移。NY市場にかけては米10年債利回りが一時3.4%割れへと低下した流れにも連れ、前日安値を下抜けて132円割れ、2月14日安値(131.45)以来1ヵ月ぶりの安値となる131円70銭台まで下落。しかし、経営危機の米地銀ファースト・リパブリック・バンクに対する大手銀行からの支援報道が好感されてリスク回避の巻き戻し、NY午後には一時133円80銭台まで2円超の反発。乱高下状態が続くなか、引き続き133円近辺から134円台前半までが目先の主要レンジとなり、下限を割れると131円台の安値再トライへ、上限突破なら135円半ばを目安に反発トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/16終値とチャート
17日の国内金価格は+37円、0.41%の反発。2日ぶり、今年4回めの過去最高値更新。金融システム不安による不安定相場が続く状況下での一段高。不透明感の急拡大と緩和の繰り返しとなる現状ではドル円のボラティリティが拡大し、NY金は時折急騰、急反落も比較的高止まり状態。結果的に国内金価格は円高の巻き戻し局面での上げ幅が優勢となって価格高騰、強気パーフェクトオーダーの勢いも増す状況に。8980円の高値更新に伴う短期上値目標は9030円程度まで。反落となって8950円の節目を割り込むようだと調整幅拡大、8900円割れを目指す流れへ。
週間ベースでは+237円、2.71%の反発。10月3日からの週(+267円、3.16%)以来、5ヵ月ぶりの急騰。
プラチナ価格は+63円、1.41%高で3日ぶりの反発。4470円の節目下抜けに伴う短期下値目安4400円近辺トライは失敗、ゆるやかに上昇する21日移動平均線(4469)にサポートされて折り返し。ただし今度は下降し始めた9日移動平均線(4530)に上値を押さえられた格好。2月半ばの底打ち後の反発局面は崩れたものの、一服後の下値トライ再開の兆しも巻き戻され、新たな保ち合い推移へと移行し始めた様子も。4460円から4610円台までが目先の主要レンジとなり、21日線のサポートを維持できればいずれ上限トライにも、上限突破できれば90日移動平均線(4682)トライへ。下限割れの場合には4370円程度までを目安に一段安へ。
週間ベースでは+44円、0.98%の反発。
※参考:
金プラチナ国内価格3/17とチャート
2023年03月17日(金)時点の相場
国内金:8,995 円 3/17(金)
▲37(
0.41%)
国内プラチナ:4,527 円 3/17(金)
▲63(
1.41%)
NY金:1,923.0 ドル 3/16(木)
▼8.3(
0.43%)
NYプラチナ:977.1 ドル 3/16(木)
▲6.8(
0.70%)
ドル円:133.75 円 3/16(木)
▲0.29(
0.22%)
3/16(木)のその他主要マーケット指標
ミシガン大消費者信頼感も3月速報下振れ、インフレ期待も低下 03/18(土)米2月PPIは想定以上に鈍化、FF金利3月据え置き予想も急拡大 03/16(木)米2月CPI鈍化は想定どおり、中央値では2ヵ月連続過去最高 03/15(水)NY連銀消費者調査でもインフレ期待は一段と低下 03/14(火)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン