予想より鈍化、2月PCEは1年5ヵ月ぶり低水準
更新日:2023年04月01日(土)
2月の米インフレ指標では、CPIがほぼ市場予想どおりの鈍化となったのに対し、PCEは市場予想よりも鈍化。
PCEは前年比+5.00%。市場予想の+5.1%程度を下回り、小幅に上昇した1月の+5.35%からもしっかり反落。2021年9月(4.65)以来、1年5ヵ月ぶりの低水準に。
食品とエネルギーを除くコアPCEは前年比+4.60%。これも市場予想の+4.7%を下回り、やはり小幅に上昇した1月の+4.67%からは反落。12月の+4.62をわずかに下回って2021年10月(4.31)以来、1年4ヵ月ぶりの低水準。
セクタ別ではモノの価格が前年比+3.6%で8ヵ月連続の低下となって2021年3月(2.5)以来、1年11ヵ月ぶり低水準。その一方でサービス価格は前年比+5.7%で3ヵ月続伸、近年最高水準での推移が継続中。
なお、ダラス連銀発表のトリム平均PCEでは前年比+4.59%。1月の+4.60%からわずかに-0.01%低下、4ヵ月続落となって7ヵ月ぶりの低水準。ただし、10ヵ月連続4%台、8ヵ月連続4%台後半。
クリーブランド連銀のメディアンPCEでは前年比+5.69%。1月の+5.79%からは0.1%の反落となり、これも7ヵ月ぶりの低水準。ただし9ヵ月連続5%台、7ヵ月連続5%台後半、14ヵ月連続4%超という状況。
PCEの総合指数以外、コアPCE、トリム平均PCE、メディアンPCEはいずれも歴史的高水準での下げ渋り状態が続いているようです。
ボストン連銀コリンズ総裁は指標発表後に、「PCEはおおよそ予想どおり」であり、「指標を受けて見通しは変わらない」として「インフレ鈍化のためにはまだやるべきことがある」との発言。その他複数の連銀総裁やFRN理事からも、追加利上げを示唆する発言も。
早期利上げ停止観測が台頭する市場の思惑に対して、FRBはまだ否定的です。
31日のNY金は-11.5ドル、0.58%の反落。アジア時間にはわずかながらも2000ドルの大台超えを何度も試し、一時前日高値を上回る2003ドル近辺まで上昇して失速。ロンドン序盤に1990ドル近辺までの下押しを挟んで大台再トライへ、NY朝にはPCE下振れを受けて小幅に急騰。高値では1週間ぶりとなる2005.5ドルまで上昇も、ドル安の巻き戻しとともに反落するとNY午後には一段安。2000ドルの大台維持に失敗した反動と週末のポジション調整の様相となってNY引け後には1980ドル台半ばへ。1970ドル台の節目超えに伴う短期上値目標、今年高値(2014.9)更新トライにも失敗し、2000ドルの大台が当面の抵抗水準に。これをしっかり超えることができたなら、改めて今年高値更新トライが短期上値目標に。下値サポートは引き続き1960ドル、割れると1910ドル台までを目安に調整局面へ。
週間ベースでは+2.4ドル、0.12%の小幅高で5週続伸。月間では+149.5ドル、8.14%の大幅反発。2020年7月(+185.4ドル、10.30%)以来2年8ヵ月ぶりの急騰。
NYプラチナは+6.2ドル、0.62%高で3日続伸。3月13日(1004.9)以来、半月ぶり高値となって1000ドルの大台を回復。時間外序盤に一時1000ドルの大台を突破し、前日NY午後に大台手前で上値を押さえられ続けた抵抗感を払拭すると、ロンドン市場にかけては990ドル近辺までのレンジで保ち合い推移。NY市場ではPCE結果を受けて小幅に乱高下となったNY金に追随後には、株高の流れに追随する形となって1000ドルの大台超え。高値では1005ドルまでにとどまりながら、NY引け後も1000ドルの大台維持をかけた攻防状態に。960ドルから1000ドルまでの保ち合いレンジをわずかながら上方ブレイクした形となり、上値トライ再開へと向かう確率が高まる状況に。当面の上値目標は1月高値(1117.0)から2月安値(903.9)の61.8%戻し(1035.6)近辺。
週間ベースでは+19.2ドル、1.95%高で3週続伸。月間では+47.6ドル、4.98%高で3ヵ月ぶりの反発。
ドル円は13銭のドル高円安、0.1%の小反発。東京朝の急騰局面では132円60銭近辺の安値から133円50銭台まで上昇し、ほぼこの日の高値付近に到達。反動安で午前のうちに133円を割れると東京午後には132円60銭近辺へと行って来い。欧州時間序盤にかけてはドル高の流れが優勢となって133円50銭台へと反発。131円台後半の節目突破に伴う短期上値目標133円台半ばを2度試す形となって失速するとNY市場にかけては軟調推移。PCE下振れでのドル安の反応も限定的となったものの、NY終盤には132円60銭近辺まで下落。結果的に右肩下がりの90日移動平均線(133.21)にも上値を押さえられる形となって反発局面は一服、雇用統計までの一連の重要指標結果に一喜一憂する展開で新たな短期トレンド模索フェーズへ。
週間ベースでは+211銭、1.61%高で5週ぶりの反発。月間では-3.40円、2.50%の反落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/31終値とチャート
2023年04月01日(土)時点の相場
国内金:9,265 円 3/31(金)
▲133(
1.46%)
国内プラチナ:4,575 円 3/31(金)
▲131(
2.95%)
NY金:1,986.2 ドル 3/31(金)
▼11.5(
0.58%)
NYプラチナ:1,003.1 ドル 3/31(金)
▲6.2(
0.62%)
ドル円:132.83 円 3/31(金)
▲0.13(
0.10%)
3/31(金)のその他主要マーケット指標
金融不安緩和で株高・ドル高円安・金安も一時的? 04/03(月)ユーロ圏3月景況感指数、回復基調は過去平均手前で足踏み 03/31(金)下げ渋る米賃金上昇率の鈍化見通し 03/30(木)低下基調続く、米主要地区連銀製造業雇用指数 03/29(水)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン