雇用統計は小幅ながら予想外の上ブレ、雇用は堅調、賃金は鈍化
更新日:2023年04月08日(土)
直前の米雇用関連指標で低調な結果が続いたことから、目線はかなり下方向となっていた状態で迎えた米3月雇用統計、非農業部門雇用者数の伸びは前月比+23.6万人。市場予想を若干上回るか、ほぼ予想どおりとも言える水準。事前予想どおりとしても、警戒感後退による安心感からリスク選好の流れが進行。米10年債利回りが3.3%近辺から3.4%付近へと上昇し、ドル円も70銭程度のドル高円安急進。NY市場が休場でなければ株高となってNY金は一定の急落となっていた可能性も。週明けにはこれを織り込みに行く展開も想定され、この流れがさらに増幅されるか、あるいは限定的にとどまるか、いずれにしても週明けの各市場では、ある程度の急変動からのスタートにも。
3月雇用統計での主な指標では、
雇用総数は1億5556.9万人となり、昨年6月にコロナからの回復を終え、以降10ヵ月連続で過去最大を更新。人口当りの雇用率も2月の60.2%から3月は60.4%へと上昇し、2020年2月(61.1)以来3年1ヵ月ぶり、コロナ後最高水準に。
失業率は市場予想と2月の3.6%を下回る3.5%に。ただし1月の3.4%(53年8ヵ月ぶり低水準)は下回らず、半世紀ぶり低水準で底打ちした可能性も維持しての下げ渋り。
広義の失業率、U6失業率も6.7%で2月の6.8%からは低下も、過去最低となった12月の6.5%からは反発した状態で底打ちの可能性を示唆。
ただし、黒人の失業率は5.0%となり、1月の5.4%を大幅に下回って過去最低を更新。
労働参加率も62.6%となり、2月からは0.1%上昇して2020年3月(62.6)以来3年ぶりで、これもコロナ後最高水準。
雇用は順調な回復を続ける一方で、失業期間が半年を超える長期失業者の割合は18.9%となり、実質14年超ぶり低水準となった2月の17.6%からは大幅上昇、これも実質底打ちの可能性も示唆。
そして3月平均時給は前年比+4.24%となり、市場予想の+4.3%を若干下回り、2月の+4.62%からも鈍化。2021年6月(+3.95%)以来、1年9ヵ月ぶりの低水準。
長期平均+2.98%との乖離はありながら、賃金インフレ鈍化傾向は継続。現状ペースで鈍化傾向が続くなら、年末にも長期平均までの低下も見込まれる状況に。
7日はグッドフライデーで欧州市場やNY市場などが休場となり、為替市場も閑散。ドル円は前日から+35銭、0.27%の続伸で4月3日(132.41)以来、4日ぶりに132円台を回復。東京・欧州時間は131円台後半での保ち合い推移となり、NY市場では米3月雇用統計の結果を受けて131円50銭台から132円30銭台まで急騰。この日の安値と高値をつけた後の反動安では132円を割れず、NY終盤にかけても132円20銭前後での推移。CMEフェドウオッチでの5月FOMC見通しは、据え置きと五分五分だった0.25%利上げが6-7割へと優勢に。131円30銭から132円90銭までの保ち合いレンジ半ばで右肩下がりの20日移動平均線(132.18)付近を回復し、短期的な流れもドル高円安方向へと傾斜し始めた様子も。次の変動ポイントは次週、12日発表の米3月CPIに。
週間ベースでは-68銭、0.51%の反落。
2023年04月08日(土)時点の相場
国内金:9,282 円 4/7(金)
▲2(
0.02%)
国内プラチナ:4,618 円 4/7(金)
▲76(
1.67%)
NY金:2,026.4 ドル 4/6(木)
▼9.2(
0.45%)
NYプラチナ:1,016.8 ドル 4/6(木)
▲9.4(
0.93%)
ドル円:132.15 円 4/6(木)
▲0.35(
0.27%)
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