失速感にも最高値更新トライを窺う金価格、乱高下のプラチナ
更新日:2023年05月15日(月)
米債務上限問題を巡る紛糾からG7広島サミット参加に向けた訪日も危ぶまれていたバイデン米大統領の来日予定が発表され、トルコ大統領選では現職のエルドアン大統領優勢ながらも野党統一候補との接戦から両者過半数に届かず決選投票へ、との見込み。ロシアへの武器供与疑惑を巡る応酬から対ドルで最安値更新の南ア・ランドとともに、既に最安値更新が続くトルコ・リラも今週、大きく巻き戻しか、あるいはその逆か。ミシガン大インフレ期待上昇を受けて追加利上げ予想再燃から反発の兆しとなっている米ドルとの関係性において、新興国通貨は大相場の様相にも。
5月後半へと向かう週明け時間外のNY金は2010ドル付近の安値から2020ドル台へと反発基調、NYプラチナも1060ドル割れの安値から1060ドル台後半へと反発の兆し。先週末に反発局面急加速のドル円は135円70銭台から一時136円トライ。
15日の国内金価格は先週末から+73円、0.77%高となって3営業日ぶりの反発。じわじわと失速感が強まる状況下でも、右肩上がりの9日移動平均線(9557)にサポートされての反発で強気パーフェクトオーダーを維持して最高値圏での保ち合い形成の様相に。下げ渋るNY金と短期反発局面に転じた可能性もあるドル円、の構図がもう少し続くようなら最高値再更新トライの可能性も。9680円超へ、最高値圏での保ち合い上抜けとなれば4月高値(9495)から4月末安値(9341)の261.8%戻し(9744)近辺、9700円台半ばが短期上値目標に。逆に9日線を維持し切れずに強気相場が崩れ、9530円の節目も割り込むようだと調整局面入り、短期下値目安は9500円割れ、9470円程度まで。
先週半ばの過去最高値(9679)からの調整局面でも一目均衡表の転換線(9515)を下回らず、3週連続で三役好転の強気相場を維持。基準線も9480円まで急騰し、高値再トライに向けた流れをサポート。短中期的には急騰局面が続くなかでも三角保ち合い傾向の振幅幅を縮小する斜行三角保合いの様相にもなり、オシレータ系指標の低下基調と合わせ、急反落への警戒感も。転換線・基準線をすり抜けると調整幅拡大も、昨年末安値から5月高値の23.6%戻し(9365)近辺がサポート候補にも。
プラチナ価格は-118円、2.31%安で3日続落。5月8日(4980)以来、1週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均50円の2.36倍、今年3番めの大幅安。垂れてきた9日移動平均線(5069)を割り込んで強気相場は崩れ、21日移動平均線(5003)も割り込んで調整局面加速の様相にも。それでも節目の4980円割れを回避した状態を維持できれば、高値圏での保ち合い形成へと下げ渋る展開にも。維持し切れないようなら一段安へ、4900円前後までが短期下値目安に。南ア情勢悪化からやや行き過ぎたランド売りは週明けから巻き戻しの展開となり、これがもう一段続けば前者のサポート要因にも、逆の展開なら下押し要因に。
一目均衡表では先週、一度は転換線(5089)を上抜けて三役好転も続かず、足下の急反落で転換線割れ。高値圏での乱高下状態となり、週初に限れば3週連続の三役好転崩れ。それでも2月安値(4289)から5月高値(5197)の23.6%戻し(4983)でサポートされることになれば、高値圏での保ち合いと三角保合いの様相にも。そうなれば2014年以来となる5200円台再トライか、またしても急反落局面形成か、の緊張感がもう少し続くことにも。
※参考:
金プラチナ国内価格5/15とチャート
2023年05月15日(月)時点の相場
国内金:9,603 円 5/15(月)
▲73(
0.77%)
国内プラチナ:4,989 円 5/15(月)
▼118(
2.31%)
NY金:2,019.8 ドル 5/12(金)
▼0.7(
0.03%)
NYプラチナ:1,067.0 ドル 5/12(金)
▼38.0(
3.44%)
ドル円:135.73 円 5/12(金)
▲1.17(
0.87%)
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