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★金プラチナ短期相場観★

FF金利>米10年債利回り=半年・・・リセッション待ち
更新日:2023年05月23日(火)
米長短金利とFF金利 2023年5月22日2022年11月2日のFOMCでは4会合連続となる0.75%利上げを決定し、FF金利(上限)は3.25%から4.00%へ。この時期の米10年債利回りは4.1%近辺、FF金利をわずかに上回る水準での推移となっていました。
しかし、11月10日には米10年債利回りが4%を割れてFF金利を下回りました。これ以降、米10年債利回りがFF金利を上回ることは1日もなく、現在まで継続中。
FF金利が米10年債利回りを上回る状態は6ヵ月半、半年以上継続中。

21世紀でFF金利が米10年債利回りを上回る逆転状態となったのは大きく4回。
1)2000年4月から2001年3月までの12ヵ月
2)2006年6月から2007年12月までの1年7ヵ月
3)2019年5月から2020年2月までの10ヵ月
4)現在半年余り継続中
これまでの3回はいずれもこの後リセッション入り。

短期金利の誘導目標でもあるFF金利に対しては、2年債利回りが比較的連動しやすくなり、結果的にFF金利と10年債利回りとの逆転状態は、長短金利の逆転も同時期に引き起こしやすくなります。
ちなみに今回の長短金利逆転は、FF金利と10年債利回り逆転に4ヵ月先行、2022年7月序盤から逆転状態となっています。

いずれにしても長短金利の利鞘で収益を上げる従来からの伝統的な手法に頼る金融機関では、長短金利逆転の長期化は命取り。この影響が3月以降の米地銀3行の破綻となって表面化。
今後もこの影響が、表面化するかしないかはともかく、水面下では大きなダメージとなっていくことが推測されます。
過去の実績からはあと3-4ヵ月、秋以降になればリセッション入りへの秒読み段階、となる可能性は否定できません。

NY金・日足チャート 2023/4/18 - 5/2222日のNY金は前週末から-4.4ドル、0.22%の小幅反落。週明け時間外序盤には1980ドル台前半を中心に小幅揉み合い推移、徐々に軟調推移となって1970ドル台前半ま下落もロンドン序盤にかけては1980ドル半ばまで反発。これが高値となって反落するとNY市場では1970ドル台での保ち合いから軟調気味に。米10年債利回りが3.7%台へと上昇し、ドル高優勢の流れが重石に。背景にはFRB高官のタカ派発言もあり、セントルイス連銀ブラート総裁は年内追加利上げ2回を支持し、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁は6月利上げ休止でもその後に追加利上げの可能性もあるとの見方。ただし値動きは限定的、この日の変動値幅は14.1ドルで今年の平均29.0ドルの半分以下で今年5番めの小動き。引き続き当面の下値サポートは1950ドル、割れると1900ドル近辺も意識され、上方向には2000ドルの大台ラインが抵抗線候補にも。

NYプラチナ・日足チャート 2023/4/18 - 5/22NYプラチナは+1.6ドル、0.15%の小幅続伸。アジア時間には1070ドル台半ばから1060ドル台半ばまでの下押しでこの日の安値、切り返してロンドン市場では1080ドル台へ、高値1080ドル台後半では上値を押さえられる状態が続き、NY市場で力尽きる格好に。NY午後には1080ドル割れ、NY引け後には1070ドル台前半へ、上に行って来いとなって実質は上ヒゲを残す形に。下落基調の20日移動平均線(1082.1)が抵抗線にもなり、目先のレジスタンス1080ドル台での抵抗感の強さも確認した格好にも。これを突破できたなら今年高値圏1140ドル台が上値目標に。下方向へ1050ドル台のサポートを割り込むようだと1000ドルの大台割れを試しに行く展開にも。

ドル円・日足チャート 2023/4/18 - 5/22ドル円は62銭のドル高円安、0.45%の反発。週明け東京市場午前には138円付近から137円50銭近辺まで軟調推移、しかし週末安値圏で下げ渋ると午後には反発、138円回復トライへ。欧州時間からは米10年債利回り上昇とドル高の流れが強まり、NY市場では138円台半ばへ。複数のFRB高官による追加利上げ支持発言にサポートされての堅調推移となり、NY午後には138円70銭付近まで上昇、ただし高値でも週末高値を超えられずに失速。日足レベルでは今年高値圏での小幅保ち合いを形成し、138円80銭と137円90銭が上下の節目に。上抜けると139円台後半へと一段高の展開へ、下抜けなら136円台半ば辺りまで調整余地拡大へ。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/22終値とチャート

23日の国内金価格は+7円、0.07%の小幅続伸で5月16日(9638)以来、1週間ぶりの高値。短期トレンドとしては軟調な流れからは抜け出し切れず、調整局面継続中との見方もできるものの、株高円安基調にサポートされる格好にもなり、9600円の節目をわずかながらも上抜け。確率的にはまだ高くはなさそうな状況も、最高値更新トライへと向かう可能性、短期上値目標は9700円。

プラチナ価格は+32円、0.63%の続伸で5月11日(5189)以来、2週間ぶりの高値。保ち合いレンジ上限、5120円台をわずかに上抜けたことで一段高トライへと向かう可能性。金と同様に短期トレンドは調整局面から抜け出しきれない状況にもあり、一時的な上抜けにとどまる可能性も残るものの、そうでなければ今年高値を更新し、2014年高値圏5240円台までが短期上値目標に。
※参考:金プラチナ国内価格5/23とチャート

2023年05月23日(火)時点の相場
国内金:9,602 円 5/23(火) ▲7(0.07%)
国内プラチナ:5,128 円 5/23(火) ▲32(0.63%)
NY金:1,977.2 ドル 5/22(月) ▼4.4(0.22%)
NYプラチナ:1,077.3 ドル 5/22(月) ▲1.6(0.15%)
ドル円:138.59 円 5/22(月) ▲0.62(0.45%)
→5/22(月)のその他主要マーケット指標

←サービス業主導で回復基調続く総合PMI、5月速報は米欧形成逆転 05/24(水)
→最高値付近での保ち合い形成、下げ渋る国内金価格 05/22(月)
→ドルインデックスとNY金の半値戻し 05/20(土)
→フィラデルフィア連銀製造業景況指数は急反発でドル一段高 05/19(金)

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