ユーロ圏6月景況感指数も低調、12ヵ月連続で節目100割れ
更新日:2023年06月30日(金)
この日発表された米指標も堅調ぶりを維持。1-3月期GDP確定値は、市場予想の前期比年率+1.4%を上回り、改定値の+1.3%から+2.0%へと大幅上方改定。ポジティブ・サプライズには新規失業保険申請件数の大幅減も加わり、追加利上げ観測とドル高をサポート。
対照的に、既に1-3月期にテクニカル・リセッション入りのユーロ圏は追加利上げが既定路線も経済指標はやや低調、ユーロドルは失速。
欧州委員会がこの日発表した6月のユーロ圏景況感指数は95.3。市場予想を下回り、前月比-1.1の続落で7ヵ月ぶり低水準。12ヵ月連続で節目100割れ。
製造業は-7.2となり、4ヵ月連続マイナス圏推移で5ヵ月続落、2020年9月以来、2年9ヵ月ぶり低水準。サービス業は5.7で続落、7ヵ月ぶり低水準。
ユーロ圏内のほとんどの国が低調、主要国ではフランスだけが上昇。
<主要国>
イタリア:101.2=前月比-1.1で続落、半年ぶり低水準。7ヵ月連続節目100超。
スペイン:99.6=-0.9で続落、3ヵ月ぶりの100割れ、半年ぶり低水準。
フランス:96.4=前月比+0.8で続伸、3ヵ月ぶり高水準。10ヵ月連続100割れ。
オランダ:93.9=-1.0で3ヵ月続落、7ヵ月ぶり低水準。11ヵ月連続100割れ。
ドイツ:93.4=-1.9で続落、7ヵ月ぶり低水準。12ヵ月連続100割れ。
ベルギー:87.6=-1.9で続落、5ヵ月ぶり低水準、14ヵ月連続100割れ。2ヵ月連続90割れ。
オーストリア:84.4=-0.6で続落、2020年6月以来3年ぶり低水準。14ヵ月連続100割れ、4ヵ月連続90割れ。
<節目100以上>
ギリシャ:110.1=+1.9で1年から3ヵ月ぶり高水準。8ヵ月連続100超。
キプロス:107.8=+3.5で続伸、1年4ヵ月ぶり高水準。10ヵ月連続100超。
クロアチア:105.5=-2.7で続落、5ヵ月ぶり低水準。2年2ヵ月連続100超。
マルタ:100.8=-3.0で続落、半年ぶり低水準、6ヵ月連続100超。
<ワースト5>
エストニア:78.7=-3.0で3ヵ月続落、3年ぶり低水準。1年3ヵ月連続100割れ、11ヵ月連続90割れ。
ルクセンブルグ:83.0=-7.4で3ヵ月続落、3年2ヵ月ぶり低水準。12ヵ月連続100割れ、
フィンランド:83.8=-3.5で半年ぶり低水準。1年2ヵ月連続100割れ、12ヵ月連続90割れ。
オーストリア
スロバキア:86.0=3ヵ月ぶり低水準の前月から変わらず。1年9ヵ月連続100割れ。
前月から上昇したのは4カ国のみで5月から変わらず、昨年秋以降で最低レベル。
最上位と最下位のポイント格差は31.4。4月と並びコロナ後最大。
29日のNY金は-4.3ドル、0.22%安で3日続落。3月14日(1910.9)以来3ヵ月半ぶりの安値圏での一段安。アジア時間には1920ドル近辺から1910ドル付近まで軟調推移、ロンドン市場で1920ドル付近まで反発もNY朝には米GDPの予想外の上ブレを受けて急落。1920ドルの節目割れに伴う短期下値目安1900ドル近辺に到達すると、米10年債利回りの急騰一服、ドル高一服を受けて反発。大台割れをギリギリ回避した底堅さと短期的な達成感から買い戻しの勢いも止まらず、NY午後にかけて一時1920ドル超え。下へ行って来いとなって下ヒゲを残す形となったものの、NY引け後には1910ドル台半ば、節目の1920ドルを回復し切れずにPCE待ちへ。インフレ高止まりが意識されるとあらためて大台ライン近辺再トライへ、逆に鈍化が意識されると反発、1930ドル台の抵抗水準を上抜けるようだと1960ドル近辺を短期目標に反発局面形成へ。
NYプラチナは-18.1ドル、1.96%の大幅安となって3日続落。昨年10月19日(881.1)以来、8ヵ月ぶりの安値。アジア時間の920ドル近辺からロンドン市場では930ドルまで反発して失速、前日高値付近からの戻り売りでは920ドルの節目でいったん下げ渋り、しかしNY朝には米指標結果を受けてのNY金の急落に追随、920ドルの節目割れの勢いと合わせて900ドルの大台割れへ。短期下値目安到達に伴い大台割れでは下げ渋り、NY金の反発に追随も勢い不足で910ドル手前まで。今年安値を更新しながらも、2月安値(903.9)付近では下げ渋る状態にもなり、二番底をつけて底打ちへの可能性も。930ドルが目先の抵抗水準、突破できれば4月高値(1148.9)から6月安値(897.0)の23.6%戻し(956.4)近辺までが反発の目安に。
ドル円は29銭のドル高円安、0.2%高で3日続伸。11月9日(146.39)以来、7ヵ月半ぶり高値圏での堅調推移。東京市場午前につけた144円10銭台が安値となり、東京市場終了後には144円70銭付近まで上昇。ただし欧州時間には再び144円10銭台まで水準を切り下げて揉み合い推移。前日に引き続きパウエルFRB議長のタカ派発言にサポートされた反面、国内での円安牽制発言への警戒感が下押し圧力に。しかしNY市場では米GDPの上ブレを受けての急騰で高値では144円90銭付近まで上昇、過熱感と介入警戒感を振り切っての高値トライに。PCEの結果次第では一段高か、急反落の展開にも。10月高値(151.94)から1月安値(127.21)の76.4%戻し(146.1)が当面の行き過ぎ警戒水準。6月安値(138.38)から高値(144.90)の23.%戻し(143.36)近辺が目先の反落目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/29終値とチャート
30日の国内金価格は+26円、0.27%高で4日ぶりの反発。6月20日(9738)以来、10日ぶりの高値となり、9700円の節目をわずかに上抜け。PCEの結果などの影響を無視すれば、最高値更新トライへと向かう可能性が若干高まる状況に。サプライズ的なインフレ高止まりなら円安急進でNY金は一段安へ、しかし週明け朝には少なくとも円安牽制の口先介入でドル円の上値が抑制されるような展開も。適度なインフレ鈍化などにサポートされて上値トライへと向かえば過去最高値をわずかに更新の可能性も、9770円近辺までが短期上値目標に。下方向へ9670円の節目を割り込むようなら調整、9600円割れへ、9580円程度までが短期下値目安に。
週間ベースでは+70円、0.73%の反発。月間では+77円、0.8%高で4ヵ月続伸。4ヵ月続伸は2020年8月以来、2年10ヵ月ぶり。
プラチナ価格は-38円、0.83%安で3日続落。4月6日(4542)以来2ヵ月半ぶり安値圏での一段安となり、4610円の節目割れに伴う短期下値目安4570円程度にも到達。RSIは5日連続20ポイント割れで鍋底状態、反発待ちの状況も続くながで週末のイベント待ち。金価格の変動に追随する展開となってさらに下押し圧力が強まるようだと2月安値(4289)から5月高値(5197)の76.4%戻し(4503)近辺までが意識される可能性も。反発方向へは4660円が当面の抵抗水準、これを上抜けると4700円台回復トライへ。
金との価格差は5141円、2日連続で過去最大を更新。
週間ベースでは-56円、1.21%安で3週続落。月間では-419円、8.42%の大幅続落。コロナショックの2020年3月(-675円、19.41%)以来、3年3ヵ月ぶりの急落。
※参考:
金プラチナ国内価格6/30とチャート
2023年06月30日(金)時点の相場
国内金:9,701 円 6/30(金)
▲26(
0.27%)
国内プラチナ:4,560 円 6/30(金)
▼38(
0.83%)
NY金:1,917.9 ドル 6/29(木)
▼4.3(
0.22%)
NYプラチナ:906.8 ドル 6/29(木)
▼18.1(
1.96%)
ドル円:144.80 円 6/29(木)
▲0.29(
0.20%)
6/29(木)のその他主要マーケット指標
コアPCE鈍化でドル高一服、NY金は大台維持で年後半へ 07/01(土)市場予想は7月利上げ後に年内据え置き、年明けには利下げへ 06/29(木)予想以上に強い米指標、消費者信頼感指数は6月に急上昇 06/28(水)ドイツIFO景況感は見通し悪化で全業種低調、7ヵ月ぶり低水準 06/27(火)
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