米・非製造業景況感も8月はやや低調か
更新日:2023年08月23日(水)
米ISMの景況感指数では、製造業が昨年11月から今年7月まで9ヵ月連続の節目50割れ。6月には46.0となってコロナショック以来、3年1ヵ月ぶりの低水準。7月には小反発も46.4と限定的。製造業は低迷状態が続きます。
ISM非製造業景況指数では、12月の49.2が近年最低となって今年は節目50以上を維持も、5月には50.3、6月には53.9へと反発も7月は52.7へと反落。流れとしては2021年末以降は低下傾向が続き、やや低調という状況。
この流れを下支えするような形で連動しているのが、NY連銀とフィラデルフィア連銀の非製造業景況指数。
NY連銀(ビジネスリーダー調査)では、昨年10月から今年6月まで、9ヵ月連続のマイナス圏(節目割れ)推移。7月には0.0、8月には0.6へとわずかにプラス圏を回復した状態。ただし長期平均3.54を下回る水準での推移は11ヵ月連続。
フィラデルフィア連銀非製造業景況指数では、昨年8月から今年8月までの13ヵ月でプラス圏は散発2回、残り11ヵ月はマイナス圏推移。4月には-22.8と2年4ヵ月ぶり低水準となった後も-16ポイント台が2ヵ月続き、7月には1.4へと5ヵ月ぶりのプラス圏回復も8月は再び-13.1へと反落。長期平均17.7を下回っての推移は16ヵ月連続。
比較的高めの推移が続く期待指数は、NY連銀では7月に22.3まで上昇し、1年3ヵ月ぶりの高水準。ただし8月は20.7へと失速。
フィラデルフィア連銀では7月に40.1まで上昇、これも1年3ヵ月ぶりの高水準となったものの、8月には27.0へと急失速。
ISMでもPMIでも非製造業景況感は8月も、製造業こそ上回りながらもやや低調な結果となる確率は高そうです。そして、今後の減速基調継続への警戒感も徐々に高まることになるかもしれません。
22日のNY金は+3.0ドル、0.16%高で小幅に3日続伸。アジア時間での1920ドル台半ばでの保ち合いから、ロンドン市場では米10年債利回り低下とドル安局面に連れて1930ドル台へと上昇。しかし9日移動平均線(1931.5)超えでは上値も重く、NY朝には巻き戻しの展開となって1920ドル割れへと急反落。それでもNY午後には1920ドル台半ばを回復。ジャクソンホールを前に一方的な流れとはなり難い状況、とりあえずダブルボトムの可能性を残しての反発局面継続も限定的。9日線が目先の反発継続への攻防ラインに、1910ドルの節目割れの場合には大台割れへと一段安も、短期下値目安は1890ドル程度まで。
NYプラチナは+12.0ドル、1.31%の反発で8月7日(926.9)以来、2週間ぶりの高値。アジア時間に910ドル台前半の安値をつけて920ドル台へと反発、ロンドン・NY朝にかけては930ドル台へと一段高トライ。930ドル台維持には失敗したものの、920ドル割れへの小幅急反落を挟んでNY午後には920ドル台半ばを回復。920ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標、7月高値(1003.7)から8月安値(882.6)の半値戻し(943.2)近辺、940ドル前後までを目指す流れが進行。3週間ぶりに20日移動平均線(921.7)も上抜け、これを維持できればもう一段の上昇余地。
ドル円は37銭のドル安円高、0.25%の反落。東京市場スタートと同時に146円40銭近辺まで小幅に急騰、前日高値水準で失速すると時間足レベルではダブルトップの可能性を残して上値トライ一服状態に。植田日銀総裁と岸田首相との会談報道などもあり、午後には一時145円80銭台まで小幅に急落。欧州時間には米10年債利回り低下に連れたドル安の流れで145円50銭近辺まで下落。NY市場では米長期金利の反発局面に連動、146円10銭台まで反発もNY午後には再び146円割れへ。高値圏での小幅保ち合いレンジ145円30銭から146円40銭までを維持した状態で週末へ、サイクル的には上昇一服から調整方向への転換タイミングに差し掛かり、このまま保ち合い崩れとなれば調整局面へ、144円近辺までが短期下値目安に。保ち合い上抜けへと切り返す展開となれば一段高へ、148円前後までが短期上値目標に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/22終値とチャート
23日の国内金価格は-18円、0.18%の反落。急騰後の一服となって9760円の節目トライも先送り、ほぼ水平状態で重なる9-21日移動平均線(9723-20)にもサポートされて高値更新トライ前の小康状態のようにも。週末以降に節目上抜けへと向かえば高値更新トライへ、過去最高値を更新して9850円台辺りまでを目標に一段高の展開へ。逆に下方向への流れ再加速となって9650円のサポートを割れると一段安へ、下値目安は7月安値(9499)から最高値(9831)の76.4%戻し(9577)辺りまで。
プラチナ価格は+51円、1.1%高となって4日続伸。8月1日(4712)以来3週間ぶり高値圏での一段高となり、4590円の節目上抜けに伴う短期上値目標、8月高値圏4700円台回復まであと少し。金価格が上値トライとなって追随する展開となった場合の行き過ぎ目安としては7月高値圏、4760円台辺りまで。
※参考:
金プラチナ国内価格8/23とチャート
2023年08月23日(水)時点の相場
国内金:9,735 円 8/23(水)
▼18(
0.18%)
国内プラチナ:4,695 円 8/23(水)
▲51(
1.10%)
NY金:1,926.0 ドル 8/22(火)
▲3.0(
0.16%)
NYプラチナ:925.5 ドル 8/22(火)
▲12.0(
1.31%)
ドル円:145.87 円 8/22(火)
▼0.37(
0.25%)
8/22(火)のその他主要マーケット指標
サービス業PMIも節目50割れ、ドイツもユーロ圏も急減速 08/24(木)デフレ懸念、中国では利下げフェーズが進行中 08/22(火)ジャクソンホールの週、タカ派傾斜なら金には下方リスクも 08/21(月)インフレ高止まりで実質実効為替レートも円安、ドル高は一服 08/19(土)
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