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インフレ高止まりで実質実効為替レートも円安、ドル高は一服
更新日:2023年08月19日(土)
BIS実質実効為替レート 2023年7月BIS(国際決済銀行)が今週発表した実質実効為替レートでは、月間平均で米ドルが半年ぶりのドル高水準となった6月の107.22から7月は106.2へと低下。ゆるやかなドル高一服。日本円は74.31となって8ヵ月ぶりの円安水準となった6月から変わらず、横ばい推移。
世界の主要60カ国・地域を対象に、貿易額に応じて加重平均した名目実効為替レートに物価調整を加えた指数の月間平均で、2020年平均を100としたこの指数では、2022年10月に米ドルは112.98で過去最高となってピークアウト。いっぽう、日本円は73.70で過去最低となってボトムアウト。ドル円が10月に1ドル=150円超まで上昇したタイミングにも一致します。

その後、実質実効為替レートは年初にかけて米ドルが下落、日本円は上昇。為替市場でドル安円高局面が進行し、ドル円が1月に1ドル=127円台まで下落した流れに一致。
しかし、2023年春夏にかけては、米ドルがゆるやかなドル高、ほぼ横ばい傾向とも言える推移。これに対して日本円は下落。
為替市場でドル円が7月に1ドル=140円台まで上昇してきた原動力は、円安だったことが表れています。

この間、日米の金融政策の相違が改めて意識されたことなどに加えてインフレ動向も影響した可能性。
日本のインフレもCPIでは2022年末に前年比+4.0%、2023年1月には+4.3%でインフレピーク。ただしその後もインフレ鈍化は限定的となり、今週発表された7月でも+3.3%。
米国のインフレ(CPI)が2022年6月に9%台でピークアウトして6-7月の3%まで急速に鈍化したことでドル安圧力も急速に後退した可能性もある一方、日本ではインフレの絶対的水準こそ低いものの鈍化ペースも遅く、比較的円安圧力も高止まり傾向となり、為替の円安進行要因の一つとなった可能性もありそうです。

NY金・日足チャート 2023/7/17 - 8/1818日のNY金は+1.3ドル、0.07%高で10日ぶりの小反発。前日NY午後につけた安値1914.2ドルからの自律反発局面はこの日のアジア時間まで続いて1920ドル台を回復、しかし1920ドル台半ばで上値を押さえられると1920ドル台前半での小幅保ち合い推移に。NY朝につけた高値も1926ドルまでにとどまり、NY午後には米10年債利回りの反発局面とドルの下げ渋りにも連れて1920ドル割れへと軟調推移。日足レベルではわずかに反発し、安値もわずかに切り上げたものの2日連続の上ヒゲで上値も切り下げ、下落途中の一服感も払拭し切れず。それでも時間足レベルでは二番底をつける形で1910ドル台半ばから1910ドル台後半へと反発の兆しで週末。週明けに今週安値1914.2ドルを下回らず、この日の高値1920ドル台半ばを超えて17日高値1930ドル台トライへと向かうようなら、3週間程続いた下落局面脱却をかけた攻防へ。
週間ベースでは-30.1ドル、1.55%安で3週続落。

NYプラチナ・日足チャート 2023/7/17 - 8/18NYプラチナは+19.4ドル、2.17%の続伸で8月7日(926.9)以来、10日ぶりの高値。アジア時間には900ドルの大台を挟んでの保ち合い、ロンドン市場では9日移動平均線(903.0)を上抜けて反発トライ。NY朝には910ドル台、NY午後には910ドル台半ばへと堅調推移。890ドルから920ドルまでの安値保ち合いレンジ下限を維持した前日の反発局面を受け継いでの上値トライも、保ち合い上限には少し届かず。次週、この流れを維持して920ドル超へと抜け出すことができれば反発局面形成へ、7月高値(1003.7)から8月安値(882.6)の半値戻し(943.2)近辺、940ドル前後までが短期上値目標に。確率的にはかなり低下も890ドル割れへと反落の場合には下落局面再開で860ドル近辺までが下値目標に。
週間ベースではわずかに+0.4ドル。0.04%の小幅高で5週ぶりの反発。

ドル円・日足チャート 2023/7/17 - 8/18ドル円は48銭のドル安円高、0.33%の続落で8月11日(144.95)以来、1週間ぶりの安値。前日東京市場でつけた高値146円50銭台をピークとした調整局面が続き、この日の高値も東京朝の145円80銭台。東京市場では145円台半ばへと水準を切り下げての小幅保ち合い、欧州・NY市場にかけては振れ幅を拡大。欧州序盤に145円10銭台まで下落もNY朝には145円70銭台まで反発、その後は米10年債利回りの反落などにも連れて軟調推移、NY午後には一時145円割れを試しながらもNY終盤には145円30銭台へと反発。9日移動平均線(145.05)にもサポートされた格好となり、最低限の調整をこなして下ヒゲを残し、次週ジャクソンホールに向けては保ち合い気味の展開も意識されそうな状況にも。もう一段の調整目安としては7月安値(137.24)から8月高値(146.55)までの23.6%戻し(144.35)近辺も。
週間ベースでは+42銭、0.29%高で3週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/18終値とチャート

2023年08月19日(土)時点の相場
国内金:9,696 円 8/18(金) ▼55(0.56%)
国内プラチナ:4,557 円 8/18(金) ▲54(1.20%)
NY金:1,916.5 ドル 8/18(金) ▲1.3(0.07%)
NYプラチナ:915.0 ドル 8/18(金) ▲19.4(2.17%)
ドル円:145.37 円 8/18(金) ▼0.48(0.33%)
→8/18(金)のその他主要マーケット指標

←ジャクソンホールの週、タカ派傾斜なら金には下方リスクも 08/21(月)
→NY連銀とは逆行、フィリー指数は1年ぶりプラス圏回復 08/18(金)
→米鉱工業生産は前月比で半年ぶり高水準も3ヵ月連続の前年割れ 08/17(木)
→強弱混在の米指標、NY連銀製造業景況指数は乱高下継続 08/16(水)

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