より高くより長く、9月FOMC通過でドル円もより高くより長く
更新日:2023年09月21日(木)
今週OECDが発表した世界経済見通しでの米国の2023年成長率予想2.2%を下回り、FOMCでの2023年成長率予想中央値は2.1%。それでも6月時点の1.0%からは大幅引き上げ。失業率予想も年内は4.1%から3.8%へ引き下げられ、2024-25年はいずれも4.5%から4.1%へと引き下げ。PCEインフレは2025年でも2.1%から2.2%へ引き上げ、コアPCEも2.2%から2.3%へ。目標水準2.0%到達は2026年との見通し。
やや楽観的?かもしれない経済見通しを背景に、FF金利予想中央値は2023年末には5.625%。前回6月から変わらず、年内あと1回0.25%の追加利上げを見込む状況に。
なお、19人のFOMCメンバーのうち12人が5.625%とし、残る7人が5.375%。比率にして利上げ打ち止め予想が37%程度に対して0.25%追加利上げ予想が63%程度。
直前のCMEフェドウォッチでの12月据え置き予想が60%弱となっていた状況よりもタカ派的となり、利上げ打ち止め観測は後退。
2024年末予想中央値は前回の4.625%から5.125%へと0.50%引き上げられ、2025年末は3.375%から3.875%へ、これも0.50%引き上げ。
2026年末は2.875%。中立金利とみなされる長期見通し中央値は2.50%。
9月FOMCでは、FF金利を「より高くより長く」高金利を維持する見通しが示されたことで、タカ派度合いは予想以上との見方がやや優勢となった様子。
これを受けて米10年債利回りは4.4%台へと一段高、ドル高の流れも急進となり、148円台へと水準を切り上げたドル円も「より高くより長く」の様相に。
20日のNY金は+13.4ドル、0.69%高で5日続伸。9月1日(1967.1)以来、3週間ぶり高値圏での一段高で上値トライ一服の兆しに。FOMC前に調整の動きとなった米長期金利低下とドル安の流れに連れ、ロンドン序盤の安値1950ドル割れから反発基調となり、NY朝には1950ドル台から1960ドル台へと一段高、NY午後には高値で1970ドル手前まで上昇。しかしNY引け後のFOMC結果を受けて急反落。予想通りの据え置きながら、今後の見通しが予想以上にタカ派的となって金利上昇とドル高の流れ急進に連れ、この日の上げ幅帳消しとなる1950ドル近辺へ。2日連続で90日移動平均線(1956.8)上抜けに失敗し、20日移動平均線(1950.2)にサポートされるかどうかという状況に。当面の主要レンジ1930ドルから1970ドル台までの上限トライにも失敗し、レンジ半ばへと押し戻された格好。目先しばらくは指標結果次第のドルの行方に左右され、レンジ内推移で方向感見極めの展開にも。
NYプラチナは-6.1ドル、0.64%安で5日ぶりの反落。アジア時間には940ドル台半ばから940ドル近辺まで小幅下落後に反発、しかしこの日の押し目買いでは前日高値を超えられず、ロンドン市場で950ドル付近まで上昇して失速。NY市場では940ドル近辺へ、FOMC後には930ドル付近へと一段安。910ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標、9月高値(995.0)から安値(893.3)の61.8%戻し(956.2)近辺到達後の調整局面が進行。上昇軌道に入っていた20日移動平均線(937.9)を下抜けた状態となり、短期上昇トレンド維持に向けては黄色信号。早期に再度上抜けできれば950ドルの節目との攻防へ、これも上抜けると970ドル近辺を目安にもう一段水準を切り上げる展開にも。
ドル円は48銭のドル高円安、0.32%の続伸で昨年10月31日(148.74)以来、10ヵ月半ぶりの高値。147円80銭近辺での小幅揉み合い推移となった東京時間を経て、欧州時間序盤には148円トライ。148円10銭台まで上昇して失速すると、FOMC前の調整の様相となってNY午後につけた安値147円40銭台までコンスタントに下落。FOMC結果を受けて148円台へと急反発後は、パウエルFRB議長会見を経て148円30銭台まで上昇。今朝の東京市場では148円40銭台へと一段高の様相にも。147円90銭の節目を上抜けたことで一段高への展開が進行し始めた可能性、短期上値目標は149円台前半辺りまで。9日移動平均線(147.56)が目先の下値サポート候補。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/20終値とチャート
21日の国内金価格は+36円、0.36%の反発。2日ぶり、9月3回めで今年27回めの過去最高値更新。サプライズなしのFOMC通過で、1万円の節目上抜けに伴う短期上値目標10100円程度までを目指す流れ再開。若干の上昇余地を残す状況ながら、タカ派度合いがやや強めと見る向きもあることなどから東京朝の時間帯でもNY金の軟調推移とドル高優勢の流れがゆっくりと進行中。当面の下値サポート候補としては7月安値(9499)から9月最高値の23.6%戻し(9930)、21日移動平均線(9925)近辺。
プラチナ価格は-48円、1.00%安で4日ぶりの反落。短期トレンド好転目前で急失速したような格好となり、上昇軌道の21日移動平均線(4773)も下抜け。それでも直近の短期上値目標4750円近辺を突き抜けての行き過ぎ局面からの巻き戻し、という状態にも。90日移動平均線(4749)にサポートされれば短期トレンド好転再トライとともに4820円の節目再トライへも。これを超えると反発局面再開で4860円近辺までが短期上値目標に。
※参考:
金プラチナ国内価格9/21とチャート
2023年09月21日(木)時点の相場
国内金:10,063 円 9/21(木)
▲36(
0.36%)
国内プラチナ:4,767 円 9/21(木)
▼48(
1.00%)
NY金:1,967.1 ドル 9/20(水)
▲13.4(
0.69%)
NYプラチナ:942.3 ドル 9/20(水)
▼6.1(
0.64%)
ドル円:148.34 円 9/20(水)
▲0.48(
0.32%)
9/20(水)のその他主要マーケット指標
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