利上げ打ち止め観測?の9月FOMC、利下げは2024年後半から
更新日:2023年09月20日(水)
99%据え置きを織り込んで迎える9月FOMC直前。CMEフェドウォッチによれば、FF金利は年内据え置きも濃厚。12月にも据え置き予想が60%、追加利上げ予想は40%程度。半月ほど前からは追加利上げ予想が若干上昇も、利上げ打ち止め観測が一段と強まるきっかけのFOMCとなる可能性も。
2024年1月も同程度の比率で、3月以降は徐々に追加利上げ観測は縮小、逆に利下げ観測拡大へ。現時点で、中央値で見る利下げスタート時期は2024年7月会合。
9月以降、追加2回の利下げで2024年末FF金利は450-475。上下いずれも20%台の予想で今後大きくブレることも予想されるものの、中央値としてはこの半月程度でも利下げペースは鈍化、その水準も引き上げられた状態。
なお、この水準(450-475)は6月FOMCでのドットチャート中央値と同じ。これまで早期利下げで2024年末にはより低金利を予想していた市場コンセンサスとしては、ここに来てようやくFOMC予想に同調してきた格好。
2023年末予想値については、6月FOMCの予想が550-575、市場予想(525-550)のほうが0.25%下回る水準。
ダドリー前NY連銀総裁は、今回のFOMCでは大半の参加者が年内もう1回の追加利上げを想定しているとの見方。利上げ打ち止め観測拡大を抑制し、選択視に幅を持たせておくことを好むパウエル議長も同様の考え方となりそうで、実際にそうなるかもしれません。
そうなれば、2023年末のFF金利予想もここに来てようやく、6月FOMC(9月FOMCも同様か)に市場予想が追随する格好に。
利上げ打ち止め観測は後退し、年内追加利上げ観測再燃となり、ドル高優勢の展開となるかもしれません。
19日のNY金はわずかに+0.3ドル、0.02%の小幅高で4日続伸。9月1日(1967.1)以来、半月ぶり高値圏での小動き。FOMC直前で動意は縮小、1950ドル台での小幅保合いに終始。NY朝にかけてのドル安局面でつけた高値は1960ドル手前、巻き戻しとなった流れでNY引け後の安値は1950ドル付近。ゆるやかに下降する90日移動平均線(1957.3)上抜けに失敗し、上昇軌道に入った20日移動平均線(1948.1)にはサポートされる状態。この日の変動値幅はわずかに8.0ドル、今年の平均24.8ドルの3分の1以下で今年2番めの小動き。サプライズを予想し難い今回のFOMC後には極端な流れとはならず、1930ドルから1970ドル台までのレンジ内での変動が濃厚か。今後の見通しなどをきっかけに流れが生じ、上方向へと動き出し、いずれ節目上抜けとなれば2000ドル回復トライの展開へ。逆に下方向への流れが形成され、いずれ節目下抜けとなれば1900ドルの大台割れトライの展開へ。中長期的には前者優勢と思われ、短中期的には横ばい傾向継続も。
NYプラチナは+10.1ドル、1.08%高で4日続伸。9月1日(968.7)以来半月ぶり高値圏での一段高。アジア時間には940ドル付近から930ドル台半ばへと浅めの押し目を形成後に反発、ロンドン市場で940ドル台半ば、NY朝には950ドル台へと小幅に急騰。高値では955ドルまで上昇し、910ドル台の節目上抜けに伴う短期上値目標、9月高値(995.0)から安値(893.3)の61.8%戻し(956.2)近辺にほぼ到達。達成感からの小反落でNY午後には940ドル台半ばへ。上値トライ一服状態でFOMC待ちとなり、新たな展開となれば上方向には右肩下がりの90日移動平均線(964.2)から76.4%戻し(971.0)辺りまでが一段高の目安にも。下方向へはゆるやかに上昇する20日移動平均線(937.0)が浅めのサポート候補。
ドル円は24銭のドル高円安、0.16%の反発で昨年11月3日(148.28)以来、10ヵ月半ぶりの高値。東京朝には前日安値をわずかに下回るも147円50銭割れを回避して切り返し、午後には147円70銭台へと水準を切り上げ、東京市場終了後の上値トライ局面では前日高値をわずかに上回るも147円90銭に届かず失速。欧州時間序盤には147円60銭台へと急反落も147円50銭台では底堅く、NY市場にかけて徐々に反発。NY午後には一時147円90銭台まで上昇も、先週末高値にわずかに届かず失速。この日の変動値幅は41銭で今年の平均1.35円の3割、前日に続いて今年2番めの小動き。直近5日間の平均値幅でも51銭となって動意縮小、足下では価格ピーク水準上昇に対してRSIのピーク水準が切り下がる逆行状態となり、イベントを無視すれば反落警戒感が急速に高まる状況にも。それでも想定外のタカ派FOMCとなれば一段高の可能性も、147円90銭の節目上抜けなら短期上値目標は149円台前半辺りまで。多少のハト派なら下値サポート146円50銭割れは回避か、割れると一段安で144円台後半を目指す流れへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/19終値とチャート
20日の国内金価格は-11円、0.11%安で3日ぶりの反落。上値トライ一服でFOMC待ちへ、それでも1万円の節目上抜けに伴う短期上値目標10100円程度までを目指す流れは継続。極端な見通しとならなければ、ゆっくりと短期上昇トレンド継続で若干の上昇余地を埋めに行く展開へ。ハト派に振れ過ぎた場合にはドル円の急反落リスクが一段と高まり、その影響が懸念されるところ。当面の下値サポート候補は7月安値(9499)から9月最高値(10038)の23.6%戻し(9911)、21日移動平均線(9911)近辺。
プラチナ価格は+6円、0.12%高で3日続伸。9月5日(4853)以来2週間ぶり高値圏での一段高。5月の今年高値(5197)から8月安値(4461)までの半値戻し(4829)まであと少し、下値サポート候補は90日移動平均線(4751)、これを上抜けた21日移動平均線(4767)にサポートされる状態が続けば短期トレンド好転後の流れ継続へも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/20とチャート
2023年09月20日(水)時点の相場
国内金:10,027 円 9/20(水)
▼11(
0.11%)
国内プラチナ:4,815 円 9/20(水)
▲6(
0.12%)
NY金:1,953.7 ドル 9/19(火)
▲0.3(
0.02%)
NYプラチナ:948.4 ドル 9/19(火)
▲10.1(
1.08%)
ドル円:147.86 円 9/19(火)
▲0.24(
0.16%)
9/19(火)のその他主要マーケット指標
より高くより長く、9月FOMC通過でドル円もより高くより長く 09/21(木)NY連銀サービス業は9月に失速も回復基調は維持 09/19(火)NY連銀製造業景況指数も9月に急回復、底入れの可能性も 09/16(土)エネルギー価格上昇でPPIも小売売上高も8月は予想上振れ 09/15(金)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン