シャットダウン回避でリスク選好、金価格は最高値からの調整続く
更新日:2023年10月02日(月)
週末で月末となった9月30日、米議会は11月17日までのつなぎ予算案を可決。新会計年度が始まる10月1日から政府機関が閉鎖する非常事態を土壇場で回避。主要格付け会社から格下げを喰らおうとも、唯一最上級格付けを付与している主要格付け会社から格下げ警告を受けようとも、もはや季節の風物詩状態となった政府機関閉鎖危機。11月にはシャットダウン・リスク再燃も予想され、共和党の瀬戸際政策は続きます。ともあれ、シャットダウンを当面回避したことを好感した週明けは米10年債利回りが上昇し、株高の流れとともに小幅にドル高。ドル円は週末の149円30銭台から50銭台、60銭近辺へと水準を切り上げて東京市場をスタート。時間外のNY金は1860ドル台半ばから先週末安値をわずかに下回って1860ドル近辺へと軟調気味。NYプラチナは先週末の910ドル台半ばから920ドル台へと堅調スタート。
2日の国内金価格は先週末から-83円、0.85%安となって5日続落。8月21日(9655)以来、6週間ぶりの安値。5日続落は9月14日以来半月ぶり、今年7月以降だけで3度め。9970円の節目割れに伴う短期下値目安9850円近辺到達後も下げ止まらず、7月安値(9499)から最高値(10063)までの38.2%戻し(9848)を通過して9800円の大台も割り込んでの一段安。半値戻し(9781)も突き抜けて昨年末以来、9ヵ月ぶりに90日移動平均線(9744)も下抜け。目先、61.8%戻し(9714)から9700円の大台がサポート候補に。
一目均衡表では基準線(9892)下抜けへと向かう転換線(9892)を下抜けて急落、遅行線も26日前の価格(9760)を下抜けて二役逆転。目先の下値サポート候補としては雲の上限(9694-9764)、雲の下限(9665-9718)。4月以降の中期上昇チャネル上限ラインを8月末に突き抜けて斜行三角保合いを形成し、価格水準を切り上げながらオシレータ系指標のピークが切り下がる逆行状態となって反落警戒感を強めた結果、急反落となって中期上昇チャネル内に回帰。今度は下限ライン(9650円台からゆるやかに上昇)でサポートされるかどうか、という状況に。
プラチナ価格は+5円、0.11%の続伸で9月25日(4772)以来、1週間ぶりの高値。90日移動平均線(4721)上抜けの勢いで9-21日移動平均線(4735)もなんとか突破、反発基調継続も4780円の節目手前でやや失速気味。節目突破できれば反発局面再加速へ、4850円近辺までが短期上値目標に。反発局面継続に向けては9-21日線維持が目先のポイントにも。
一目均衡表では転換線(4735)を上回るものの基準線(4784)を下回り、二役好転で一役揉み合い状態に。ただ、遅行線は急騰局面にある26日前の価格(4707-4946)を現時点では上回るものの、上抜け維持に向けては急騰が必要。雲の上限(4682-4704)、雲の下限(4608-4728)は雲のねじれを形成しながら浅めのサポート帯を形成。2月安値と5月高値を起点に構成した中期三角保合いを8月に下抜けもダマシとなって切り返すと上抜け。今度は8月安値を起点に広めのレンジでの上昇チャネルを形成。さらには8月末高値から上値を切り下げるラインとで三角保合いも形成。足下ではいったん下抜けがまたしてもダマシ(の可能性)となって切り返した状態。中期上昇チャネル回帰と三角保合い上抜けトライへ。
※参考:
金プラチナ国内価格10/2とチャート
2023年10月02日(月)時点の相場
国内金:9,721 円 10/2(月)
▼83(
0.85%)
国内プラチナ:4,741 円 10/2(月)
▲5(
0.11%)
NY金:1,866.1 ドル 9/29(金)
▼12.5(
0.67%)
NYプラチナ:915.9 ドル 9/29(金)
▲0.8(
0.09%)
ドル円:149.37 円 9/29(金)
▲0.09(
0.06%)
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