エネルギー価格下げ渋りでCPI総合も予想以上に下げ渋り
更新日:2023年10月13日(金)
米9月CPIは総合指数が予想よりも下げ渋り、失業保険申請件数は予想をわずかに下回って雇用の堅調ぶりも示唆したことでドル高に振れる展開に。反発局面が続いていたNY金は巻き戻し。
9月の消費者物価指数、CPIは前年比+3.70%。市場予想の+3.6%を上回り、前月の+3.67%からもわずかに0.03%上昇、2年3ヵ月ぶり低水準となった6月(2.97)から3ヵ月続伸で4ヵ月ぶり高水準。食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比+4.15%。市場予想の+4.1%にほぼ一致、6ヵ月続落となって2021年9月(4.03)以来、2年ぶりの低水準。
セクタ別では、唯一前年割れのエネルギー価格だけが前月よりも上昇。エネルギーは前年比-0.5%。3ヵ月続伸で7ヵ月ぶり高水準。食品は前年比+3.7%。13ヵ月続落で2年1ヵ月ぶりの低水準。
食品とエネルギーを除くモノの価格は+-0.0%、4ヵ月続落で3年2ヵ月ぶりの低水準。エネルギーを除くサービス価格は+5.7%。7ヵ月続落で1年2ヵ月ぶり低水準。
主な項目別では、高水準が続く帰属家賃は+7.1%。5ヵ月続落で10ヵ月ぶりの低水準。ガソリン価格は前年比+3.0%。3ヵ月続伸で8ヵ月ぶりに前年比プラス圏、10ヵ月ぶり高水準。
クリーブランド連銀のメディアンCPIは前年比+5.50%。過去最高の2月(7.20)から7ヵ月続落で1年5ヵ月ぶりの低水準。
16%トリム平均CPIは前年比+4.29%。過去最高の9月(7.31)から12ヵ月続落で1年11ヵ月ぶりの低水準。
アトランタ連銀のスティッキーCPIは前年比+5.07%。7ヵ月続落で1年5ヵ月ぶりの低水準。
エネルギー以外は順調に鈍化傾向が継続中。ただし依然、高水準。
12日のNY金は-4.2ドル、0.23%安となって5日ぶりの反落。前日までの堅調な流れが続いた時間外は1880ドル台後半から1890ドル台後半へと一段高。しかし、20日移動平均線(1895.4)を上抜けて1900ドルの大台回復トライのタイミングでNY朝、米9月CPIの上振れを受けて急反落。大台寸前で切り返すと米10年債利回り上昇とドル高の流れにも連れ、1880ドル台前半へと下落。上ヒゲ陰線を形成しながらも1880ドル付近では下げ渋り、流れとしては反発基調を維持したような格好にも。引き続き1880ドルを維持できれば、20日線から1900ドルの大台ラインとの攻防が反発局面継続へのポイントに。
NYプラチナは-17.2ドル、1.93%安で5日ぶりの反落。10月5日(862.5)以来、1週間ぶりの安値。前日の下ヒゲからの勢いを維持したアジア時間には890ドル台半ばから大台回復トライ、前々日高値(899.3)を上抜けて900ドルを回復。しかし、20日移動平均線(905.1)にも上値を押さえられ、10月高値となった2日(921.6)以来10日ぶりの高値をつけて失速するとロンドン・NY朝にかけて890ドル割れへと反落。米CPI結果を受けて急反落となったNY金にも追随する格好となり、NY市場では880ドル割れへと一段安。NY午後に870ドル台前半では下げ渋る格好とはなったものの、大台回復に失敗した流れで反発基調も腰折れの様相にも。目先、860ドルの節目を割り込むようだと840ドル程度までの一段安へ、切り返して900ドルの大台回復再トライに成功なら10月高値圏920ドル近辺までの一段高も。
ドル円は61銭のドル高円安、0.41%高で3日続伸。10月2日(149.86)以来、10日ぶりの高値。東京市場では149円近辺から149円20銭台までの小幅レンジで保合い推移、ややレンジを縮小した欧州時間を経てNY朝にはCPI上振れを受けて149円台半ばへと急騰。その後も米10年債利回り上昇に連れてNY午後には高値で149円80銭台まで上昇。保合い上限となっていた149円30銭の節目を一気に上抜けたことで上値トライへの流れが再開、介入がなければ150円台半ば辺りまでが短期上値目標に。介入などで急反落となり、148円50銭の節目を割り込むようなら調整局面拡大、7月安値(137.24)から10月高値(150.16)の23.6%戻し(147.11)近辺、147円付近までを目指す流れに。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/12終値とチャート
13日の国内金価格は+19円、0.19%の続伸。9月28日(9866)以来2週間ぶり高値圏での一段高。CPI後の変動もNY金の下げ幅が比較的限定的となったこともあり、国内価格の急変動は回避。イベント通過で9月最高値(10063)から10月安値(9512)までの61.8%戻し(9853)を達成したことで、短期的にはいったん落ち着きやすい状況にも。ただしドル高円安基調がもう一段続くようなら介入警戒感が一段と高まることによる急変動リスクも。それでも目先しばらくは中期逆三角保合いの範囲内での変動に。
週間ベースでは+350円、3.68%高で3週ぶりの反発。昨年4月11日からの週(+349円、4.15%)以来、1年半ぶりの大幅高。
プラチナ価格は-83円、1.79%の反落で10月6日(4484)以来、1週間ぶりの安値。4630円の節目を上抜けて4700円の大台付近を目指す展開がスタートしたかに見えた流れは米CPI発表後に巻き戻し。勢い余って4580円の節目も割り込んでしまったことで流れは逆流、下値トライ再開の様相へ。弱気パーフェクトオーダーを再構成し、短期的には4500円近辺までを目安に軟調局面が続きやすい状況に。
週間ベースでは+68円、1.52%の反発。
※参考:
金プラチナ国内価格10/13とチャート
2023年10月13日(金)時点の相場
国内金:9,862 円 10/13(金)
▲19(
0.19%)
国内プラチナ:4,552 円 10/13(金)
▼83(
1.79%)
NY金:1,883.0 ドル 10/12(木)
▼4.3(
0.23%)
NYプラチナ:875.8 ドル 10/12(木)
▼17.2(
1.93%)
ドル円:149.80 円 10/12(木)
▲0.61(
0.41%)
10/12(木)のその他主要マーケット指標
ミシガン大10月速報、インフレ懸念急騰で消費者心理は急低下 10/14(土)PPIは3ヵ月続伸、原油価格も3ヵ月続伸でCPIにも上昇圧力 10/12(木)NY連銀9月インフレ期待は1年先も3年先も上昇 10/11(水)ガザ危機でリスク回避の金買い、急落の国内金も急反発 10/10(火)
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