フィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月も回復基調継続
更新日:2023年10月20日(金)
パウエルFRB議長はFOMC前のブラックアウト期間入り直前の講演で「経済成長の強靱さと労働需要の底堅さを示す最近のデータに留意」していることをあらためて強調し、インフレ進展リスクと追加利上げの必要性についても言及。
フィラデルフィア連銀製造業景況指数は10月も回復基調継続を示唆。
10月は-9.0となり、市場予想の-6.9こそ下回ったものの、9月の-13.5からは上昇。8月の+12.0を除けば1月(-8.9)以来の高水準。4月(-31.3)で底打ちしての回復基調は継続。
6ヵ月平均では-8.0。13ヵ月連続のマイナス圏推移ながらも3ヵ月続伸となって1月(-7.7)以来、9ヵ月ぶりの高水準。
構成指数では、受注残が-16.8。5ヵ月連続マイナス圏で4ヵ月ぶりの低水準。需要低迷の可能性も示唆。
入荷遅延は-21.4。13ヵ月連続マイナス圏推移となって半年ぶりの低水準。こちらは逆に、需要に供給が追いつかず遅延気味となっている可能性、需要の強さを示唆している可能性も。
雇用は4.0。8ヵ月ぶり高水準でプラス圏回復。ただし平均労働時間は-4.3で4ヵ月ぶりの低水準、回復基調の労働市場はそれほど弱くもないが強くもない?
期待指数は9.2。9月(11.1)からは小幅に低下、5ヵ月連続プラス圏推移も、ほぼ2年ぶり高水準となった7月(29.1)を下回る状態。
回復傾向が続くフィラデルフィア連銀管轄の製造業景況感としては、将来への期待感もそこそこ。
経済成長の強靭さを示すほどでもなく、労働需要は強過ぎず、今後の見通しもほどほどに、利上げ打ち止めに向けても適度な回復基調となっているようです。
19日のNY金は+12.2ドル、0.62%高で3日続伸。7月31日(2009.2)以来、2ヵ月半ぶりの高値。短期上値目標1970ドル近辺到達後の一服状態となった時間外は1960ドル台前半を中心に小幅揉み合い推移、ロンドン・NY朝にかけてはドル安の流れにも連れて1960ドル台後半へと小幅に上昇。NY午後にはパウエルFRB議長発言を受けて1980ドル台へと急騰、高値では1990ドルまで上昇し、NY引け後にも1990ドル台トライ。パウエル議長は追加利上げの可能性や高金利長期化への可能性も否定しなかったものの、従来スタンスを維持する中立姿勢。タカ派傾斜しなかった分だけ安心感も、不透明感続く中東情勢の地政学リスクと合わせてNY金をサポート。短期的にはやや行き過ぎの領域へと接近も、短中期的には7月高値圏2010ドル近辺までが次の上値目標となる可能性も。
NYプラチナは+3.9ドル、0.44%の反発。前日の反落からの戻りでこの日の時間外は890ドル付近から、戻り売りの様相となってロンドン序盤には880ドル付近まで下落。これが安値となって切り返すとNY市場では890ドル台後半へ、高値では900ドル再トライも大台維持には至らず。結果的に下降基調が続く20日移動平均線(895.0)をわずかに上抜けて下げ渋る格好にも。引き続き870ドルから910ドルまでを主要レンジに保合いの様相に。上方向へと抜け出せば930ドル付近まで、下方向へは840ドル程度までが短期目安に。
金との価格差は1082.3ドル、2日連続で過去最大を更新。
ドル円は12銭のドル安円高、0.08%の小幅安で3日ぶりの反落。149円80銭台を中心に小幅保合いに終始、東京朝とNY午後には一時149円70銭割れ、NY午後のパウエルFRB議長会見を受けての小幅乱高下局面でつけた高値も149円90銭台まで。今年最高値となった10月3日の150円10銭台に次ぐ高値も150円に届かず、介入警戒感などから150円ラインへの抵抗感は想定以上に強い様子も。なお、この日の変動幅は29銭にとどまり、今年の平均1.29円の5分の1余り、今年最小で2021年12月末以来、1年10ヵ月ぶりの小動き。引き続き150円台半ば辺りまでの上値トライへの可能性も残しつつ、反落警戒感も高止まり。149円台半ばのサポートを割れると148円付近までが短期調整目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/19終値とチャート
20日の国内金価格は+127円、1.24%の大幅高で3日続伸。3日連続、今年31回めの過去最高値更新。10120円台の節目上抜けに伴う短期上値目標、9月高値(10063)から10月安値(9512)の123.6%戻し(10193)、10200円付近を突き抜けて138.2%戻し(10273)を達成後、さらに一段高となって161.8%戻し(10403)近辺に到達。パウエル会見を経て追加利上げ観測後退、将来的なハト化見通しは健在で地政学リスクによるNY金高騰をドル高円高によるドル円膠着状態も下支え。さらなる行き過ぎ目安としては176.4%戻し(10484)、200%戻し(10614)など。急反落リスクも抱え、当面の下値サポートは10090円、これを割れると9970円程度までの一段安も。
週間ベースでは+538円、5.46%の大幅続伸。2020年8月3日からの週(+480円、6.67%)以来、3年2ヵ月ぶりの急騰。
プラチナ価格は+9円、0.19%の反発。攻防状態の21-90日移動平均線(4646-4669)を上抜け、下抜け後の再度上抜けに失敗。流れとしては10月6日(4484)の底打ち後は下値を切り上げる反発局面を維持。上昇に転じた9日移動平均線(4627)にサポートされて21-90日線との攻防ラインを突破できれば短期トレンド継続へ。できないようなら徐々にトレンド崩れの展開にも。4700円の節目上抜けできれば4750円近辺までが短期上値目標。4550円の下値サポート割れなら4450円近辺までの下値トライへ。
金との価格差は5754円へとさらに急拡大、2日連続で過去最大を更新。
週間ベースでは+94円、2.07%の続伸。
※参考:
金プラチナ国内価格10/20とチャート
2023年10月20日(金)時点の相場
国内金:10,400 円 10/20(金)
▲127(
1.24%)
国内プラチナ:4,646 円 10/20(金)
▲9(
0.19%)
NY金:1,980.5 ドル 10/19(木)
▲12.2(
0.62%)
NYプラチナ:898.2 ドル 10/19(木)
▲3.9(
0.44%)
ドル円:149.80 円 10/19(木)
▼0.12(
0.08%)
10/19(木)のその他主要マーケット指標
NY連銀サービス業も10月は低調、インフレ関連指標も下げ渋り 10/21(土)減少傾向続く住宅着工件数に対して建設許可件数は増加傾向へ 10/19(木)堅調な米消費、9月小売売上高は6ヵ月連続増でコロナ後最長 10/18(水)回復基調のNY連銀製造業景況指数、10月は再びマイナス圏 10/17(火)
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