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米11月雇用統計、賃金鈍化は続くも雇用関連は予想外に堅調
更新日:2023年12月09日(土)
米・人口に対する雇用率 2023年11月米雇用指標ウィーク第4弾、大トリは11月雇用統計。日銀騒動がなければ今週の相場動向は大きく異なったものになったであろう、と思わせる想定外の好結果に。

賃金上昇率は、小数点以下2桁で見るとコンスタントに鈍化傾向が継続。
11月は前年比+3.96%となり、10月の+4.04%から一段と低下。5ヵ月連続の低下で2021年6月(3.95)以来、2年5ヵ月ぶりの低水準。
前年比+4%割れも2年5ヵ月ぶりとなり、長期平均+3.03%も見えてきた?ようにも。ただし鈍化ペースと乖離幅から、もう少し時間が必要そう。

失業率は3.7%。10月の3.9から予想外の低下で4ヵ月ぶり低水準。U6失業率も7.0%で10月の7.2%から2ヵ月ぶり低水準へと改善。
非農業部門雇用者数は、3ヵ月平均で前月比+20.4万人。6ヵ月連続20万人近辺で上げ渋り。
労働参加率は62.8%。10月の62.7から上昇し、8-9月と並び2020年2月(63.3)以来、3年半ぶりの高水準。
高卒者の労働参加率は57.4%。10月の56.9%から急騰でこれも2020年2月(58.3)以来、3年9ヵ月ぶりの高水準。
長期失業者の割合は18.3%。10月の19.8%から急低下、9ヵ月ぶり低水準。2020年9月以降の3年3ヵ月では2番めの低水準。
人口に対する雇用率は60.5%。10月の60.2%から急上昇、これも2020年2月(61.1)以来、3年9ヵ月ぶりの高水準。

予想外に労働需給の引き締まりを示す好結果となり、前のめりとなっていた来年早期の利下げ観測もやや後退。

NY金・日足チャート 2023/11/3 - 12/88日のNY金は-31.9ドル、1.58%の大幅続落で11月27日(2012.4)以来、2週間ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均12.4ドルの2.57倍、今年7番めの大幅安。週初4日(-47.5ドル、2.27%)に続き、最高値からの急落第2弾。2040ドル台後半での小康状態となった時間外、アジア時間での高値2050ドルでは上値を押さえられ続け、NY市場では米11月雇用統計の堅調な結果を受けて急落。2040ドル台半ばから2020ドル近辺へと水準を切り下げた後、ミシガン大の1年先インフレ期待が前月から1.4ポイントの急低下となったことを受けて2030ドル台へと反発、しかしこれは維持できずに戻り売り、NY午後には安値で2010ドル近辺まで下落。ただしNY引け後には2020ドルまで自律反発。結果的に2050ドルの上限の堅さを確認後、2030ドルの節目割れに伴う短期下値目安2010ドル台までしっかり下落。一服状態となって次週CPI経由FOMC待ちへ。
週間ベースでは-75.2ドル、3.6%の大幅安で4週ぶりの反落。9月末以来10週ぶりで今年2番めの急落。

NYプラチナ・日足チャート 2023/11/3 - 12/8NYプラチナは+7.8ドル、0.86%の続伸。週初12月4日(925.1)以来の高値水準を回復。時間外序盤に910ドルをわずかに下回って切り返し、アジア時間からロンドン序盤にかけて920ドルの攻防へ。これを突破すると高値では930ドル付近まで上昇も、NY市場では雇用統計後のNY金の急落に追随する格好となって910ドル台半ばまで反落。ただ、下値も限定的となって保ち合い縮小の展開となってNY引け後には920ドル近辺へと収束。長めの上ヒゲを残しながらもゆるやかに下降する90日移動平均線(914.3)上抜けを維持、上昇し始めた20日移動平均線(914.7)にもサポートされる状態が続くかどうかが目先、もう一段の地合い回復へのポイントにも。
週間ベースでは-16.3ドル、1.74%の続落。

ドル円・日足チャート 2023/11/6 - 12/8ドル円は84銭のドル高円安、0.58%の反発。日銀マイナス金利解除観測による急落から下ヒゲを残しての反発局面は東京市場朝にいったん失速。144円30銭台から142円50銭近辺まで戻り売りとなってこの日の安値をつけて切り返し、徐々に落ち着きを取り戻して東京午後には144円台を回復、欧州時間には144円半ばへ。NY朝の米11月雇用統計は予想外の好結果となり、144円30銭台から145円20銭台までの急騰。しかし、不安定さを引きずる形で直後には144円割れへと急反落、戻り売りと押し目買いとの攻防状態のような展開にもなって売り買い交錯。144円台後半へと反発後にはミシガン大のインフレ期待急低下を受けて143円80銭台まで急反落、NY午後には144円台後半へと反発後は徐々に落ち着く状態にもなって145円手前まで上昇。目先、144円が下値サポートとなるかどうか、という状態でCPI待ちへ。144円を維持できなければ143円近辺までは下げやすく、7月安値(137.24)から11月高値(151.91)の61.8%戻し(142.84)辺りがサポート候補に。反発局面継続に向けては11月高値から12月安値(141.64)の38.2%戻し(145.56)を回復できるかどうか。
週間ベースでは-1.85円、1.26%安で4週続落。4週続落は3月以来、今年2度め。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/8終値とチャート

2023年12月09日(土)時点の相場
国内金:10,249 円 12/8(金) ▼253(2.41%)
国内プラチナ:4,552 円 12/8(金) ▼31(0.68%)
NY金:2,014.5 ドル 12/8(金) ▼31.9(1.56%)
NYプラチナ:919.8 ドル 12/8(金) ▲7.8(0.86%)
ドル円:144.99 円 12/8(金) ▲0.84(0.58%)
→12/8(金)のその他主要マーケット指標

←大幅調整の国内金、12月の平均騰落率はマイナス転落の危機 12/11(月)
→米FOMC・雇用統計直前、チャレンジングな円高急進 12/08(金)
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