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★金プラチナ短期相場観★

世界のプラチナ需給 2023年第4四半期
更新日:2024年03月08日(金)
世界のプラチナ需給・鉱山産出量 2023年第4四半期WPIC(World Platinum Investment Council)発表のプラチナ需給レポートによれば、2023年第4四半期の世界のプラチナ総需要は59.9トン。前期比+7.3%、前年同期比では+14.2%となって2四半期ぶりの高水準。工業需要が好調、投資需要は売り越し。
総供給量は57.6トンで前期比+4.8%、前年同期比+5.3%で2四半期ぶりの高水準。需給バランスは2.3トンの供給不足。供給不足は4四半期連続。
※2023年通年の総供給量は221.8トン。前年比-2.4%で2年連続減。総需要は249.1トン。2013年以降では最少となった2022年から+25.0%、。需給バランスは27.3トンの供給不足。供給不足は3年ぶり。
2024年見通しでは供給が-0.6%の小幅減、需要は-6.3%、13.0トンの供給不足見込み。
2年連続の供給不足見込みに伴い、地上在庫は2022年の151.7トンから2023年には124.4トンへ、2024年には111.4トンへと減少見込み。

<供給>
■鉱山産出量:47.2トン 前期比+8.8%、前年比+14.1%、6四半期ぶり高水準。うち南アフリカは35.1トン(前期比+14.4%、前年比+21.0%)で6四半期ぶり高水準。ロシアは4.2トン(前期比-19.0%、前年比-15.0%)。2カ国合計シェアは83.3%となり、14四半期連続80%以上。
※2023年通年では173.9トン。前年比+1.2%。2024年見通しは-1.8%。
■リサイクル:10.8トン 前期比-3.0%、前年比-14.7%。2014年以降で最低。※2023年通年では46.5トン、前年比-14.0%となって2013年以降では最低。北米と中国の自動車触媒リサイクルが大幅減。2024年には7.0%の増加見込み。

世界のプラチナ需給・目的別需要 2023年第4四半期<需要>
■自動車触媒:25.6トン 前期比+4.2%、前年比+12.3%、2四半期ぶり高水準。
※2023年通年では101.8トン、前年比+16.2%で6年ぶり高水準。2024年見通しは+0.8%で102.5トン、4年連続増で7年ぶり高水準へ。ハイブリッド車のシェア拡大が追い風。中国の排ガス規制強化もプラスに寄与。
■宝飾品:14.4トン 前期比+2.7%、前年比-0.2%で2四半期ぶり高水準。
※2023年通年では57.5ン、前年比-2.6%で3年ぶり低水準。2024年見通しは+2.7%で59.1トンの見込み。
■工業用:22.7トン 前期比+32.2%、前年比+32.2%。10四半期ぶり高水準。
※2023年通年では81.6トン、前年比+12.2%で過去最大。ガラス関連が21.8トン、+38.8%の大幅増で2年ぶり高水準。2024年見通しは70.2トン、-13.9%見込み。
■投資:-2.8トン 4四半期ぶりの売り越し。現物投資需要は1.31トン、前期比-42.5%、前年比-700%で2四半期ぶり低水準。
※2023年通年では+8.2トン、3年ぶりの買い越し。ETF関連が3年連続の売り越しで-0.6トン、現物投資は8.4トンで2年ぶり高水準。2024年見込みはETFが-3.7トン、現物投資は4.7トン。
★2023年通年で、需要全体における自動車触媒の占める割合は40.9%。過去最大となった2022年の43.9%からは縮小。宝飾品は23.1%で2022年の29.6%から縮小、過去最低。工業用は32.7%で2022年の36.5%からは縮小。投資は3.3%。
2024年には自動車触媒が43.9%へと拡大、宝飾品は25.3%へ拡大見通し。工業用は30.1%へ、投資は0.7%へと縮小見込み。

プラチナ価格とプラチナ消費需要+ETF 2023年第4四半期<価格と消費需要・ETF需要>
宝飾品需要と現物投資需要を合わせたプラチナ消費需要は15.7トン。前期比-3.6%、前年比+10.5%。過去最低となった2022年第4四半期(14.2)以来、4四半期ぶり低水準。
NYプラチナの第4四半期平均価格は919.7ドル。2四半期連続の低下で5四半期ぶりの安値。2四半期連続のETF売り越しが価格低下と消費需要低迷に影響。
※2023年通年の消費需要は65.9トン。2013年以降で最低となった2022年から変わらず(宝飾-、地金+)。2024年見通しは63.8トン、過去最低更新へ。

NY金・日足チャート 2024/2/1 - 3/77日のNY金は+7.0ドル、0.32%高で6日続伸。終値ベースでは5日連続で過去最高値を更新。6日続伸は2022年2月以来、2年1ヵ月ぶり。時間外序盤の2150ドル台前半が安値となって堅調を維持、ゆるやかなドル安基調に連れて2160ドル台へと水準を切り上げて前日高値を上抜け。ロンドン・NY市場にかけてもこれを維持して小幅揉み合い推移、NY朝には一時2070ドル台まで上昇してこの日の高値、反動安で2160ドル割れを試す場面もありながら、NY午後には2160ドル台半ばから後半へ。パウエルFRB議長の議会証言、インフレ2%への確信は「そう遠くない」発言もサポート材料に。雇用統計が調整へのきっかけとなるかどうか、2月安値(1996.4)から3月高値(2172.2)の23.6%戻し(2130.7)程度までの調整となるかどうか。

NYプラチナ・日足チャート 2024/2/1 - 3/7NYプラチナは+9.0ドル、0.98%の続伸で1月31日(932.6)以来、5週間ぶりの高値。わずかに910ドルを割り込んだ時間外序盤が安値となり、アジア時間は節目の910ドルをほぼ維持して下げ渋り、ロンドン・NY朝にかけて920ドル台へと堅調推移。90日移動平均線(922.5)との攻防を突破すると、高値では930ドルにもワンタッチ。NY午後にはやや失速も、今度は90日線維持をかけた攻防状態に。NY金の急騰局面にも触発され、鍋底からの反発局面へと動き出した格好にも。90日線超を維持できれば反発局面継続へ、910ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標990ドル付近トライの展開へ。

ドル円・日足チャート 2024/2/2 - 3/7ドル円は139銭のドル安円高、0.93%の大幅安で3日続落。2月6日(147.93)以来、1ヵ月ぶりの安値。下げ幅としては今年の絶対値平均53銭の2.6倍で今年最大。日銀3月会合でのマイナス金利解除への警戒感から円高圧力が強まる状態が続き、東京時間朝には149円30銭台から149円割れへ。148円台半ばでは下げ渋ったものの、東京市場終了後には一段安。欧州時間には148円も割り込み、NY朝には一時147円50銭台まで下落。NY午後には148円20銭台まで反発も上値は重く、米10年債利回り低下とドル安基調も続いて軟調推移。今朝の東京市場では再び148円割れを試す展開にも。149円90銭の節目割れに伴う短期下値目安、12月安値(140.26)から2月高値(150.88)の23.6%戻し(148.37)を達成後も下押し圧力が残る状態。雇用統計後に一段安へと向かえば38.2%戻し(146.82)辺りまでが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場3/7終値とチャート

8日の国内金価格は-18円、0.16%安で7日ぶりの反落。6連騰で4日連続の過去最高値更新、12月高値(10819)から12月安値(10115)の161.8%戻し(11254)もほぼ達成し、ようやく一服。しかし調整幅は限定的。目先の調整目安としては2月安値(10554)から3月最高値(11251)の23.6%戻し(11087)程度まで。雇用統計後に11250円台の最高値再更新へと向かうようなら11300円近辺までが短期上値目標に。
週間ベースでは+437円、4.05%の大幅高で3週続伸。昨年10月16日からの週(+538円、5.46%)以来、5ヵ月ぶりの急騰。

プラチナ価格は+23円、0.49%の続伸で2月21日(4735)以来、半月ぶりの高値。NYプラチナの底入れ反発への可能性に追随する展開となり、4690円の節目上抜けに伴う短期上値目標4800円の大台回復を目指す流れが進行。最初の関門、90日移動平均線(4701)突破で一段高へと向かう確率UP。次の鬼門は2月高値と1月末高値となった4757円。今年、反発局面でつけたピーク水準、中期三角保合い上半分トライにおける今年の限界点。
週間ベースでは+111円、2.41%高で3週ぶりの反発。
※参考:金プラチナ国内価格3/8とチャート

2024年03月08日(金)時点の相場
国内金:11,233 円 3/8(金) ▼18(0.16%)
国内プラチナ:4,716 円 3/8(金) ▲23(0.49%)
NY金:2,165.2 ドル 3/7(木) ▲7.0(0.32%)
NYプラチナ:923.4 ドル 3/7(木) ▲9.0(0.98%)
ドル円:148.02 円 3/7(木) ▼1.39(0.93%)
→3/7(木)のその他主要マーケット指標

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