輸入物価指数は4ヵ月続伸、16ヵ月ぶり高水準でインフレ下支え
更新日:2024年05月17日(金)
米4月の輸入物価指数は前月比+0.93%。市場予想の+0.3%を大幅に上回り、上方修正された3月の+0.57%も上回り、4ヵ月続伸。前月比としては2022年3月(2.95)以来、2年1ヵ月ぶりの高水準。
指数としては2022年12月以来、16ヵ月ぶりの高水準。
前年比でも+1.07%となり、3月の+0.43%から急加速、2ヵ月連続プラス圏となり、16ヵ月ぶりの高水準。
前年比では2023年6月に-6.13%で底打ち後、反発基調が続く状況。
PPIが2023年6月に前年比+0.26%で底打ち後、2024年4月には+2.17%、1年ぶり高水準へと反発傾向が続き、
CPIが2023年6月に前年比+2.97%で底打ち後は+3%台へと反発して2023年4月の+3.36%まで下げ渋り、
PCEが2024年1月に前年比+2.48%で底打ちの可能性を残し、2024年3月の+2.71%へと2%台後半で下げ渋る状況を、
輸入物価の反発局面が下支えする構図となっているように見えます。
そして、この状況を反映するように、消費者が予想する1年先のインフレ期待も3%台で下げ渋り、ミシガン大調査では5月速報で3.5%へと上昇。
NY連銀ウィリアムズ総裁は、最新のインフレデータからは物価上昇圧力が徐々に和らいでいることを認めながらも「今、金融政策のスタンスを変える理由があることを示す指標は見当たらない」として「金利を調整するにはさらなる証拠が必要」との発言。クリーブランド連銀メスター総裁も「目標2%に向かう道筋にあるとの確信を得る為にさらなるデータが必要」であり「政策金利をより長く高水準に維持するべき」との発言。
CPIの伸び率が直前の予想どおりの水準へ鈍化したからといって、ドル高基調が大幅に巻き戻される状況には、まだ、なっていないようです。
16日のNY金は-9.4ドル、0.39%安で3日ぶりの反落。前日NY市場からの上昇局面はこの日、時間外序盤に2400ドルの大台に到達して失速。ロンドン・NY朝には2390ドルを割れると米指標結果では前日に続いて低調な結果が目についたものの、4月の輸入物価指数の上振れを受けて長期金利上昇とドル高の流れとなり、2380ドル割れへと一段安。ただし金利上昇とドル高も限定的となったこともあり、NY午後には2380ドル台を回復。結果的に2380ドルの節目上抜けに伴う短期上値目標2400ドル近辺にしっかり到達して一服となり、2340ドルから2400ドルまでが目先の主要レンジに。上抜けると4月高値圏トライへ、2420ドル近辺までが短期上値目標に。
NYプラチナは+1.2ドル、0.11%高で6日続伸。昨年5月22日(1077.3)以来、1年ぶり高値圏で堅調を維持。6日続伸は昨年8月以来、9ヵ月ぶり。アジア時間には前日高値を上回って1080ドル近辺へと水準を切り上げ、ロンドン序盤には一時1090ドル台へと今年高値を更新。失速後、NY市場では一時1060ドル割れへと急反落。しかしNY午後には下げ渋って1070ドル近辺へと反発。急騰局面を形成して今年高値更新が続き、昨年4月高値(1148.9)から11月安値(843.1)の76.4%戻し(1076.7)達成後に上下にヒゲを残す十字線に近い足型を形成。いったんピークアウトとなれば、11月安値から今年高値(1091.1)の23.6%戻し(1032.6)辺りまでが調整目安にも。
ドル円は+52銭、0.34%の反発。大幅調整となった前日の流れはこの日の東京時間まで続き、154円80銭台から154円割れ、153円60銭近辺までの一段安でようやく下げ渋り。午後には154円回復トライとなって東京市場終了後、欧州時間から徐々に反発基調となって154円80銭台へ。NY市場では米4月輸入物価指数が市場予想を大幅に上回ったことを受けて長期金利上昇とともにドル高の流れが強まり155円を回復、高値では155円50銭台まで上昇。下ヒゲ陽線を形成して20日移動平均(155.35)を回復し、調整一服の様相に。154円80銭から156円50銭までが目先の主要レンジとなり、上方向へと抜け出せば158円近辺までの高値再トライへ、下方向へと向かえば153円近辺再トライへ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/16終値とチャート
17日の国内金価格は+19円、0.15%高で3日続伸。3日連続、今年26回めの最高値更新。オシレータ系指標が低水準にとどまる逆行状態となる失速感のなか、ジリジリと水準を切り上げる展開となり、一度は21日移動平均線(12841)を下抜けた9日移動平均線(12855)が揉み合いながらも再び上抜けてパーフェクトオーダーも復活。関連相場動向からも勢いに欠ける状況下、12990円の節目上抜けに伴う短期上値目標13070円程度までの上昇余地は残る状況か。12880円までが当面の下値サポート、割れると調整局面加速への警戒感も、12750円近辺までが調整目安。
週間ベースでは+159円、1.24%の続伸。
国内プラチナ価格は-16円、0.28%安で6日ぶりの反落。4月高値(5233)から4月末安値(4905)の261.8%戻し(5763)を達成して急騰局面一服も、調整幅は限定的となって高止まり状態。5760円台が当面の高値とならなければ、5800円の大台トライが次の短期目標に。いったんピークアウトとなれば、4月末安値からここまでの23.6%戻し(5560)辺りまでが目先の調整目安にも。
週間ベースでは+420円、7.89%の大幅高で3週続伸。2022年9月5日からの週(+335円、8.27%)以来、1年8ヵ月ぶりの急騰。
※参考:
金プラチナ国内価格5/17とチャート
2024年05月17日(金)時点の相場
国内金:13,028 円 5/17(金)
▲19(
0.15%)
国内プラチナ:5,746 円 5/17(金)
▼16(
0.28%)
NY金:2,385.5 ドル 5/16(木)
▼9.4(
0.39%)
NYプラチナ:1,071.3 ドル 5/16(木)
▲1.2(
0.11%)
ドル円:155.39 円 5/16(木)
▲0.52(
0.34%)
5/16(木)のその他主要マーケット指標
1年ぶり高値圏、NYプラチナは中期三角保合い上抜けへ 05/18(土)今年初めて予想通りの鈍化、コアCPIは3年ぶり低水準に 05/16(木)世界のプラチナ需給 2024年第1四半期 05/15(水)NY連銀消費者調査でも、4月インフレ期待は上昇 05/14(火)
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