更新日：2024年11月23日(土)
11月のユーロ圏景況感は予想外に低調。総合PMIでも、製造業もサービス業も、フランスもドイツも低調。強いて挙げるなら、ドイツの製造業PMIだけは市場予想より少しだけマシ。ユーロ圏総合PMIは48.1。前月から-1.9の急反落で10ヵ月ぶりの低水準、2ヵ月ぶりに節目50割れ。
足を引っ張り続けるドイツの総合PMIは47.3。-1.3の反落で9ヵ月ぶり低水準、5ヵ月連続50割れ。
そのドイツを2ヵ月連続で下回り、その差拡大となったフランスは44.8。前月から-3.3の急低下で3ヵ月続落、3ヵ月連続50割れで10ヵ月ぶりの低水準。
サービス業PMIはユーロ圏が49.2。前月から-2.4の急反落で10ヵ月ぶり低水準、10ヵ月ぶりの節目50割れ。ドイツが49.4とユーロ圏を上回り、-2.2の急反落で9ヵ月ぶりの50割れに対し、フランスは45.7。-3.5の急落で10ヵ月ぶり低水準、3ヵ月連続50割れで3ヵ月連続ドイツを下回る低迷状態。
ユーロ圏の製造業PMIは45.2。-0.8の反落で2ヵ月ぶり低水準、今年2番めの低水準で2年5ヵ月連続節目50割れ。ドイツは43.2、+0.2の続伸で4ヵ月ぶり高水準。フランスも43.2。-1.3の続落で10ヵ月ぶり低水準。フランスがドイツを上回らないのは10ヵ月ぶり。
ドイツの連立政権崩壊にフランスの財政問題、トランプ関税、さらにウクライナ情勢緊迫化など、ここに来てユーロ圏ではリスク要因が後を絶たない状況にも。
指標発表後にはユーロドルが急落し、2022年11月末以来、2年ぶりのユーロ安となってドル高をサポート。
なお、ユーロ圏との逆行状態がさらに拡大し始めた米国の総合PMIは55.3。+1.2の続伸で2年7ヵ月ぶりの高水準、1年10ヵ月連続節目50超。これを牽引するサービス業PMIは57.0、+2.0で2年8ヵ月ぶり高水準。製造業PMIは48.8、5ヵ月連続節目50割れも、続伸で4ヵ月ぶり高水準。
22日のNY金は+37.3ドル、1.39％高となって5日続伸。11月5日（2749.7）以来、半月ぶりの高値。5日続伸は1ヵ月ぶりで今年7回め。アジア時間の2670ドルが安値となってこの日も堅調推移、ロンドン序盤には2700ドルの大台トライ、ロンドン・NY朝にかけては2710ドルの節目トライ。いったんは跳ね返されながらも2690ドル割れで切り返すとNY午後には2710ドル再トライ、NY引け後には節目での攻防を抜け出す形で2710ドル台後半へ。10月末最高値（2801.8）から11月安値（2541.5）の61.8％戻し（2702.4）を達成し、大台回復の勢いで2710ドルの節目も上抜け。これに伴う短期上値目標は2730ドル近辺、少し勢いづけば76.4％戻し（2740.4）近辺にも。週間ベースでは+142.1ドル、5.53％高で4週ぶりの反発。2023年3月13日からの週（+106.3ドル、5.69％）以来、1年8ヵ月ぶりの急騰。
NYプラチナは+4.6ドル、0.47％の続伸。970ドルを挟んでの小幅保ち合いに終始。アジア時間には高値で980ドル手前まで上昇も、980ドルの節目付近で跳ね返されてロンドン序盤には安値で960ドル台前半まで下落。960ドルの節目付近での底堅さも確認するとNY市場では970ドル台へ。90日移動平均線（975.1）との攻防が続く状態で960ドルから980ドルのレンジでの小幅保ち合い継続。上抜けできれば1000ドルの大台回復トライへ、下抜けると930ドル近辺までの下値トライへ。週間ベースでは+30.0ドル、3.17％高で4週ぶりの反発。
ドル円は+26銭、0.17％の反発。東京朝には国内10月CPIが予想を上回ったことを受けて日銀の12月利上げ観測で154円半ばから154円割れへと急落、これが安値となって切り返すと元の水準へと行って来い。午後にはドル高基調再開で154円90銭台まで上昇も、欧州時間には154円半ばへと失速しての保ち合い推移、NY市場では米11月PMI速報の好結果もあり、154円80銭台へと上昇、高値では155円にもワンタッチ。結果的に154円半ばから155円半ばまでの保ち合いレンジ下限をなんとか維持し、155円ラインが徐々に重くなってきた様子も。下限割れなら152円半ばまでが短期下値目安、上限突破なら157円近辺を目指す流れへ。週間ベースでは+35銭、0.23％の小幅続伸。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場11/22終値とチャート
2024年11月23日(土)時点の相場
国内金：14,495 円 11/22(金) ▲19(0.13％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：5,163 円 11/22(金) ▼31(0.60％)
NY金：2,712.2 ﾄﾞﾙ 11/22(金) ▲37.3(1.39％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：975.1 ﾄﾞﾙ 11/22(金) ▲4.6(0.47％)
ﾄﾞﾙ円：154.79 円 11/22(金) ▲0.26(0.17％)
11/22(金)のその他主要マーケット指標フィラデルフィア連銀製造業景況指数は低調、期待は急上昇 11/22(金)長期三角保合い延長戦、NYプラチナの上限ラインは上方シフト？ 11/21(木)米住宅市場、景況感回復も着工・許可件数は低調 11/20(水)
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